この記事は、コロニルブランドの商品「デリケートクリーム(汚れ落としクリーム)」を買おうかどうか迷っている方、革製品用クリームを探して迷っている方にお届けする内容です。

革製品用クリームを探してるんだけど、コロニルのデリケートクリームってどう?

コロニルのデリケートクリームにデメリットはある?

コロニルブランドの汚れ落としクリームってクリーニング専用?
などについてお話します。
まず私の結論を先に。

クリーニングと保革を一度に行えるメリットは貴重。でもひび割れ防止のケアなら他の選択肢も。私は同じメーカーの1909シュプリームクリームデラックスを使っています。
シュプリームクリームデラックスについては、1909シュプリームクリームデラックス(カラーレス)の万能感をレビュー&使い方でくわしく解説しています。

それでは汚れ落としクリームについて深掘りして解説します。
コロニルのデリケートクリームってどんなクリーム?

※現在はパッケージが変更されています。
パッケージにはデリケートクリームとありますが、日本国内では汚れ落としクリームとしても販売されています。
ずばりこのクリームの効果をまとめると次の通りです。
プルプルのゲル状で塗りやすい

開けると中身はこんな感じ。プルプルとしたゲル状で、スピーディーに延ばせるからムラなく塗りやすいクリーム。
ちなみに、よく似た「エム・モゥブレィ デリケートクリーム」は次の写真。

エム・モゥブレィ デリケートクリームの方が若干色がついていますが、似たプルプル感です。
関連記事 エム・モゥブレィ デリケートクリームは買いか?|デメリットと使い方
コロニルのデリケートクリームが他の保革用クリームとちがうところ
コロニルのデリケートクリームが他社製デリケートクリームとちがうところは、汚れ落とし効果をうたっているところ。
パッケージには、「デリケートクリーム」と書かれていますが、他メーカーでデリケートクリームといえば、デリケートな革に使える優しいクリームのことです。ここが大きな違いですね。

汚れ落とし成分が入ってるの?

汚れ落とし効果がある界面活性剤が入っているところがポイントだよ。
界面活性剤は、石鹸や洗剤の主成分。汚れを浮かせて落とします。
有機溶剤も使われていて、これは溶剤としてなのか、汚れ落とし目的なのか、その両方なのかは不明。ですが、結果的に汚れ落としにも役立っていると考えられます。
効果をまとめると、汚れを溶かして浮かせて落とす効果があるクリームです。
コロニルのデリケートクリームの保湿効果
デリケートクリームはただのクリーニング剤ではありません。本来の目的は保革(革に油分を与え、柔軟性を保つこと)です。

肝心のお手入れの効果は?

ちょっとあっさり目な印象。
では、肝心の保革効果はどうなのかというと、ライバル商品と比べると若干あっさりした仕上がりかな?という印象です。
カサカサに乾き始めた革に使うなら、汚れ落としクリームだけではちょっと物足りない。もっと油分が多いクリームが向いています。

私は、コロニルのデリケートクリームを使った後にさらに別のクリームを塗ることもあります。
この場合うすーく付ける。付けすぎには注意を。
クリーニング効果|油性インクに効果アリ&シミになりにくい
コロニルのデリケートクリームは、他の革用クリームに比べて油性マジックを落とす効果が高く、それでいてシミになりにくいクリームだとわかりました。
次の写真をご覧ください。

油性マジックで革(栃木レザー製)に書いた線を各クリームを塗り、綿棒でくるくるして比較してみました。比較したクリーム/クリーナーは以下の通りです。

結果は、デリケートクリームが一番効果があり、マジックの線が薄くなりました。それでいて革の色が変わってもいない。すばらしい。
シミやカビなど、しぶとい汚れを落とす効果はあまり期待できない
デリケートクリームはマジックインクを薄くする効果があるとわかりました。ですが、がっつりクリーニングやリペアレベルの効果はありません。
コロニルデリケートクリームには油汚れを溶かす有機溶剤や、汚れを浮かして落とす界面活性剤が入っています。ただ、クリーニングだけに特化した商品ではないので、その濃度は低く、しぶとい汚れやカビを落とす効果はあまり期待できません。

あくまでも、油分を補いつつ汚れも落とせる便利アイテムと考えた方が無難。
コロニルのデリケートクリームの効果をまとめます。

言いかえれば、効果が強すぎないからこそ普段使いできるメリットとも。
やはり、「コロニルデリケートクリームは、普段のお手入れをしながら汚れも落とせるクリーム」と考え、目立った汚れが定着するのを防ぐ目的で使うのがベターとデテログは位置付けています。
もし、すでに目立った汚れがついてしまっているなら、クリーニングに特化した商品を使うのがおすすめ。
それらの汚れ落としに検討したいのは次で紹介する商品たちです。
より汚れ落とし効果が高いクリーナーを紹介
掲載記事 ライニガーはシミになりにくいクリーナー?使い方からデメリットまで革職人がレビュー
掲載記事 エム・モゥブレィのステインリムーバーは革靴に必須のクリーナー|使い方解説
掲載記事 プロが教える革製品のカビ予防策!おすすめ防カビ剤も紹介
掲載記事 財布にボールペン汚れが…消しゴムで消す方法《革の悩み相談》
掲載記事 プロが教える革製品のカビ予防策!おすすめ防カビ剤も紹介コロニルのレザーソープを使ったヌメ革クリーニング方法|使い方

餅は餅屋。目に見える汚れを落とす目的で使うなら、専用の強いクリーナーを使いましょう。もっといえばクリーニングのプロに任せるのが一番いいです。
デリケートクリームを使うデメリット
コロニルのデリケートクリームには、これといったデメリットは見当たりません。
しいていえば、有機溶剤と界面活性剤が使われているため、革の種類によっては色落ちのリスクがあるくらい。これは他のクリーム類と同じです。
比較的安心して使える革用クリームと考えていいと思います。
私がコロニルのデリケートクリームを日常使いしない理由
ここまでデリケートクリームの効果についてお話してきましたが、デテログの私はこのクリームを普段使いしていません。その理由は次のとおり。
おすすめのクリームは1909シュプリームクリームデラックス
保革目的で使う革用クリームのおすすめはいろいろありますが、ここでは、万能で使いやすいシュプリームクリームデラックスを紹介します。

シュプリームクリームデラックスは、シダーウッドから抽出したオイルが主成分。有機溶剤を使っていないから革に優しく、防水スプレーにも使われるフッ化炭素樹脂効果で革を水から守ってくれます。
詳細なおすすめポイントと使い方については、1909シュプリームクリームデラックス(カラーレス)の万能感をレビュー&使い方をご覧ください。

今回は割愛しますが、コロンブスのコンディショニングクリームやエム・モゥブレィのデリケートクリームなどもいい商品。お持ちの方は安心して使ってください。
それぞれについてくわしくは、革小物用コンディショニングクリームの使い方とレビュー(コロンブス)と、エム・モゥブレィ デリケートクリームは買いか?|デメリットと使い方をご覧ください。
クリーニングと保革を兼ねた用途としては優秀
とはいえ、何度も言いますが、デリケートクリームは悪い商品ではありません。お手入れしながら汚れも落とせるので、汚れを溜めずに清潔に使いたいならいい選択肢です。

何を優先するかの好みで選んでOK。
コロニルのデリケートクリームの使い方

動画は別のクリームの使い方紹介ですが、デリケートクリームも同じ工程でOKです。
革製品のお手入れの基本はブラッシングから始まります。
目的は、ほこりや目に見えないゴミを払い落すこと。コスパも含めた最適なブラシは馬毛。柔らかくほどほどの弾力で、デリケートな革にも安心です。コストが上がってもいいなら山羊毛がなおいいですね。
クリームを塗る時は、シミにならないようにスピーディーに塗り伸ばすのがポイント。指でもいいですが、肌荒れしないようにブラシを使うのがおすすめ。
ペネトレィトブラシなら、細かい部分や縫い目にも塗りこめます。
ペネトレィトブラシについてくわしくは、[失敗しない]レザークリームの塗り方と道具|ペネトレィトブラシが最適をご覧ください。
塗ったら、余分なクリームを柔らかい綿の布で拭き取ります。ハンカチなどでもいいですが、ちょうどいい布がないなら専用のクロスを使いましょう。
乾いたらここで終えても問題ありませんが、私のおすすめはブラッシングで締めるやり方。これでツヤが出て、クリームの残留があっても取りのぞける。
仕上げ用ブラシはクリーニング用とは別に用意しましょう。おすすめは化繊のプロブラシか山羊毛ブラシです。

プロブラシは安定した品質で使いやすい。コシが強いからすぐにツヤがでます。
山羊毛はキメ細かいツヤが出る。こだわり派なら山羊毛ブラシを。
お手入れについてくわしくは、革靴なら革靴の基本のお手入れ方法|靴が長持ちしますを、財布やバッグならあめ色の美しいヌメ革エイジングを目指すお手入れ方法~をご覧ください。
コロニルデリケートクリームのまとめ
コロニルのデリケートクリーム(汚れ落としクリーム)のポイントをまとめます。
一言でまとめると、

私にとっては時々使うサブのクリーム。ですが目的の問題であって品質が低いからではありません。
単に保革で選ぶなら、同じコロニルの1909シュプリームクリームデラックスがおすすめです。くわしくは、1909シュプリームクリームデラックス(カラーレス)の万能感をレビュー&使い方をご覧ください。
この記事は以上です。お読みいただきありがとうございました。
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