
シザーケースってお手入れした方がいいの?

した方がいいなら、どんなケアが必要なの?
この記事はそんな疑問を解消します!
早速結論ですが、シザーケースは財布やバッグ以上にきちんとお手入れする必要があります!
なぜなら、カラー剤やパーマ液、シャンプー剤、スタイリング剤、汗など、革の天敵にかこまれながら毎日酷使されるから。

お手入れってむずかしそう。
ポイントさえつかめば大丈夫。
あとは”慣れ”です!
シザーケースのお手入れ手順(所用3分)
実践編です。必要な道具はあとで紹介します。
《手順1》ブラッシングでほこりを落とします
ここでしっかりとほこりや細かい汚れを落としておかないと、この後の防水スプレーの時に汚れを革にしみ込ませてしまう原因になります。必ず行いましょう。小傷を目立たなくさせる効果もあります。
《手順2》防水スプレーをかけます
防水スプレーは、ブラッシングの直後に行います。クリームなどを塗ってからでは効果がありません。間違っている方が多いので注意です!
まんべんなく、全体がスプレーを吸い込んで色が変わるまで行ってください。
その後、完全に乾くまで陰干しします。冬で10~15分、夏で5~10分くらいでしょうか。
乾いたら、手順1と同じようにブラッシングして終了!!簡単すぎません?
《補足手順1》クリームを塗ります
毎回は必要ありません。買ってから、1年後とかに、表面が乾いてきたかなと思ったら、塗ってあげてください。それからは数か月に一度の頻度で。強くこすると跡が残るので、優しくなでるように塗ります。
その後、完全に乾くまで陰干し。冬で15~20分、夏で10~15分くらい。完全に乾いたら、ブラッシングして完成です。
上・・・お手入れ前
下・・・お手入れ後
クリームとブラッシング効果で良い感じの艶が出ていますね。いやらしくないほどほどな感じで。
スタイリング剤がべったりついたシザーケースのお手入れ方法
ロールシザーケースやクラッチバッグタイプなど、手に持つシザーケースがスタイリング剤でべったり汚れてしまうことがありますね。 時々クリーニングでリフレッシュしましょう。
おすすめなはライニガーというクリーナー。
油汚れを落とすのに役立つクリーナーですが、革に与えるダメージは最小限です。使い方や詳細はライニガーはシミになりにくいクリーナー?使い方からデメリットまで革職人がレビューをご覧ください。
シザーケースにおすすめな手入れ用品
当店のシザーケースに使えるお手入れ用の商品を紹介します。
私が実際に試し、リピートして愛用している商品のみ載せているのでご安心ください。
ブラシ
いろいろなブラシがありますが、品質の安定性、毛の弾力、管理のしやすさ(化繊だから)など、バランスの良い一品です。靴や財布用にもおすすめ。
コスパ最強防水スプレー
安価ながらも十分な性能を誇る防水スプレー。
おすすめシザーケース用クリーム
ラノリンを主成分とするゲル状のケア剤。
ラノリンというのは、ウールに覆われた動物の皮脂腺から抽出される蝋。優れた保湿成分を有し、化粧品にも使われています。油分こってりではなく水分量多め、革への影響力もほどほどなので、あらゆる革製品に対応します。
薄く延ばせば染みにもなりにくく、革の柔軟性を取り戻すことができます。
もっと大切にお手入れするなら・・・
先に紹介したお手入れ用品で十分ですが、少し資金に余裕があるなら、以下の防水スプレーとクリームもおすすめ。
より質が高く、革への栄養補給に効果的です。
上質防水スプレー
フッ素タイプの防水スプレーです。革に浸透して初めて効果を発揮する為、革用のクリームやオイルなどによるケアを行う前に塗布してください。
ヌメ革、ナチュラルなタンニンなめし革(TOIANOの明るめの革など)では、多少のスプレー染みができます。それでも、サロンワークでできるシミや傷みに比べれば、スプレーを使用する方がマシです!!
※こちらの防水スプレーも、使用する際は、必ず屋外で使い、できればマスクをしてください。
上質革用クリーム
シダーウッド、ラノリンなどの天然オイルをブレンドしたクリーム状のケア剤。
水分量の多いモウブレィのクリームと比べ、こちらの方が油分が多いです。
シダーウッドの香りが非常に良く、お手入れする楽しみも感じることができます。
フッ素が配合されており、多少の撥水効果もあります。有機溶剤が入っていない為、特にデリケートな加工がなされた革にも安心。その反面、汚れ落としの効果は期待できません。
ブロワーがあると毛くず掃除が便利
言うまでもないことですが、毛くずの掃除は最低限のエチケットです。とはいえ、毎日、シザーケースを分解して毛くずを払うのはちょっと面倒。
そんな方におすすめな時短アイテムがこちら。
ELECOMのダストブロワーです。
エアダスターは、シザーケースの毛くず払いに最適!その中でも、手に入りやすさとコスパを総合するとこれが一番です。
ワゴンやお客様の眼鏡入れなどの掃除にもいいですよ。
使っちゃだめ!シザーケースに向かないケア用品は?
市販されているケア剤でも、シザーケースに向かないケア剤もあります。
シザーケースに不向きその1 ミンクオイル
ミンクオイルは昔からヌメ革によく使われていて人気ですが、シザーケースには不向きです。
ミンクオイルだけでなく、牛のスネの油のニーフットオイルや、馬の油など、動物性のオイルは使ってはいけません。
理由は、革を柔らかくし過ぎてしまい、型崩れの原因になるからです。
シザーケースに不向きその2 シリコン系防水スプレー
シリコンを使用した防水スプレーは、全ての革製品におすすめできません。
理由は、シリコンが革を覆って通気性を損なわせてしまい、傷みを早めてしまうからです。
くわしくは、別記事の[実験]シリコン入り防水スプレー&クリームを革用におすすめしない理由/使うメリットをご覧ください。
シザーケースのお手入れ頻度
手順は先ほど紹介しましたが、では、どのくらいの頻度で手入れすればいいのでしょうか?
普段はブラッシングと防水スプレーでOK
・2週間に一回・・・ブラッシング+防水スプレーの使用
・購入後1~2年後から、数か月に一度・・・ブラッシング+防水スプレー+表面が乾いてきたなと感じたら革用クリーム
簡単じゃないですか?
これをやるだけで、シザーケースの寿命は間違いなく伸びます!
次の項目からは、シザーケースのタイプごとにわけて詳しく説明していきます。
タンニンなめし革シザーケースのお手入れ頻度
タンニン鞣し革というのは、いわゆるヌメ革やイタリアンレザーのことで、deteシザーケースの定番素材。
こちらで詳しく説明しています。
日焼けしてあめ色になったり色が濃くなったりする革で、上手に使ってあげればとても美しいエイジングを見せてくれる素材です。
一般的に、シザーケースと言ったらこの革がほとんど。
水シミや摩擦で色変化が起こりやすいので注意。
頻度
・10日~2週間に一回・・・ブラッシング+防水スプレーの使用
・購入後1~2年後から、数か月に一度・・・ブラッシング+防水スプレー+表面が乾いてきたなと感じたら革用クリーム
これだけです。
ちゃんとやれば、シザーケースでも美しいエイジングを実現することは十分可能。
美容師さんに理解を深めてもらうために、この手順を人の肌に置き換えて説明すると・・・
防水スプレー → 日焼け止め
革用クリーム → 重点的なトリートメント、スパ、エステ
といった感じ。
ブラッシングは、基本中の基本です。汚れを落とし、革のキメを整えます。内部の毛くずもしっかりと取り除いてください。カビや匂いの原因になります。
ブラシの選び方については、こちら革職人が選んだベストな革用ブラシ
で詳しくご紹介しています。是非ご覧ください。
クロム鞣し革のシザーケースのお手入れ
当店の素材でいうと、Alran goat、WHカーフなどで作られたシザーケースが該当します。日焼けで革が茶色っぽくならない革が一般的にはこれ。
クロム鞣し革は、タンニン鞣し革に比べると、若干ですが水にも強く、お手入れは簡単です。
頻度
・2~3週間に一回・・・ブラッシング+防水スプレーの使用
・購入半年後から、数か月に一度・・・ブラッシング+防水スプレー+定期的な革用クリーム
クロム鞣し革は、エイジングを楽しむというよりも、新品時の革の美しさを如何に維持するかを考えたケアがおすすめです。
Alran goatもWHカーフもともに顔料で革表面が塗装されている為、一時的な撥水効果もあります。その為、タンニンなめし革ほど水濡れに気を遣う必要がなく、革の扱いに慣れていない方にもおすすめできます。
クロム鞣し革にパーマ液、カラー剤が付いたら・・・
水がしみこみにくい革なので、すぐに拭き取れば跡が残らない可能性があります。
拭き取った後、固く絞った布で水拭きしてください。
deteオリジナル防水シュリンクのお手入れ方法
防水シュリンクの商品 防水レザー!?これはやばい!軽量シザーケースS14-4
特段これといったケア剤によるお手入れの必要が無く、シザーケースには最適な素材です。宣伝じみていて恐縮ですが、事実です。優れた防水性能と撥油性能を持ち、汚れが革内部にしみこみません。
・時々・・・水拭き。硬く絞った布で拭いてあげてください。汚れを防いで革を長持ちさせます。
シザーケース用ケア剤のまとめ
防水スプレーとクリームは、きちんと品質を見て選んでください。このブログで紹介している商品であれば大丈夫です。
ご案内
こちらからdeteのシザーケース無料カタログを請求できます。
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