ビルケンをはじめとしたスエード靴のメンテナンスには、普通の革とは違うお手入れが必要。
理由は、スエードには革用クリームが使えないから。
じゃあ、何を使ってどうすればいいのか?
解説します。
レザーのビルケンサンダルのお手入れ方法は☟こちらをご覧ください。

ビルケンのチューリッヒ(スエード)のお手入れ方法

お手入れした靴はこちら
- ブラッシング(ほこり落とし)
- クリーナー
- スエード用スプレー
- 仕上げブラッシング
ブラッシング

豚毛ブラシを四方八方に行ったり来たりを繰り返してブラッシングします。
ブラッシングの効果

ブラッシング前

ブラッシング後
小さな黒い点が無くなりました。
きれいに保つ為には、日常のブラッシングは必須。
スエードだけでなく全ての革製品におススメのケアです。
ブラシの選び方については、革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。をご覧ください。
スエード専用のブラシの中にゴム製のブラシもありますが、そちらは仕上げブラッシングの項目で紹介しています。
クリーナー

スエードの汚れ落としには、ゴム製のクリーナーがおすすめ。


完全には落ちませんでしたが汚れが薄くなりました。
恐らくこの汚れは自転車の油汚れ。
ゴムのクリーナーは染み込んだ油汚れには効果は無いですが、表面に付いた汚れには効果があります。
スエード用スプレー
ざっくりいうと、保湿成分を含んだ防水スプレーです。
主な成分はフッ素樹脂とラノリン。
カギになるのはラノリンです。
保湿と革をやわらかくする効果があります。
ラノリンは羊の毛から抽出した成分なので、スエードの撥水効果を高める効果もあるのかもしれません。
フッ素樹脂は防水の為の成分。
革に浸透して効果を発揮するので、革の色が変わるまでしっかりスプレーしましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちら☟
関連記事 スエードカラーフレッシュはどんな商品?〔使い方と効果〕
仕上げブラッシングで完成
仕上げは一定方向にブラッシングして毛並みを整えてあげるときれいに仕上がります。
向きに注目。革には『目』がある
目というのは、洋裁の布の繊維の向きでよく使われる言葉ですが、革にも同じ。
縦に使うのか、横に使うのかで、伸びる方向や手触りが変わります。
スエードの場合、ブラシでなで付ける方向によってツヤの出方が変わります。
使うブラシ
スエード専用のゴムのブラシを使うのがおすすめ。
無かったら豚毛のブラシでも大丈夫です。

左がメンテナンスをした状態、右がメンテナンスしていない状態。
汚れが落ちて、毛羽が整いました。
スエードに革用クリームが使えない理由
スエードにクリームを使ってはいけません。
理由は、スエードの毛をまとめてしまうので、毛がベタっと潰れてしまい汚くなってしまうから。
オーガニックなケアグッズ
化学薬品の使用をおさえたオーガニックなケアグッズもあります。
オリーブオイルで保湿と防水効果を発揮するスプレーです。
使い方その他はこちらで詳しく書いています。

ビルケン(トープ色スエードのボストン)手入れの失敗例
失敗例を載せるので反面教師にしていただければ幸いです。
クリームだけでなく液状のオイルにも注意
オイルは液体だからスエードに使っても大丈夫かと思ってしまいそうですが、これもNoです✋
ちゃんと試して無事失敗しましたw
写真左だけにオイルを付けたブラシでブラッシングをしました。
少し色が濃くなっているのがわかりますでしょうか。
拡大するとこうです。
小さな粒々に色が濃くなっています。

やっちまった・・・
一度軽くブラッシングしただけでこうなってしまいました。
いずれ目立たなくなっては来ると思いますが、1週間たった現在でもまだ完全には消えていません。
黒やネイビーなど濃い色のスエードならいい?
オイルもスエードの毛羽をまとめてしまうので、繰り返し使うとクリームのように毛羽をつぶしてしまう可能性があります。
スエード専用のスプレーにも油分はふくまれていますが、恐らくこちらは程よい油分に調整されているはず(たぶん)。
なので、使い過ぎなければ問題は無いと思います。
ちなみに、こげ茶のスエードでも試しました。
焦げ茶のスエードにオイルを入れるとどうなる?

懲りずにもう一足のビルケンにもオイルを入れています。
こちらはチューリッヒ ソフトフットベッド モカ。
色が濃くなり、毛羽は整いました。
これだけ見ると、オイルを入れてキレイになったように見えますね。
でも、これを繰り返すとやはり毛羽がまとまって潰れてくるのではないかと思います。
スエードはしっかり毛羽が立っているのが魅力です。
ビルケン(スエード)の手入れまとめ
スエードの手入れは、ブラッシングとクリーナー、そしてスエード用のスプレーで防水と保湿を。
銀(表)付きの革と違い、スエードのメンテナンスはできることが限られます。
仕上げのブラッシングで毛羽の向きを整えることできれいに仕上がります。
革にも”目”があるので、どの向きになでつけるのが一番キレイに見えるのかを見定めるのもポイントです。
お手入れに使った道具はこちら↓
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コメント
ビルケンのチューリッヒを履いています。
普段のお手入れはブラッシングと防水スプレーぐらいです。
オフシーズンの保管方法がよくわからないので、教えてもらえないでしょうか?
どこに保管したらいいか、何かに包んだ方がいいのか、等、色々お願いします。
長期保管するときは、もし可能なら次のようなところに保管するのが理想です。
風通しが悪いとカビのリスクが高まるので、買ったときについてきた箱に入れておくのはよくありません。
しまうまえに汚れを落とし、特に包んだりせずに保管するのをおすすめします。
ありがとうございます!
自分の中では高い買い物なんで、大切に履きたいです。
ありがとうございます!
自分の中では高い買い物なんで、大切にして履きたいです。