
革に防水スプレーを使ってはいけないと聞きました。
本当ですか?

防水スプレーにはどんな効果があるの?
そんな疑問を持った方に向けて解説します。

詳しくない方にも理解してもらいやすいように意識して書きました。
最後までお付き合いいただけたらうれしいです。
- ヌメ革に防水スプレーをかけるとどうなる?
- 使った方がいいか?理由は?
- 防水スプレーの選び方
まず防水スプレーには種類があることをざっくり
本題に入る前にこれだけ知っておいてください。
防水スプレーには種類があります。大きく分けて3つです。
- フッ素系
- シリコン系
- 第三の防水スプレー(カーボンなどを使ったもの)
デテログが革に使う防水スプレーでおすすめできるのはフッ素系の防水スプレーだけです。
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シリコンを使った防水スプレーをすすめない理由は、別記事の[実験]シリコン入り防水スプレー&クリームを革用におすすめしない理由/使うメリットをご覧ください。
防水スプレーを使う効果とヌメ革に与える影響

防水スプレーを使うとどうなるのでしょうか?
- 水をはじきやすくなる
- 油を吸いにくくする
- 汚れをつきにくくする
- 透湿性は保つ
- スプレー跡が残る可能性がある
- クリームが入りにくくなる
水をはじいて油も吸いにくくなる


左から、日本のヌメ革、イタリアンレザー/トイアーノ、イタリアンレザー/エルバマット。
ブロック左上:コロニルウオーターストップ
ブロック左下:ロックタイト超強力防水スプレー
ブロック右下:何もしていない


いかがでしょうか?
防水スプレーを使うと、水をはじき、油も吸いにくくなります。
特にウオーターストップの効果が大きいです。
別記事で詳しく書いているので、お時間がある方は、amazon激安防水スプレーLOCTITEと人気のCollonilウォーターストップ比較もご覧ください。
汚れがつきにくくなる
テフロン・フッ素樹脂は、摩擦係数が低く、滑りやすいので、スティックスリップが起こりません。高荷重、低速度での使用や、汚染を嫌う箇所にも使用できます。
引用元 テフロンコーティング、フッ素樹脂コーティングの特性 – パッキンランド
フッ素加工(テフロン)のフライパンをイメージしてください。
食材がスベるスベる!
革なのでフライパンほどにはなりませんが、防水スプレーをかけるとほこりやチリが落ちやすくなり、お手入れが簡単になります。
ムレにくさはある程度保てる

防水スプレーを使うと通気性がなくなるって聞きました。本当?

通気性ではなくて透湿性のまちがいだと思います。つまりムレにくさ。
そもそも、革には最初から通気性がほとんどありません。
重要なのは透湿性で、フッ素系の防水スプレーなら透湿性はほとんど下がりません。
防水スプレーをかけた革は水滴ははじきますが、水蒸気は通します。だから蒸れにくさは変わらない。
リスク:スプレー跡が残る可能性がある
革の種類によるので一概にはいえないですが、革によってはスプレー跡が残る可能性があります。
でも、デテログではこのリスクはそんなに気にしなくていいと考えています。なぜなら、防水スプレーを使わないリスクの方が大きいから。
防水スプレーを使わなかった場合に比べると、結果的にキレイに使うことができます。

ふつうのヌメ革の場合、最初は跡ができる可能性がありますが、使っているうちにわからなくなることがほとんどです。
リスク:クリームが入りにくくなる
防水スプレーには防水防油効果があるので、先に防水スプレーをかけると浸透しにくくなります。

クリームを先に塗っては?

そうすると防水スプレーが浸透しにくくなります。
メーカーによって推奨する使い方が違っていて、A社は先に防水スプレー、B社は先にクリームといった感じ。

私の場合、毎回は防水スプレーを使わないので、スプレーする時はクリームの前にかけるようにしています。
その他対策として、防水スプレーを使うときは、クリームを伸ばしたあと、すこし時間をかけて浸透させるように意識してみてください。

クリームを塗ってすぐに使わないとか、うすく二回に分けて塗るとか。
ヌメ革に使う効果とリスクを二つ紹介しました。
リスクがありますが、それでも防水スプレーは使った方がいいです。
その理由について解説します。
それでもヌメ革に使った方がいいと考える理由

理由を三つ。
- ヌメ革は汚れやすいから
- 汚れ防止効果の偉大さ
- 水シミを減らせるから
ヌメ革は汚れやすいから
ヌメ革は味が出る革と認識されていますが、実は超デリケートで汚れやすい素材(オイルの量や種類や、仕上げ加工にもよりますが)。
これについて別記事で書いています。


保護してキレイに使うことがいいエイジングのコツ。
汚れ防止効果の偉大さ
ヌメ革は吸水性がとても高い素材です。
その性質から、濡れた時に水分と一緒に汚れが革の中までしみ込んでしまうことが問題に。
この濡れによる汚れを防ぐ一番の方法が防水スプレーです。
水シミを減らせる
水シミの原因は、革にしみ込んだオイルやなめし剤が、しみ込んだ水分でにじむことが原因と言われています。
防水スプレーをかければ水がしみにくくなるので、水シミはできにくくなります。
以上が使った方が良い理由です。

わかったけど、おすすめの商品はどれ?
革に使えるのはフッ素系の防水スプレーです。一覧で紹介します。
ヌメ革に使えるフッ素系防水スプレー
先におすすめ、次に一覧で紹介します。
デテログがおすすめする防水スプレー
ヌメ革にもスエードにも布にも使える万能タイプ。これで十分です。
クリームを使うのが面倒なら、同じくコロニルの1909 シュプリームプロテクトスプレーを。
これ一本で保湿成分も浸透させられ、クリームを使う手間が省ける便利アイテムです。
防水スプレーがヌメ革に与える影響のまとめ
- 水をはじきやすくなる
- 油を吸いにくくする
- 汚れがつきにくくなる
- スプレー跡が残る可能性がある
- クリームが入りにくくなる
使うリスクはありますが、ヌメ革にも(他の革ならなおさら)使った方がいいとデテログでは考えています。
- ヌメ革は汚れやすいから
- 汚れ防止効果の偉大さ
- 水シミを減らせるから
革におすすめできる防水スプレーは、フッ素を使った防水スプレーです。
迷ったら、コロニルのウオーターストップを買っておけばまちがいないかなと思います。
長文お読みいただきありがとうございます。
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