コロンブス社のジャーマンブラシ#2を検討している方に向けて、革職人の私が実際に使ってレビューしまします。
コロニル社の馬毛ブラシと比較して紹介しますので、コロニルを検討している方にもお役立ていただけます。
次のポイントに沿って検証します。
先に結論を書いてしまうと、もし私がこれからどちらかを買うならコロンブスのジャーマンブラシ#2を選びます。
といっても、その理由は品質の優劣ではありません。好みによる部分が大きく、また何に使うかによってもちがってきます。
この記事を最後まで読んで失敗のないブラシ選びにお役立ていただけたら幸いです。
コロンブスジャーマンブラシ2の特徴|コロニルと比較
ジャーマンブラシ2は馬毛製|適度な弾力で万能
ジャーマンブラシ2は馬毛製のブラシです。馬毛は豚毛や化繊毛よりやわらかく、山羊毛より硬いのが特徴。
ほどよい弾力の強さなので、デリケートな革にも使えてきちんとブラッシング効果もある。最初の革用ブラシには最適な選択です。
その他のブラシの特徴については、革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。をご覧ください。
ジャーマンブラシ2は手に収まる絶妙なサイズ感で持ちやすい
靴・革製品用ブラシのサイズは重要なポイントです。
ジャーマンブラシ2はコンパクトで使いやすいサイズ
手のひらのくぼみから人差し指の第一関節までに収まるサイズ。私の手の大きさは男性としては特別大きくも小さくもないサイズだと思います。
だからブラシのコントロールがしやすい。
これに対しコロニルの馬毛ブラシは長さがあって指が届きません。
大きいので効率的な反面、慣れないうちはコントロールしにくく、気をつけないと柄が靴にあたってしまうリスクがあります。
次は毛の長さをくらべてみましょう。短い方があたりが硬く、また長い方が柄が革にぶつかるリスクを下げられます。
若干ですが馬毛の方が長いです。
スペック上は1cmの差ですが、こうしてくらべるとそこまで大きな差はないように見えます。
取り回しの良さならジャーマンブラシ2、効率重視なら大きなコロニル馬毛ブラシがいいんだね
なおコロンブスの馬毛ブラシには、より大型(長さ20cm)のジャーマンブラシ1もあります(Amazonではジャーマンブラシ2のラージサイズとして同商品ページで販売されています)
ジャーマンブラシ2の柄は角が丸めてあって手に優しい
ジャーマンブラシ2は木の角が面取りされており、これが持ちやすさに良い影響をあたえていると感じます。
ブラッシング中に万が一革に当たってしまったときに革を傷つけるリスクも軽減してくれます。
コロニルと比較すると毛が太い分密度が高く硬め
それぞれの毛質をくらべると、コロンブスのジャーマンブラシ2の方がコロニルの馬毛ブラシよりもすこし硬い(弾力がある)ようです。
この要因としてわかるのは、毛の太さと密度のちがい(ジャーマンブラシ2の方が若干密度が高く太い)です。
コロンブスのジャーマンブラシの方が毛が太いのがわかると思います。
密度は写真でどれだけ伝わるでしょうか?見て触った感覚ではジャーマンブラシの方がぎっしりと詰まった密度の高さを感じます。
硬さは好みの問題ではありますが、ほどよい弾力があった方がブラッシング効果が高いので私は好きです。
また密度が高い方が均一なツヤが得られ、効率的なブラッシングができるメリットもあります。
所有欲を満たす美しいブラシが欲しい方には向かないかも
ジャーマンブラシ2とコロニル馬毛ブラシはコストパフォーマンスに優れたブラシですが、ハイエンドなブラシにくらべると見た目の面ですこし見劣りします。
コロニルは塗装がちょっと・・・ジャーマンブラシは悪くないんだけど欲を言えばニスのテカりが・・・
↑写真はジャーマンブラシ2。悪くないしコスパはかなり高いけどハイエンドブラシと比べるとやっぱりちがう。
所有欲を満たす馬毛ブラシが欲しいなら、コロンブスブラシの馬毛(ジャーマンブラシとは別商品)やSANOHATA BRUSHがおすすめです。
コロンブスの馬毛ブラシは、別記事で紹介しているスエードブラシと同じシリーズで日本製。
画像出典 コロンブスのスエードブラシ(ステンレス製)が良い|ゴムブラシよりもこっち派
良いブラシは木の質感がそそるね
ジャーマンブラシ2がおすすめなのはこんな人
ジャーマンブラシ#2の使い方|むずかしく考えなくてOK
ブラシのかけ方よりも習慣づけの方が大切
革用ブラシの使い方としてよく言われるのはスナップを利かせるようにして・・・うんぬんという使い方。
ゴシゴシと表面をなぞるようにブラッシングするよりも、たしかにスナップを利かせた方がほこりをかき出しやすいはずです。
ですが、そんなに気にしなくてもいいのでは?と私は思います。適当にブラッシングするだけでも効果はあります。
あまり難しく考えるよりも、マメにブラッシングすることを習慣付ける方が大切。
ゴシゴシと強くこするのはNGなので注意
濡れた状態で使わない|クリームや防水スプレー時注意
濡れた状態の革はとてもデリケート。特にタンニンなめしの革は濡れた状態で力が加わると弱くて変形(凹凸がなくなったりキズがついたりへこんだり)しやすい。
そしてその状態で乾くと形が固定されてしまうのもタンニンなめし革の特徴です。
濡れた状態でブラッシングするのはやめましょう。クリームや防水スプレーを使った後も、完全に乾いたのを確認してからブラッシングしてください。
柄が革にぶつからないように注意
慣れていないと柄(手で持つ木の部分)を革にぶつけて傷つけてしまいがちです。最初は慎重に行いましょう。
風通しのいいところで保管するのが理想
ジャーマンブラシをはじめとした革用ブラシの多くは天然毛でできています。
保管状態が悪いとカビが生えたり悪臭を発生させる可能性があります。
できるだけ風通しのいいところで保管しましょう。むずかしい場合はときどき保管場所の空気を入れ替えるなど対策してください。
ジャーマンブラシ2が買えるお店
大型の靴屋、ハンズやロフトなどの大型小売店、ジョイフルのような大型のホームセンターなどで手に入ります。
ネットではAmazonや楽天やYahoo!などでも購入可能です。
ジャーマンブラシ2のまとめ
ジャーマンブラシ2は大きすぎず小さすぎないちょうどいいサイズの馬毛ブラシです。コロニル製とくらべるとすこし小さく、毛質はすこし硬さがあります。
お使いの革製品がバッグ(大きいブラシの方が効率的)なのか靴(小さ目のジャーマンブラシで十分)なのかで選ぶのもいいでしょう。
特にデリケートな革の場合はやわらかめのコロニル馬毛ブラシを使うといいですね。
もっと上質なブラシを使ってお手入れのモチベーションを上げたい方は、コロンブス馬毛ブラシやさのはたブラシなどを検討してみてください。
記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。
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