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「革製品は水に弱い」これ本当?その理由、水に弱いのはこんな革

革製品が水に弱いって本当?その理由、水に弱いのはこんな革 革の種類と専門知識

当記事はプロモーションをふくみます。

革製品は水に弱いので濡らさないようにしましょう。

革製品を使う方はこんな文言を目にしたことがあるかもしれません。でも、革が水に弱いって本当にそうでしょうか?

この記事は、『革が水に弱い』の本当のところに切り込んでお話しします。

  • 「革製品を濡らしちゃダメ」の本当のところ
  • 革が濡れたらどうなるの?
  • 対処法は?

こんな内容でお話ししていきます。

この記事を書いた人

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革職人の経験を活かし、趣味のレザークラフターや革製品のトラブルに悩む方に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

・レザーブランド"dete"の代表
・出版書籍『革職人になる方法』Amazon手芸本1位獲得

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  1. 多くの革は本当は水に強い?でも革製品は弱い理由
    1. 革が濡れただけではダメージを受けない理由
    2. 濡れても大丈夫な革素材も革製品になると弱くなる
  2. 濡れた革製品を使い続けるとどうなる?乾かし方にも注意
    1. 濡れた革製品を使い続けると型崩れや衣類を汚すリスクが
    2. 濡れた革製品のお手入れ方法|乾かし方をまちがえるとキケン
    3. 革製品の水濡れ対策は防水スプレー
    4. 革は濡れると硬くなる?直し方
  3. 特に水に弱い革(グレージング、素上げ、エナメル)
    1. アイロンやグレージングで仕上げた革は、水ぶくれができやすい
    2. 素上げの革は水シミができやすい
    3. エナメル革は水が原因で加水分解を引き起こす
    4. 水に弱い革を濡らしてしまったらどうすれば?
    5. どんな革でも水に浸け続ければ劣化する
    6. 汗はさらにダメージリスクが大きくなる
  4. 水に強い革(製品)はあるか?防水レザーとウォッシャブルレザー
    1. 防水レザーの効果はすごい
    2. 洗える革を目にする機会が増えている
    3. お手入れされたスエードなら小雨も問題なし
  5. 革が水を吸う理由。吸いやすい革と吸いにくい革
    1. 革の原料によるちがい|水を吸いやすい原料が使われているかどうか
    2. [実験アリ]繊維密度によるちがい|密度が高い革と低い革どちらが水を吸いやすい?
    3. 塗装が厚い革は水を吸いにくい
  6. 「革は水に弱いは本当か?」についてのまとめ
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多くの革は本当は水に強い?でも革製品は弱い理由

たいていの場合、革が濡れただけで深刻なダメージを負うことはありません

革が濡れただけではダメージを受けない理由

革は、なめし(皮を革にする加工 参照 革と皮のちがいは?)の段階で何度も水にくぐらされて作られる素材だからです。もし水に弱いとするならば、なめしの時点で傷んでいるはずです。

濡れてもすぐに拭きとれば革そのものの品質が落ちたり使えなくなったりすることはありません

傷んでしまうとしたら、それは多くの場合、濡れた状態で使い続けたり、濡れたまましまったりするのが要因。あとは、元からの汚れが濡れて浮き出ているケースも。

なら安心だ。濡らしても大丈夫なんだね

デテログ
デテログ

ちょっと待って。革の種類や使い方によっては水濡れは大きなリスクになるよ。

あと、革は水に弱くなくても財布やバッグに仕上がった状態では気をつける必要があるよ。

濡れても大丈夫な革素材も革製品になると弱くなる

財布やバッグになると水に弱くなる場合があります。そう言える理由は2つ。

  • 水に弱い接着剤や処理剤、芯材などが使われている可能性があるから
  • 芯材や裏地が付いている分、濡れたら乾きにくくなるから

接着剤の種類によっては、水分で接着が弱まるものがあります。また、コバと呼ばれる革の断面にも、水性で水に弱い処理剤が使われている場合があり、水に注意が必要です。

濡れるともろくなる芯材(ボール紙製など)が使われている場合があるほか、芯材が水を吸って溜め込んだり透湿性(湿気を逃がす性質)をさまたげたりすることも。

濡れた状態が続くとカビの発生リスクが高まります

革とカビについてくわしくは、プロが教える革製品のカビ予防と対策!おすすめ防カビ剤も紹介

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濡れた革製品を使い続けるとどうなる?乾かし方にも注意

一部の革をのぞけば、革自体は水に弱くないとお話ししました。ですがこれは正しく使えていればの話。

使い方をまちがえると、水に弱くない革でも傷んでしまいます

水濡れでダメになるまちがった使い方
  • 濡れたまま使い続ける
  • まちがった乾かし方をする

濡れた革製品を使い続けると型崩れや衣類を汚すリスクが

濡れた革製品を使い続けるリスク
  • 色落ちする
  • 色移りして服などを汚す
  • 型崩れする
  • 革のシボがつぶれる
  • テカリが出る

水に濡れた状態の革は、色落ちしやすく、そのまま使うと落ちた染料が服やバッグを汚してしまうことがあります

また、濡れた状態でキズやへこみが付いたまま乾くとその状態が形状記憶されてしまいます(タンニンというなめし剤が使われた革のみ)。

逆にこの性質を活かしたウェットフォーミング(絞り)という技法があるくらいです。

ウェットフォーミンで立体的にふくらませた名刺入れを製作中
ウェットフォーミンで立体的にふくらませた名刺入れを製作中

濡れた状態で力が加わると、テカリが出たりシボ(革によくある特有のデコボコ模様)がつぶれる原因にも。

これによって劣化が進んだり、望んでいない方向に味が出すぎたりするので気をつけたいですね。濡れた財布を尻ポケットに入れたまま座ったりしてもこうなります。

濡れた革製品のお手入れ方法|乾かし方をまちがえるとキケン

革が濡れた時は、直射日光や高温を避け、風通しのいいところで乾かしましょう。

ドライヤーやファンヒーター、ストーブなどの近くで乾かすのはNGです。

濡れた革を熱で急に乾かすと、革が焦げたりカチカチに硬くなって割れてしまうことがあるからです。

次の写真はドライヤーで革がバキバキに割れた実例です。

ドライヤーで急に革を乾かすとこのように割れる

このときの実験についてくわしくは、濡れた革製品にドライヤーを使ってはいけない理由は一つで紹介しています。

乾いたらクリームを塗りましょう。濡れると革の油分が抜け出てしまうので、しっかり補わなくてはいけません。

革製品を濡らした時にすべき手入れ方法と乾かし方については、革財布が濡れた時の手入れ方法と乾かし方|革職人直伝でくわしく解説しています。

結論

濡れたら無理に使わない。できるだけ早く乾かして乾いたらクリームを塗る。

革製品の水濡れ対策は防水スプレー

革製品が濡れて使えなくならないためにできる対策は防水スプレーを使うことです。

防水スプレーを使えば、水を弾いて落としてくれるようになり、多少の雨くらいなら問題なく使えるようになります。

ですが、防水スプレーはいいことばかりではありません。防水スプレー自体のリスク(シミ、変質など)もゼロではないからです。

とはいえ、使わないリスクよりも使って起こりうるリスクの方が小さいとデテログは考えており、防水スプレーを推奨しています。

くわしくは、防水スプレーはヌメ革に悪影響?使った方がいい理由をご覧ください。

防水スプレーはシリコンを含んでいないものを使ってください。くわしくは、[実験]シリコン入り防水スプレー&クリームを革用におすすめしない理由/使うメリットで解説しています。

革は濡れると硬くなる?直し方

濡れて硬くなった革の直し方は、「クリームで革に油分をあたえる」です。

革はもともと油分をふくんでいるものです。これが抜けると硬くなって革の繊維同士がギシギシと摩擦を起こす(実際に音がするわけではありません)ようになり、最悪曲げたときにひび割れします

こうならないように普段からときどきクリームを塗って欲しいのですが、濡らした後はマストでクリームを使いましょう。

万能で使いやすい革用クリーム

など。いずれも愛用していますが、迷ったら1909シュプリームクリームデラックスをとすすめています。

関連記事 コロニル1909シュプリームクリームデラックスの万能感をレビュー&使い方

特に水に弱い革(グレージング、素上げ、エナメル)

多くの革は、濡れた状態で使い続けたりしまったりしない限り問題ありません。ですが中には、すこし濡れただけでダメージをうける水に弱い革があるため注意が必要です。

特に水に弱い革
  • ツルツル仕上げの革(グレージングやアイロン仕上げ)
  • 素上げの革
  • エナメル革(パテントレザー)
  • その他表面に特殊な加工がなされた革

アイロンやグレージングで仕上げた革は、水ぶくれができやすい

アイロンやグレージングで仕上げたツルツルで平滑な革は、熱を使って表面を平らでツヤツヤに仕上げています。

これらの革は、濡れるとアイロンやグレージングの効果がなくなり、水ぶくれが残ったり毛穴が目立つようになったりすることがあります。

ブライドルレザーにできた水ぶくれが完全に消えずに残った例を、ブライドルレザー水ぶくれができたときの直し方で紹介しています。

素上げの革は水シミができやすい

ヌメ革をはじめとした素上げの革は、表面がコーティングされていないため水を吸いやすく、シミになりやすい特徴があります。ですが個人的には、あまり心配しなくてもいいのでは?と感じます。

対処法がありますし、味が出ていく革なのでシミが残っても次第に目立たなくなっていく場合が多いです。

対処法についてくわしくは、ヌメ革の水シミを目立たなくする方法は水拭きですをご覧ください。

エナメル革は水が原因で加水分解を引き起こす

エナメルは、革表面にポリウレタン樹脂を吹き付けて仕上げた革。ポリウレタン樹脂は合成皮革(革を模して人工的に作られた生地)に使われるものと同じで、他の革では起きない類の劣化が起きます。

特に、加水分解を引き起こすのが大きな問題。革とウレタン層が剥離したり、最悪べたついたりします

経年によりいずれ劣化するものですが、湿気や水が劣化スピードを早めると言われています。

濡らしちゃダメな革ってけっこう多そうだけど

デテログ
デテログ

ちょっとおどかしてしまいましたが、実際はここであげた以外の革の方がずっと多いです。たいていの革は単体なら濡れてもすぐに拭きとれば問題ないので安心してください

水に弱い革を濡らしてしまったらどうすれば?

すみやかにふき取りましょう。こすったり強く力を加えたりせず、やさしく行ってください。

その後きちんと乾かしてクリームを使ったお手入れをします。

具体的なお手入れ方法はこの記事後半でも触れますが、詳細は別記事の関連記事革財布が濡れた時の手入れ方法と乾かし方|革職人直伝をご覧ください。

どんな革でも水に浸け続ければ劣化する

革を水に浸け続けると、乾いた状態では感じなかったにおいが立つのを感じます。

革にふくまれた油分が水に溶け出しているからです。

長時間水に浸けたり雨ざらしになったりしないよう気をつけて使いましょう。

汗はさらにダメージリスクが大きくなる

汗の場合はよけいに注意が必要です。

汗に含まれる塩分やアンモニアなどの成分が、革のなめし(皮を革にする加工)をもどして元々の皮に近づけてしまうと考えられています。

皮と革のちがいについては、革と皮のちがいを革職人がわかりやすく解説|皮をなめしたものが革をご覧ください。

参考書籍 皮革ハンドブック 日本皮革技術協編

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水に強い革(製品)はあるか?防水レザーとウォッシャブルレザー

革に携わる人間の一人として言えるのは、「濡れるのを気にせず使っていい」と断言できる革製品はないということ。

もちろん、完全防水の革製品を作るメーカーがあったのなら撤回しますが、今のところ私は目にしたことがありません。簡単なことではないはずです。

とは言え、革単体で比較的水に強い素材はあります。

比較的水に強い革
  • 防水レザー
  • ウォッシャブルレザー
  • お手入れされたスエード

防水レザーの効果はすごい

防水レザーは昨今目にする機会が増えつつあります。

出典 FUJITAKA レザーリュック 楽天市場

伊勢丹新宿でも防水レザーを使ったバッグが販売されているのを見ました。

この動画は、deteで採用している防水レザーの性能を実験した内容です。

防水・防汚効果は本物で、雨はもちろん、しょう油もコーヒーも跡が残りません

とてもすばらしい性質の防水レザーですがデメリットもあって、それはクリームの油分も入りにくい点。長年使った先にどうなるか?はまだ検証できていません。

とはいえ、私のブランドdeteでは2017年頃から防水レザーを導入し自分でも使っていますが、6年目の今でも何の問題もなく使えています。

10年20年経ってからどうか?は未知数な面はありますが、一般的な用途の範囲では耐久性の面でも優秀と言える素材でしょう。

洗える革を目にする機会が増えている

近年、洗濯機で洗えるウォッシャブルレザーを目にする機会が増えつつあります。

画像出典 楽天市場

消費者が革に求めるものの変化や衛生への関心の高まりが影響しているのかもしれませんね。

革単体では洗えても、製品の構造によっては洗える革のメリットを生かしきれません。洗濯機に耐えられる製品構造なのかどうかの注意は必要です。

現在販売されているウォッシャブルレザー製品のバッグを検索すると、裏地がついていない製品を多く見かけます。

洗える構造、乾きやすさなどを考慮すると、デザインに制約ができてしまうのはいたし方ないのでしょう。

お手入れされたスエードなら小雨も問題なし

出典 スエードカラーフレッシュはどんな商品?〔使い方と効果〕

きちんとお手入れされたスエードは小雨になら比較的強い素材と言えます。

毛足が水を弾き、革そのものの部分に水が届かないからです。

デテログ
デテログ

葉っぱに生えた細かい毛が水を弾くイメージです

ただし、スエードは床面(裏面)を外に使っているため、革そのものは一般的な革よりも水を吸いやすい状態にある点は注意してください。

しっかり水を弾くためには、スプレーで防水対策されていることが重要です。

スプレーは一般的な革用防水スプレーでもかまいませんが、スエード専用ならよりベターです。

くわしくはスエード製品の雨対策|防水スプレーをすすめる理由をご覧ください。

革が水を吸う理由。吸いやすい革と吸いにくい革

ところで、革はどうして水を吸うのでしょうか?

革が水を吸う原理は、毛細管現象によるものです。

毛細管現象とは、毛細管の内側にある液体が管の中を上昇または下降する物理現象といいます。

出典 雨漏りの原因にもなる「毛細管現象」を元塾講師がわかりやすく解説 – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

簡単にいうと、革の繊維のすき間が管になり、この無数のストローで水を吸い上げているということです。

すぐに水を吸う革とゆっくり吸う革があるね。何がちがうんだろう?

デテログ
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思いつく要因は、親水性のちがいと繊維密度のちがい、そして塗装のちがいです。

革の原料によるちがい|水を吸いやすい原料が使われているかどうか

一つ目のちがいは、革に使われる原料の親水性。

親水性とは、水に対して親和性が高い物質のことを指します。
水に溶けやすかったり混ざりやすい性質があり、表面状態に関していうと、濡れやすい場合に親水性があるといいます。

出典 親水性ってどういう意味? |株式会社ミヤケン

そもそも、革の主成分のコラーゲンは親水性が高い素材。

コラーゲン自信が高親水性であり、革製造に使用される鞣し剤や加脂剤も親水性のものが大半である

出典 皮革ハンドブック 日本皮革技術協会 編

中でも、タンニンなめし革(関連タンニンなめし革とクロムなめし革のちがい)に使われる素材は親水性が高く、ヌメ革は特に水を吸いやすい革に仕上がります。

逆に、ブライドルレザーオイルレザーにふくまれる油分やロウは親水性が低く、水をはじきます。

このように、どんな素材が使われた革かで水を吸う速さが変わります。

結論

オイルやロウを多くふくむ革は水を吸いにくい

[実験アリ]繊維密度によるちがい|密度が高い革と低い革どちらが水を吸いやすい?

もう一つのちがいは繊維の構造。同じ個体の同じ製法でも、首やお腹などの繊維は粗く(ゆるく)、背中やお尻部分は密度が高く詰まっています。

A:繊維がぎっしり詰まった部位の革
B:密度が低く粗い部位の革

どちらが水を吸いやすいと思いますか?

結論を書くと、実験した結果ではBの密度が低く粗い革の方が早く水を吸いあげました

そうだろうなって思うけどどうしてわざわざ実験したの?

デテログ
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私もそうだろうなと思っていたのですが、実験前に仕入れた情報から逆なのかも?と思って確かめてみました。しかし、結局はBの繊維が粗い方が早く水を吸う結果に。

その情報は、日本皮革技術協会の皮革ハンドブックにある次の一文。

牛革でも子牛革の方が吸水性が高い。すなわち、高級靴ほど雨の時にはできるだけ濡らさないか、事前のはっ水処理が必要となる。

出典 皮革ハンドブック 日本皮革技術協会 編

子牛革と成牛革のちがいは、繊維の太さと密度。毛穴の数は同じです。

デテログ
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つまり、繊維が密な方が水を吸いやすいということ?

その仮定を裏付けるように、毛細管現象が起こるとき、ストロー(革の繊維のすき間)は太いよりも細い方が早く水を吸うと書かれているサイトを見つけました。

画像出典 雨漏りの原因にもなる「毛細管現象」を元塾講師がわかりやすく解説
デテログ
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ということは、同じ製法の同じ個体の革でくらべたとき、繊維が粗い部分より密な部分の方が早く吸うのでは?

こう考え、次の実験を行いました。

実験|繊維密度が低い部位の方が高い部位よりも水を早く吸った

一枚の革の中から、繊維密度が低い部位(お腹側)と繊維密度が高い部位(背中側)それぞれから革を切り出し、コップに入れた水に浸しました。

どちらが早く水を吸い上げるかを見比べます。

左の革が繊維密度が低い革、右の革が繊維密度が高い革です。

コップの水を吸う様子を見てみましょう。

写真のように、繊維密度が低い革の方が早く水を吸い上げているのがわかります。

仮定が見事にはずれてしまいました・・・。

デテログ
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本来なら成牛革とカーフもくらべてみたいところですが、製法がちがうカーフと成牛革をくらべることに意味はありません。

なんとも言えない結果になってしまいました。

はっきり言えるのは、高級品でもそうでなくても、革製品は水に強くない製品が多いので気をつけましょうということです。

塗装が厚い革は水を吸いにくい

塗装の厚さや種類によっても水を吸いやすいかどうかは変わります。

当然ながら、塗装が厚い方が水を吸いにくくなります。では、塗装が厚い革が水に強いかというとそんなことはありません

塗装が厚くても濡れたままにしておけば水を吸います。そうなったとき、塗装が水分の蒸発をジャマしてしまい、カビや雑菌の繁殖を助けてしまうからです。

逆に、塗装がうすい革や素上げ(塗装していない革)の革は、水がしみ込みやすいですが乾くのも早いです。

塗装された革と塗装されていない革の比較について、関連記事 顔料を使っている革は悪い革?染料と顔料のメリットとデメリットでまとめています。

塗装とは別の概念ですが、自然のキズを消すために表面を削ってから仕上げる革もあり、これは特に水に弱い素材です。

商品に使う物ですから、当然そのような革は塗装を厚くしてカバーしています。ですが塗装がはがれると削った革の地が見えてしまい、見栄えも機能性もガクッと落ちてしまうことになります。

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「革は水に弱いは本当か?」についてのまとめ

多くの革は、革生地の時点ではちょっと濡れたくらいでは大きく傷むことはありません。ですが、財布やバッグに仕上がった状態になると話は別

水濡れ注意。不用意に濡らさないに越したことはありません。

とはいえ、水没や内側まで濡らさない限りは、すぐに拭きとって乾かせば大きな問題になることは少ないでしょう。

高温や直射日光を避けつつ乾かし、乾いたらクリームを塗ればOK。

革財布が濡れた時の手入れ方法と乾かし方|革職人直伝
濡れた革製品の手入れは、普段のお手入れよりずっと大切な作業。正しい知識できちんと行いましょう。そのままにすると革が傷み、財布の寿命は縮まります。さらに、カビが生えやすくなって嫌~な臭いの原因になります。

関連記事 革財布が濡れた時の手入れ方法と乾かし方|革職人直伝

ただ、次のような革は特に水に弱い場合あり、注意が必要です。

濡れただけで傷む可能性がある革
  • ツルツル仕上げの革(グレージングやアイロン仕上げ)
  • 素上げの革
  • エナメル革(パテントレザー)
  • その他表面に特殊な加工がなされた革

気をつけて使う他、防水スプレーなどで対策することも検討してください。

防水スプレーを使うとエイジングがゆるやかになったりそれ自体でシミになるリスクがあったりするので、使うかどうかは好みの問題でもありますが、デテログは使用を推奨しています。

理由は防水スプレーはヌメ革に悪影響?使った方がいい理由をご覧ください。

おすすめの防水スプレーについては、コロニルの革用防水スプレー4種類を比較|迷ったらウォーターストップで間違いなしをご覧ください。

コロニルの革用防水スプレー4種類を比較|迷ったらウォーターストップで間違いなし
コロニルには、革に使える防水スプレーが4種類あります。それぞれの特徴と、ずばりどれを買えばいいのかについて書いています。

この記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。

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