銀面(表面)が割れやすい革は悪い革?割れを防ぐお手入れ方法も紹介
2022.01.07
この記事では、革の※銀面の割れにくさと良い革の関係性、そして割れを防ぐお手入れ方法について深掘りします。
※銀面…革の表のツルツルした面のこと
以前こんな質問をいただきました。
銀割れはできにくいほどいい革の証ですか?
引用元 peing
それに対する私の回答です。
銀面が割れにくいのはいい革です。
では、割れやすい革が全部粗悪かと言われると難しいところです。
例えば、コードバンやブライドルレザー比較的割れやすい印革ですが、コードバンは特に高級品です。
素材はケースバイケースで状況によって選ぶものなので、良いか悪いかと一言で言うのは難しいですね。
引用元 Twitter
革製品にひび割れが起きてしまったらショックですよね。
革が割れる原因は、油分が抜けておこる革の硬化です。
特に、サイフの曲がる部分や手帳の背の部分などに起こります。
そうならないためには日ごろのお手入れが大切ということが前提ですが、そもそも革の種類によっても、割れやすかったりそうでなかったりします。
- われやすい革は悪い革なのか?
- ひび割れを防ぐお手入れはどんな方法なのか?
詳しく掘り下げていきます。
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・出版書籍『革職人になる方法』Amazon手芸本1位獲得
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銀面が割れやすい革は悪い革?
革には、銀面が割れやすい革とそうでない革があります。
割れやすい革の特徴
割れやすい革の特徴
- 乾いた質感の革
- 硬い革
- 繊維が粗い革
- 抜けやすい油が使われている革
割れやすい革とそうでない革 具体例
(割れやすい革>割れにくい革)
- ヌメ革>オイルヌメ革
- スムース革>シボ革
- 成牛革(ステア、カウ、ブル)>子牛革(カーフ)
つまり、スムース(平らな革)のヌメ革やサドルレザーなどは割れやすく、シボ(革独特の細かなシワ)の入ったカーフなどは割れにくいということになります。
銀面が割れにくい革はあつかいやすい良い革です。
割れやすい革は、デザインや製作の幅がせまく、マメなお手入れが必要な一面がありますが、じゃあイコール悪い革か?と聞かれると、そうとも言えないのです。
割れやすい?高級レザー
割れやすい=悪い革とは言いにくくなってしまう例を挙げます。
当店で定番の栃木レザーは、スムースの成牛革なので、上の条件に当てはめると割れやすい革に分類されます。
ですがこの革、硬いながらもよく馴染み、いいエイジングを見せてくれる素敵な素材です。
もう一つ例をあげましょう。以下のツイートをみてください。
以前載せたことがありますが、コードバンは使わずに置いておくと革が持つ油分が抜けて引っかかりがあると裂けるようになってしまいます。
製品になっている物もたまにクリームやオイルで手入れをしてあげて下さいね。
革のままの状態なら空気を入れ替えてあげて表面をさっと払うだけでも長持ちします! pic.twitter.com/63MOLf0rLY
— 革のAnd Leather (@and_leather) August 18, 2019
革のダイヤモンドともいわれる高級レザーのコードバンですが、油が抜けるとこんなに簡単に裂けてしまいます。
デテログ
この状態で革製品を作ったらすぐ割れてしまうでしょうね。
同じく高級素材のブライドルレザーも比較的割れやすいです。
ロウや油分が抜けてきたら補ってあげないといけません。
割れやすい革は悪い革?のまとめ
割れやすい革には、スムースな革だったり乾いた質感だったり硬かったりといった特徴があります。また、オイルヌメ革よりヌメ革の方が割れやすく、シボ革よりもスムース革の方が割れやすいです。
良い革だけれど割れる場合がある革の具体例として、栃木レザー、ブライドルレザー、コードバンの3つを挙げてみました。それらのどれもが世界の革好きから高い評価を得ている素材です。
あなたはどう思いましたか?割れる革は悪い革ですか?
こればかりは一言で良い切れる問題ではありませんね。はっきりと言えることは、たとえ高級品でもケアを怠ればダメになってしまうことがあるということ。
割れやすさというのは、革の良し悪しを判断する一つの材料にはなります。
しかし、これだけの情報で革の価値を否定してしまうのは、あまりにもったいない!
つまらない!
革の世界はもっと深いですよ。
ようこそこちら(革の世界)へ。
次の章では、革を割れにくくするお手入れ方法についてお話していきます。
革のひび割れを防いで長く使う為のお手入れ方法
ひび割れを防ぐ為のお手入れ方法
大切なのはこの二つです。
- 保湿&革表面の保護
- 日々のブラッシング
乾燥は革の大敵。保湿と保護をして割れを防ぎましょう。
デテログ
革のお手入れも人の肌と同じく、清潔でほどよくしっとりに保ってあげるのがベター。
人の肌のお手入れと違う点は、革の場合は、お肌ほどはデリケートに基礎化粧品を使い分ける必要がないこと。
デテログ
保湿と保護を兼ねた革用クリームが売られているのでそれだけを使えばOK。
例えばこれ。
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か、これ。
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コンディショニングクリーム
がデテログのおすすめ。それぞれ万能で失敗もしにくく使いやすいです。
お勧めする理由は、それぞれ、
1909シュプリームクリームデラックスの万能感をレビュー&使い方
と
革小物用コンディショニングクリームの使い方とレビュー(コロンブス)
をご覧ください。
ブライドルレザーにはこれです。
[コロンブス] ブライドルレザークリーム
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革のひび割れを防ぐ為のお手入れの頻度は?
基本的に、革表面が乾いてきたなと感じたらやってあげるくらいで十分です。
deteで取り扱っている革の場合 ~クリームを塗り始める目安~
- マット/E.gemini・・・半年から1年後くらい~
- TOIANO/マイネ他その他のイタリアンレザー・・・数か月くらい~
- 栃木レザー・・・使い始めから~
- ブライドルレザー・・・半年くらい~(もしくはブルームが無くなったら)
※使用状況、環境にもよります。
革製品を買ってすぐにお手入れする方がいますが、財布やバッグでは基本的に必要ありません。
ただし、ヌメ革製品の場合は買ってすぐにやってあげた方がいいです。
ヌメ革というのはベージュのカサっとした質感の革のことで、くわしくはヌメ革とはどんな革?|ヌメ革の性質、お手入れ&扱い方をご覧ください。
靴の場合は革の状態によってはプレメンテが必要です。くわしくは、手染め靴Berwickタッセルローファー|買って最初の手入れ方法をご覧ください。
なお、シザーケースの場合は、他社製品も含め、もっと早い段階でのケアが必要です。
くわしくは、シザーケース屋が教える革製シザーケースのお手入れ方法をご覧ください。
革のひび割れ防止にブラッシングも大切です
保湿効果がないブラッシングがどうしてひび割れ防止に有効なのでしょうか?答えは「ホコリ」にあります。
革のデコボコに入り込んだホコリやチリは革の油分を吸ってしまいます。その結果、クリームを塗っていても油分が早くなくなってしまい、ひび割れが起きやすくなるのです。
また、ホコリが載ったままだとそのせいでカビが生えやすくなるリスクも高まります。清潔に使うためにも日々のブラッシングをしっかり行いましょう。
ブラシはしっかり弾力のプロブラシか、デリケートな革にも使えて万能な馬毛ブラシをおすすめしています。
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【100年以上の歴史を誇るドイツ発のレザーケアブランド】創業から世界中で愛用され続けるレザーケアのトップブランドCollonilが手掛ける馬毛ブラシ。長くものを大切にしたい方に、この業界100年のベテランであるCollonilが信頼できるレザーケアをお届けします。
デテログ
もっとくわしいブラシの選び方の根拠については、革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。をご覧ください。
まとめ
革は、種類によってひび割れしやすいものとそうでないものがあります。
ひびわれしやすい革はデザインに制限があったり、マメなお手入れが必要だったりするデメリットがありますが、だからといってイコール悪い革とは言い切れません。
それぞれの革のメリットとデメリットを学べば、あなたのレザーライフはもっと楽しく有意義な物になるでしょう。
また、どんな革であってひび割れするリスクはあるのでそうならないように日ごろからお手入れする習慣をつけて欲しいと思います。
お手入れに必要な道具は、
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馬毛ブラシを持っていれば安心です。
この記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。
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