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革製品のお手入れ手順の正解は?クリームが先か、防水スプレーが先か

革製品のお手入れ手順の正解は?クリームが先か、防水スプレーが先か 革製品のお手入れ方法

当記事はプロモーションをふくみます。

質問をいただきました。

※2021年現在、deteのお客様以外の方からのメールでのお手入れ相談にはお答えしておりません。コメントでご質問ください。

要は、

クリームの前に防水スプレーをかけたらクリームが浸透しなくなりませんか?

という疑問です。

この質問に回答しつつ、じゃあどちらの順番が正解なのか?について一緒に考えていきましょう。

この記事のテーマ
  • クリームを先に塗るか?防水スプレーを先に使うか?
  • 何を目的に革の手入れをすべきか?のみちしるべ
この記事を書いた人

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革職人の経験を活かし、趣味のレザークラフターや革製品のトラブルに悩む方に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

・レザーブランド"dete"の代表
・出版書籍『革職人になる方法』Amazon手芸本1位獲得

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革のお手入れ手順の正解は?クリームと防水スプレーどちらが先?

先に結論を言ってしまうと、どちらも一長一短といった感じで、どちらを先に使うかは考え方次第。つまり、

ミコガイ
ミコガイ

どっちも正解。

掘り下げます。

まず、先ほどの質問メール全文(一部要約)です。

デテログでは、手入れの手順として、
1.ブラッシング
2.防水スプレー
3.クリーム
4.乾拭き
とあります。


購入予定のお店は、
1.ブラッシング→乾拭き
2.クリーム
3.ブラッシング→乾拭き
4.防水スプレー
と手入れの手順を示していまして、クリームと防水スプレーの順序が逆になっています。


防水スプレーをしてからクリームをすると油分など弾いてしまいクリームが浸透しないような気がしますがどうでしょうか?

私の回答⇩

ミコガイ
ミコガイ

防水スプレーとクリームを使う順番については、一言で語るのはむずかしくもあり、また興味深いテーマでもあります。

レザーケアブランドの考え方も統一されておらず、防水スプレーを先に使うことを推奨しているブランドと、後に使うことを推奨しているブランドとがあります。
なので、いろいろな考え方があるのは当然だと思います。

どちらの順番にもメリットとデメリットがあり、それらを考慮したうえで、デテログは防水スプレーを先に使う方法を紹介しています。

情報が限られる中ではっきり言えることは、メーカーや扱うお店が提示している方法を選ぶのが一番だということです。
その理由は2つです。

  1. 素材によって最適なお手入れ方法が違うから
  2. お手入れをふくめ、どのように革を育てていくか?までブランドの考え方が反映されている可能性があるから

近々このテーマを掘り下げた記事を書いてみようと思います。

まとめると以下の通り。

回答のまとめ
  • ケア製品ブランドごとに考え方がちがう
  • どちらにもメリットデメリットがある
  • メーカーの考え方にならうのがベター

防水スプレーの使い方については、職人が解説|革用防水スプレーの使い方/乾かす時間をご覧ください。

レザーケアブランド各社推奨のお手入れ手順

コロニル、エム・モゥブレィ、サフィール、コロンブスの主要4ブランドでは、コロニルだけが先に防水スプレーの使い方、他3ブランドは先にクリームの使い方です。

コロニル

お手入れ順序
①ブラッシング
製品に付着しているホコリなどを、馬毛ブラシでブラッシングしたりポリッシングクロスで拭いて落とします。
②クリーニング
製品の汚れをクリーナーを使用して落とします。
③防水・防汚
防水スプレーなどで、水や汚れの付着を予防します。
④栄養クリーム
レザー製品の場合は、ヒビ割れ予防のために栄養クリームなどを使用します。
⑤仕上げ
ポリッシングクロスで乾拭きしたり馬毛ブラシでブラッシングするなどして仕上げます。

引用元 コロニルを使用したお手入れの順序を教えてください。 – コロニル|Collonil.jp

コロニルは、クリームの前に防水処理をすることを推奨しています。

その他3社

エム・モゥブレィ

  1. ブラッシング
  2. クリーニング
  3. クリーム
  4. ブラッシング
  5. 乾拭き
  6. 防水スプレー

参考 スムースレザーのお手入れ・磨き方 – mowbray

エム・モゥブレィ、サフィール、コロンブスは手入れの最後に防水スプレーを使うことを推奨しています。

参考 Saphir│サフィール » SHOE CARE MANUAL – お手入れマニュアル 基本編

参考 ツヤ革靴のお手入れ方法 (スムースレザー) | 靴クリームのコロンブス | 靴磨きや革製品などのケアグッズトップメーカー

先にクリームのメリットとデメリット

先にクリーム vs 先に防水スプレー

先にクリーム

先に防水スプレー

防水効果

効果があるが持続しにくい

大。効果が長持ち

クリームの効果

浸透しやすい

すこし浸透しにくい

スプレー染みリスク

起きにくい

新品のヌメ革は起きやすい

スプレー跡リスク

残りやすい

クリームと一緒に余分なスプレーの残留物をふき取れる

お手入れ方法は使っているメーカーのやり方にならうのが良い

デテログは革製品のお手入れにこだわっており、いろんな素材やシチュエーションごとに紹介しています。

丸わかり!革製品のお手入れ方法|トラブルごとに解説
革製品のメンテナンス方法やケア剤まとめ、読者からの革の悩み相談などのまとめページです。革を愛するすべての方にお役立ていただけるはずです。[随時更新]

革を愛する多くの方に役立てていただけるものと思いますが、これらの内容が絶対だとは考えていません

それよりも、メーカー推奨の方法があるならそちらを採用してください。

理由は2つ。

理由1:素材によってちがうから

基本のお手入れ方法はあくまでも多くの素材で使える無難なやり方です。

素材ごとの最適解は作り手が一番詳しいはずです。

理由2:お手入れ(革の育て方)まで含めて製品をデザインしているから

これはあくまでもうちの場合ですが、「どう使ってどんな革を育てて欲しいか」という思いを込めてお手入れ方法を紹介しています

その一例が防水スプレーを先にかける点です。

デテログは、革をキレイに使うことが良いエイジングにつながり、長く愛用してもらえるものと考えています。

もっと経年変化をがっつりさせたいなら、防水スプレーはあまり使わずオイルを多く入れるなどの選択肢もあると思います。

気に入って買ったお財布だと思いますので、お手入れもブランドの方針にのっとって行っていただくことをおすすめします。

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防水スプレーを先にかけるとクリームが浸透しない?

ご質問者さんのように、

防水スプレーを先にかけるとクリームが浸透しないのでは?

と考える方がいるかもしれません。

結論を言ってしまうと、防水スプレーをかけた後でもクリームは浸透します

防水スプレーをかけてもクリームは浸透する

革用クリームの栄養成分は、油(液状)、脂(固形)、保湿成分(ラノリンなど)です。

防水スプレーは防油効果がありますが、防水のように全くしみ込まないわけではありません。

参考記事 amazon激安防水スプレーLOCTITEと人気のCollonilウォーターストップ比較

その分、通常より浸透に時間がかかりますので、デテログではクリームを塗って乾拭きしたら一晩置くことをおすすめしています。

ミコガイ
ミコガイ

余分なロウや脂を落としやすくなるメリットもあるんじゃないかと思います。

逆に、クリームの後では防水スプレーの効果も減

後に防水スプレーを使うと、今度は防水スプレーの効果も若干落ちます

効果が落ちる理由

理由は、防水スプレーが革に浸透しにくくなるから

昨今の革用防水スプレーは、フッ素樹脂を使ったものが主流。

革表面をコーティングするものではなく、スプレー液と一緒に革にしみ込んで効果を発揮するものです。

クリームの種類によりますが、はっ水効果が高いクリームを塗ると防水スプレーもはじいてしまいます

なので、最後にスプレーをかけると浸透しにくく、効果が長続きしません。

厳密に言えばクリーナーを使わないと効果が落ちる

厳密に言えば、クリームと防水スプレーの効果を十分に発揮させるためには、毎回クリーナーを使って革表面をすっぴんにしてあげる必要がある

ですが、革靴用の革ならまだしも、財布やバッグ用の革にそれをしてしまうとダメージがある。

そもそもヌメ革のように吸水性が高い革では、クリーナーですっぴんに戻すのはほぼムリゲー。

クリームが浸透しないことが心配。どうする?

防水よりもクリームを重視したいならどうすればいいでしょうか?

防水スプレーを使わない

シンプルな話です。防水スプレーを使わずクリームだけを塗ればOK。

クリームだけでは防水性が足りないのでは?

ミコガイ
ミコガイ

クリームと防水スプレーを別の手入れの機会に使うようにしてはどうでしょう?
それか、はっ水効果が高いクリームを使うという選択肢があります。

クリームと防水スプレーをセットで使わない。

防水スプレーとクリームは使う目的がちがうものですので、絶対にセットで使わなくてはいけない理由はないです。

そもそも、防水スプレーは毎回使う必要はないです。

ミコガイ
ミコガイ

もっというと、毎回って?
その頻度は人によるはず。

防水スプレーは〇か月に一回、クリームは〇か月に一回、ブラッシングは毎週とか、それぞれ分けて考えることをおすすめします。

基本のお手入れ方法は、あくまでもシンプルにわかりやすく伝えているに過ぎないものですので。

防水スプレー以外の選択肢

コロニルの革小物用モイスチャークリームは、はっ水効果が高い油性クリーム。

ヌメ革に水を垂らした実験。
左がモイスチャークリーム。
[コロンブス] モイスチャークリーム 革小物用 メンズ ムショク
columbus(コロンブス)
¥2,200(2024/12/02 20:03時点)
商品サイズ (幅×奥行×高さ) :2.2×3.9×2.4

エイジングを楽しむのにもおすすめできるクリームです。

参考記事 コロンブスのモイスチャークリームとコンディショニングクリーム比較

防水ジェルという商品もあります。

[コロニル] 国内正規品 【レザージェル】 防水 革 靴 バッグ スエード 撥水 コーティング 手入れ ガス不使用 カラーレス 230ml
Collonil(コロニル)
¥2,400(2024/12/02 09:27時点)
【100年以上の歴史を誇るドイツ発のレザーケアブランド】創業から世界中で愛用され続けるレザーケアのトップブランドCollonilが手掛けるレザージェル。長くものを大切にしたい方に、この業界100年のベテランであるCollonilが信頼できるレザーケアをお届けします。

ジェルという名前ですがポンプ式の乳液なので、塗りやすく、効果を調節することができます(水を吸いやすい革には不向き)。

参考記事 コロニルのレザージェルと防水スプレー比較レビュー

革のお手入れはクリームが先か防水スプレーが先か?のまとめ

革製品をお手入れする時はクリームが先か防水スプレーが先かについてお話ししました。

まとめ
  • どちらにもメリットデメリットがある
  • 防水を重視するかクリームの効果を重視するか
  • メーカーの考え方にならうのがベター

デテログでは、きれいに長く使うことで愛着が増すものと考えています。

ミコガイ
ミコガイ

汚れてしまったら萎えますよね。

だから防汚もある程度重視したお手入れとして、防水スプレーをクリームより先に使うお手入れ方法を紹介しています。

とはいえ、ブランドごとに考え方のちがいがあり、その考え方にならうのが一番だと思っています。

なので、買ったお財布のブランドやお店がクリームを先に使った方がいいというのであれば、それにならうのが一番です!

この記事の内容は以上です。

他にも、デテログおすすめクリームのレビューや辛口レビュー、防水スプレーの選び方、具体的なお手入れの方法などについて書いています。

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