革製品の扱い方、作り手が推奨する使い方、基本の手入れなどを語ります。
革に詳しくない方に向けた内容になっているので、気軽に読んでいただけたらうれしいです。
この記事を読むと、こういう☟疑問☟が解消できるかも。

革の財布ってどうすれば汚れない?

革製品を長持ちさせる方法ある?

革のスマホケースも手入れが必要?
このような革に関する疑問を解消することを目指した記事です。
「革製品はじめて使う。」とか、
「革って何がいいの?」と思っている方にお役立ていただけると思います。
革製品を長持ちさせる扱い方


プレゼントで革の財布をもらいました。
革製品って初めてでどうしたらいいかわからない。どう使ったらいいですか?

ポイントをまとめます!
- 傷つきやすく、変形しやすい性質を知る
- 濡らさない
- 手入れは必要。過保護は✖
ケツポケ派さん注意。革は傷つきやすくて変形しやすい
革は、布に比べるとキズや変形のクセが残りやすいです。
特に、ヌメ革はポケットに入れて使うとすぐに変形、変色してしまいます。
カバンの中の突起物などにも注意!
『それが革のアジ』という考え方もできますが、それはコアな玄人の楽しみ方です。
できるだけ丁寧にやさしく扱ってあげた方が、長く使えて清潔感ある経年変化を楽しめると思います。

お財布を尻ポケット(いわゆるケツポケ)に入れるなら、座る時は必ずポケットから出しましょう。これだけでダメージが減って持ちがまるで違います。
自慢なんですが、この財布とてもいい味出てます。2014年の大晦日に作ったのでもうすぐ9年目。
— デテログ (dete®の人) (@mkgx81) October 8, 2022
長くいい状態を保つコツは、
ケツポケするなら座るときはポケットから出す!です。 pic.twitter.com/Ys92J0qtDN
濡らさない
革製品は水に弱い。
理由はいくつかあります。
- 革によっては濡れると質感が変わるから
- 雑菌やカビの原因になるから
- 接着剤、コバの仕上げを弱くするから
- 革の油分を落とすから
- 汚れを浸透させてしまうから
など多数。実は濡れただけなら多くの場合ダメージにはならないのですが、別の要因と合わさってリスクが大きくなります。
余談ですが、顔料仕上げの革、コーティングされた革は一見水に強そうに見えますが、むしろ逆で、特に水濡れに注意が必要な革でもあります。


どういうこと?

水がしみにくい反面、一度しみてしまうと抜けにくい。
その間に雑菌が繁殖したり型崩れを起こしたりしやすいです。
顔料や塗装は完全防水ではありません。
ちなみに、状況によって(汚れがひどい場合)は、濡らすリスクを踏まえた上で水洗いすることもあります。
濡らした後(濡れてしまった後)はきちんとしたケアが必要。
関連記事

汗だくのベルトをそのままにすると、悪臭やカビや変色などを引き起こします。
そうならない為の普段のお手入れ方法をご紹介します。
表まで汗がしみてしまった時の水洗い方法も書きました。

ケアは必要。過保護は✖

乾拭きだけでいいっていうのはあり得ない。抜けた栄養は補填しないとダメ。
私自身、乾拭きやブラッシングだけで大丈夫と考えていた時期もありました。
でも、物理的に油分は抜けていくわけですから、抜けた分は足してあげないと当然ダメですよね。
なので、元の状態を保つための最低限のケアは必要。

スマホケースも革のジャケットもベルトも、どんな製品でも革製ならケアが必要。
お手入れが必要な理由については、革製品はどうして手入れ(革用クリームとブラッシング)が必要?その理由でくわしくお話ししています。
オイルやワックスの塗りすぎは逆に良くないです。
ベタベタになって汚れが付きやすくなったり、柔らかくなりすぎて型崩れの原因になったりするので気をつけましょう。
次の章でレザーケアについて少し詳しく解説します。
革製品の保管方法
しばらく使わない革製品は、正しい方法で保管しないとカビが生えたり、型崩れしたりします。
そうならないために気をつけるポイントはこちら。
・湿気が大敵(カビや雑菌)
引用元 《大切な革製品》上手な保管方法は?|バッグ、財布他
・やっかいな型くずれ
・直射日光はできるだけ避ける
・収納袋を使うなら通気性がいいものを
・お手入れをしてから保管する
詳しくはこちらで解説しているので読んでみてください。

基本のレザーケア

レザーケアについて掘り下げます。
ケアするメリット
- ひび割れが起きにくくなり長持ちする
- 汚れを防いできれいに使える
- しっとりして高級感が出る
- 退色を防いでいい状態をキープする
デメリットは、コストと少しの手間くらい。
デメリットとはいえ、慣れれば時間はかからないし、コスト面も革製品が長持ちすると思えばむしろ得かと思います。
基本のケア(スエード・ヌバック・爬虫類革以外)
- ブラッシング
- (防水スプレー)
- クリーム
- ブラッシング
最低限必要な道具
革のひび割れ防止と汚れ予防ができる、レザーケアの3種の神器。
財布も靴もバッグもいけます。
あとは、余分なクリームを拭き取る用に、古いハンカチやシャツ生地のハギレでもあれば100点です。
基本のケア(スエード&ヌバック)
- ブラッシング
- スエード用スプレー
- 仕上げブラッシング
最低限必要な道具
ゴム製のクレープブラシは汚れ落としと毛並みを整える用途を兼ねます。
スエード用スプレーは栄養を与えながら防水加工ができます。
詳しいやり方はこちら☟

こちらのリンク先では、豚毛ブラシ+ゴムクリーナーを使っています。クレープブラシならそれらを一つで済ませられます。
スエードカラーフレッシュについてはこちら☟

革製品の除菌、消毒方法
革製品の除菌や消毒には、色落ちや変質のリスクがあります。
カビの除菌には、モールドクリーナーが有効です。
一部のウイルスを除菌するのには石鹸が有効です。革製品用の石鹸が販売されています。
くわしくはこちらを☟
製品ごとのケア方法


汗だくのベルトをそのままにすると、悪臭やカビや変色などを引き起こします。
そうならない為の普段のお手入れ方法をご紹介します。
表まで汗がしみてしまった時の水洗い方法も書きました。


その他、シチュエーションごとのメンテナンスとトラブル対策についてまとめました☟
革の経年変化の楽しみ

革が一番美しくなる瞬間は、使いこまれた先にあると言っても言いすぎではないと思います。
そんな経年変化する革の代表がヌメ革(タンニンなめし革)です。
ヌメ革(タンニンなめし革)の経年変化
ビフォーアフターの写真を見比べてください。
ヌメ革は使うことでツヤが増す



キズや色の濃淡がつくるクラシックな雰囲気



鮮やかな色が落ちつきをみせる過程を楽しむ



使い方や、革の個体によってまったく違う表情を見せてくれるのが革の醍醐味です。
使いやすい形に変化するふところの広さ


平面構造だった財布が、カードや札のカタチに合わせて膨らんでいます。
ユーザーに合わせて使いやすい形に変化してくれるのが革のふところの広さ。
経年変化を楽しむためのメンテナンス
ブラッシングで汚れを防ぎながらガンガン使うのがコツ。
詳しくはこちらをご覧ください☟

なお、防水スプレーでエイジングがストップすることがあるので注意が必要です。
実際に検証して確認しました。
四区分のうち左二つは防水スプレー無し、右上が格安防水スプレー、右下がコロニルの防水スプレーをかけ、1年放置した革です。
キレイに使うことを優先するのか、エイジングが早く進むことを優先するのか好みで選びましょう。

クリーニングすると経年変化は台無し?
エイジングしてツヤツヤになった革にクリームを塗った時や、クリーナーを使った時、一時的にツヤが無くなり、曇ったようになることがあります。
エイジング好きな方ならちょっとがっかりしてしまうかもしれませんが、全く問題はないです。
ブラッシングしてあげることである程度戻ります。完全に戻らなかったとしても、使っていくうちにすぐツヤが出てくるのを実感できるはず。
エイジングは3歩進んで2歩下がるイメージ。積極的に手入れしながらじっくり育てましょう。
まとめ
革に今はまだ詳しくない方、これから楽しみたい方に向けて、革の扱い方と楽しみ方について書きました。
革を長く使うコツをまとめると、
- 傷つきやすく、変形しやすい性質を知る
- 濡らさない
- 手入れは必要。過保護は✖
手入れの基本はブラッシング。そして保湿と防水です。
この3つだけ持っていればほとんどの革製品に対応できるので安心です。
革製品の醍醐味は、美しく変化する色や風合いと、使いやすく馴染んでいく経年変化。
お手入れをしながら大切に使って、革の味を存分に楽しんでください!
コメント