エム・モゥブレィのステインリムーバーについてお話しする内容です。
ステインリムーバーって何に使うの?
靴のお手入れに必要って聞いたけど本当に買う必要ある?
使い方は?
などについてお答えします。
ざっくりいうと、ステインリムーバーは革靴の手入れにとても役立つクリーナー製品の一つです。
革靴を持っているすべての人に必要なアイテムと言っても言い過ぎではないでしょう(他社製同等品を持っていればそれでOK)。
これだけでは伝わらないと思うので、どういう場面で何に使う商品なのかをちょっとだけ掘り下げて、さらに使わないと何が起こるか、最後に実践的な使い方まで解説します。
特性と使い方を理解すれば、あなたの革靴をキレイに長持ちさせるのにきっと役立ちますよ。
ステインリムーバーは古いクリーム除去もできる革靴用クリーナー
ステインリムーバーは革に浸みこませて使う水性クリーナー
ステインリムーバーは、革に浸みこませて汚れを落とす水性クリーナーです。
表面的な汚れだけでなく、しみ込んだ汚れも落としてくれるのが特徴。
ステインリムーバーの成分
ステインリムーバーの成分:有機溶剤、界面活性剤、エチルパラペン、水、消泡剤
有機溶剤と界面活性剤が汚れを落とし、界面活性剤が落ちた汚れを包んで再定着を防ぎます。
さらに、エチルパラペンの効果でカビの予防にも役立ちます。
古いクリームを落とす効果があり革靴のお手入れに必須
古くなった革用クリームを落とす効果があります。
詳しくは次の章で解説しますが、古いワックスや靴用クリームの層の上にどれだけ塗ぬり重ねても意味がありません。
革靴にクリームを塗るときは、ステインリムーバーを使って革に載っている古いクリームを除去してから行いましょう。
ステインリムーバーは鏡面磨きには歯が立たない
ステインリムーバーは水性のクリーナーです。水性だから革に浸みこんだ汚れに効果があったり、革へのダメージが抑えられるメリットがありますが、汚れの中には水性では落としにくい種類の汚れもあります。
鏡面磨き(※)でできた古いワックスの層がそれです。
※鏡面みがきとは、ワックスと水を使い、鏡のように映りこむまでツルツルに磨き上げること。
鏡面磨きした革靴は分厚いワックスの層で覆われた状態です。これを溶かして落としてあげないとステインリムーバーは染み込まないし、その後に塗るクリームも革に届きません。
がっつり落とせるクリーナー(つまり有機溶剤そのもの)が必要です。
たとえば、エム・モゥブレィのワックスクリーナー。
成分は有機溶剤そのものなので引火性があり取り扱い注意です。
鏡面磨きした部分以外には使わないようにしましょう。また、使うと油分が取り払われるので、クリーニング後に必ずクリームを塗って油分を補給してください。
ステインリムーバーは水洗い、ワックスクリーナーはドライクリーニングのイメージ。
得意な汚れがちがいます。
ステインリムーバーを使わないと革靴の寿命が縮む?
ステインリムーバーを使わずに(つまり古いクリームやワックスを落とさずに)革靴にクリームをクリームを塗り重ね続けるのはよくありません。
これではお手入れがまったく意味をなしていない場合があります。
クリームやワックスが靴の透湿性をジャマする?
これはとても怖いパターン。
どう怖いかというと、状態が悪くなっていることに気づきにくく、知らないうちに進行しているから。こわっ。
ステインリムーバーを使わずお手入れを続ける
⇩
革表面のワックス層が落ちない
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革に油分が届かないの(ワックスの上に載ってるだけ)
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表面は輝いているから良い状態とかんちがい
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くり返し・・・
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気付いた時には手遅れ。革は油分が無くなりひび割れ、修復不可能。
革に油分が届かなくても、クリームやワックスを塗って磨けば光沢は出るから、一見いい状態に見えます。これがワナ。
ロウの膜の上にさらに新しい膜が形成されているだけで、本当に油分を必要としている革内部には全く届いていない状態です。古いロウがフタしてしまっている状態とも言えます。
気付いた時にはもう手遅れ。ロウの膜を落とすと、実は革がカピカピに乾いていてひび割れ寸前…なんてことにもなりかねません。
靴にクリームを塗る時は、必ず古いクリームを落としてからにしよう。ワックスでテカテカに磨いているなら特に注意。
ステインリムーバーで落ちない場合は、前の章で紹介したワックスクリーナーをお試しください。
ステインリムーバーの使い方[革靴向け]と必要な道具と注意点
使い方と必要な道具、使うときの注意点について解説します。
ステインリムーバーの手順解説
革製品のお手入れはブラッシングから。ホコリを落とします。
ステインリムーバーのボトルをよく振ります。
指に布を巻き(平らな面ができていればOK)、ステインリムーバーを垂らします。垂らす量ですが、この写真よりちょっと多いくらい。指二本分色が変わるくらい染み込ませてあげるといいでしょう。
ポンプ式のステインリムーバーならちょうどいい量取りやすく便利です。
片手がふさがっていても使えるから便利。
優しくなでるように、くるくると円を描くイメージで拭き取ります。
色つきの古いクリームが落ちて布についています。これを靴全体に行います。
これでクリーニングを終わりにする方もいますが、浮き上がった汚れを水拭きで軽くぬぐってあげるとなお良しです。
硬く絞ったやわらかい布で優しく拭き取ります。
乾いたらクリームを塗りましょう。この時はブートブラックのリッチモイスチャーを使いました。
関連記事 BBリッチモイスチャーは靴のメンテに最高|ヌメ革には?
このクリームはスポンジが塗りやすい。
一般的なクリームは、ペネトレィトブラシのような小ぶりなブラシを使うと塗りやすい場合が多いです。
画像出典 仕上りに感動。ブートブラックの靴クリーム(バーガンディ)の効果と使い方より
仕上げにもブラッシングしてあげるとツヤがよみがえって高級感が出ます。お疲れ様でした。
靴のお手入れ方法についてくわしくは、[職人流]革靴の基本のお手入れ方法|靴が長持ちしますをご覧ください。
ステインリムーバー以外に必要な道具
ブラシは化繊のプロブラシが万能です。
くわしくは革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。をご覧ください。
布はコロニルのポリッシングクロスを使ってみてください。使い切ったら手ざわりが似た古布を利用しても大丈夫です。
クリームを塗るのに便利なのは、ペネトレィトブラシのような専用の小さなブラシ。
関連記事 [失敗しない]レザークリームの塗り方と道具|ペネトレィトブラシが最適
「多少の雨なら履くかも」という方は防水スプレーも併用するといいでしょう。
おすすめの防水スプレーは、コロニルの革用防水スプレー4種類を比較|迷ったらウォーターストップで間違いなしをどうぞ。
使い方は、職人が解説|革用防水スプレーの使い方/乾かす時間をご覧ください。
ステインリムーバー使用時にやってはいけないこと
強くこするのはリスク
リムーバーを付けた状態でゴシゴシこすってしまうのが一番良くない使い方です。
革の銀面(表面)加工が傷ついてしまったり、色落ちの原因になります。
強くこすったあと拭き取ったら色が抜けてがっかりなんてことも…
ステインリムーバーは優しく拭き取るように使いましょう。
靴に直接かけて使うのも避けた方がいいです。部分的に多くついてしまい、シミの原因になりかねません。
財布やバッグには使えない
財布やバッグに使うのは避けた方が無難。理由は、財布やバッグに使われる革はデリケートな場合があるからです。
色落ちや変質のリスクがあります。その上、そもそも財布やバッグには、ステインリムーバーはは不要な場合が多いです。
くわしくは、エム・モゥブレィ ステインリムーバーは財布やバッグのクリーニングに使える?リスクは色落ちをご覧ください。
ステインリムーバーが使えない革
ステインリムーバーはすばらしい商品ですが、万能ではありません。
スエードやヌバックや毛皮には使えない
毛足がある起毛革には使えません。
起毛革というのは、スエードやヌバックなどのこと。起毛革とはちがいますが、毛皮にも使えないので注意しましょう。
スエード製品のお手入れは、スエードシューズのメンテナンス方法とおすすめ道具【動画アリ】をご覧ください。
ヌメ革、タンニンなめし革には不向き
ヌメ革やタンニンなめし革にもステインリムーバーはおすすめできません。
ヌメ革というのはベージュ色のナチュラルなタンニンなめし革、タンニンなめし革はタンニンというポリフェノールでなめし加工した革のことで、色変化しやすいのが特徴です。
くわしくは、エム・モゥブレィ ステインリムーバーは財布やバッグのクリーニングに使える?リスクは色落ちをご覧ください。
ステインリムーバーが買えるお店は?
ホームセンターや大型の雑貨店、百貨店の靴売り場などで購入できます。
ど定番のクリーナーなので扱っているお店は多いはず。
もちろんAmazonや楽天でも買えます。
店によって大きく値段が変わる商品ではないので、送料無料でポイントも付くAmazonや楽天などが便利でおすすめです。
おすすめのサイズ
ステインリムーバーには、60ml、300ml、500mlの3つのサイズがあります。
画像出典 楽天市場デテログの個人的なおすすめは300mlです。
ステインリムーバーは革靴を持っている間はずっと使う商品なのである程度量があると安心。
一番小さな60mlはお試し用としては優秀ですがちょっと割高です。300mlからお得感が出ます。
使いやすくて便利なポンプ式は500mlのタイプのみでサイズが選べませんが、たくさん革靴をお持ちの方やマメにお手入れする方なら重宝するはずです。
まとめ
ステインリムーバーは革靴の手入れにとても役立つクリーナー製品の一つです。
これらの特徴から、革に与えるダメージを最小限におさえつつ汚れを落としてくれるクリーナーと言えます。
とはいえステインリムーバーは万能ではなく、次のような場面では使えません。
使うときの注意点として、強くこすらないように気をつけてください。
色落ちや革表面の加工に影響を及ぼす恐れがあります。
購入にはAmazonや楽天などがオトクで便利です。
この記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。
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