財布やバッグに防水スプレーを使うときの使い方について解説します。
防水スプレーってどう使えばいいの?
失敗しにくい方法は?
乾かす時間の目安は?
などについてお話します。
革製品の水シミに悩んでいる方、革製品のお手入れに不安を感じている方にお役立ていただける内容です。
やり方さえ覚えておけば大丈夫。むずかしいことはありません。
革用防水スプレーの使い方
使い方のポイント
- 汚れを落としてからスプレーする
- まんべんなくかける
- 二回に分けてかける
- 離して(20㎝くらい)スプレーする
ポイントの詳細は手順に交えて解説します。
使い方手順
手順はざっくりこんな感じです。
- 汚れ落とし
- 防水スプレー
- クリーム
ブラッシングからスプレー一回目まで動画に撮りました。
掘り下げて解説します。
汚れ落とし作業
汚れを落としてからスプレーしないと本当の効果は発揮できません。
その理由は、現代の防水スプレーは表面を覆って防水するものではなく革に浸透させて使うものだからです。
皮革表面を覆わず、皮革に浸透するタイプのフッ化炭素樹脂配合防水スプレーです。
引用元 Amazon.co.jp/ Amazon | [コロニル] 防水スプレー ウォーターストップ 400ml 防水・防汚効果 UVプロテクション あらゆる素材に対応 靴 バッグ 小物 Colorless | 水・シミ用トリートメント
皮革の呼吸を損なわないため皮革を傷めずに防水効果を与えることが出来ます。
汚れがついたままだとスプレーの成分がしっかり革に浸透してくれません!
なので、厳密にいえば古いクリームを落とすなどのちゃんとしたクリーニングをした方が防水効果が上がります。
ですが、
そこまで毎回はやる気にならないですよね。
普段の革財布やレザーバッグのクリーニングは、ブラッシングや乾拭きだけでもOK。
財布やバッグは、手入れされた革靴のように分厚いクリームやワックスが塗られていることは稀。だからクリーニングは最低限でも大丈夫です。
100点のお手入れでなくて大丈夫。ほどほどでいいので、ちょっとずつお手入れをする習慣を身に着けていただけたらうれしいです。
革靴の場合はしっかりクリーニングするところから始めましょう。
防水スプレーを使うための準備
必ず屋外で使います。
地面を変質させたり跡が残ったりしないよう、新聞紙やビニールなどを敷いて行います。
吸引するとキケンなのでマスクも忘れずにしましょう。
防水スプレーのかけ方
クリームの前に防水スプレーをかけます。
クリームの前!?
どちらを先に使うかはそれぞれ一長一短あります。くわしくは、関連記事 革製品のお手入れ手順の正解は?クリームが先か、防水スプレーが先かをご覧ください。
防水スプレーのコツは、【20㎝くらい離して、うすく&まんべんなく二回かける】です。
スプレーがかかっていない部分があるとそこだけ水がしみこんでしまうかもしれないし、流れるほどスプレーしたら革の油分が影響して跡が残ってしまうかもしれない。
一回スプレーして、しみこんで乾いたらもう一回。
そのあと完全に乾くまで陰干ししましょう。
乾いたら軽くブラッシングしてスプレーの残留物を落とします。
クリームを塗る
防水スプレーが乾いたら軽くブラッシングして余分なスプレー残留物を払い、クリームを塗ります。
- スポンジ
- 綿の布
- 指
などで塗ることができます。どれがいいかですが、これはクリームの種類によるのでいろいろ試してほしいと思います。
スポンジは多くのクリームでムラなく塗れる方法です。
指は慣れれば革の状態を感覚的につかみやすく、また体温でクリームを柔らかくできるからなじませやすい方法。
靴磨きの場合は、摩擦をかけて磨けるネル生地の布がよく使われます。
まずは柔らかいスポンジを試してほしいです。やりにくかったらハンカチのような柔らかい綿布や指を試してみてください。
仕上げに乾拭きして完了。乾拭きにはハンカチなどの柔らかい綿の布を使うのがおすすめ。
専用のものを使うならポリッシングクロスなど。
乾かす時間の目安は?
乾くまでの時間と確認方法、乾くのを待ちきれないとどうなるか?について。
目安は15分|触って確認
目安は大体15分くらい。
スプレーして色が変わったあと(色が変わらない革もあります)、元の色に戻ったのを確認してから革を触ってサラっとしていたらOK。
色が変わらない革の場合は、スプレーして15分くらい経ってから触って確認してください。
スプレーの液体は揮発するので、雨に濡れた時のように長時間乾かす必要はありません。
べたつきが残る場合
吸い込みにくい革の場合、15分以上置いても表面にべたつきが残る場合があります。
こういう時はべたつきがなくなるまで触らずに放置します。
過去の経験では、一晩置いたらべたつきがなくなって元通りになったこともあります。
エナメルや特殊な表面加工をされた革で起こることがあるのですが、光沢がなくなったりまだらになってしまうことも。このような革は防水スプレーとの相性が悪いので、使わない方が無難です。
エナメル革はNG。それ以外はほとんどの革に防水スプレーは使えますが、相性が悪い素材も。不安な場合は革製品のメーカーに問い合わせるのが確実です。
- 日かげで十分に(一晩以上)乾かす
- べた付きが残る場合は、目立たない部分をやわらかいコットンの布でやさしく拭いて、色落ちがないことを確認してから乾拭きしてふき取る
- クリーナー成分を含んだクリームで優しくふき取る
クリームはたとえばコロニルのデリケートクリームなど。
乾かし方は?
短時間ならそんなに気にしなくても大丈夫ですが、陰干しがベター。
少なくとも、真夏の直射日光や高温になる場所に干したり、ドライヤーを使ったりするのは避けましょう。
乾く前にブラッシングするとどうなるか?
使い方のところでスプレー後にブラシをかけると書きましたが、乾く前にブラッシングしてしまうとどうなるでしょうか?
これは経験談なのですが、悲しいことに革靴の染料が落ちてしまいました。
色落ちの原因ですが、濡れた状態は革がダメージを受けやすい状態というのが一つと、スプレーの液体は有機溶剤だからというが一つ。
スプレーの有機溶剤はすぐに揮発するから革への悪影響はあまり心配しませんが、この状態でこすってしまうと革の塗装や油分が落ちたり、特殊な加工はダメージを受けてしまうでしょう。
防水スプレーとその他アイテムの選び方
かんたんに道具の選び方をご紹介します。
防水スプレーの選び方
各社いろいろ出していますが、迷ったらオーソドックスなタイプの防水スプレーを選んでおけば間違いありません。
たとえばコロニルのウォーターストップ。
私が普段使っているのはウォーターストップ。万能で使いやすい防水スプレーです。
関連記事 コロニルの革用防水スプレー4種類を比較|迷ったらウォーターストップで間違いなし
日本のメーカーで選ぶならコロンブスのアメダスがおすすめ。
関連記事 防水スプレー「アメダス」レビュー|使える素材と使ってはいけない素材
汚れ落としに使うブラシの選び方
ブラシもやはり万能なタイプをおすすめします。
ずばり、エム・モゥブレィのプロブラシ(化繊)か馬毛ブラシのどちらかを選んでおけば間違いありません。
ちがいは硬さと弾力で、化繊の方が若干硬く弾力があります。
特に繊細な革にも使えるのは馬毛。化繊はお手入れが楽だったり品質が安定しているメリットがありますが、馬毛の方が幅広い革に使えてまちがいないかもしれません。
お時間がある方はこちらも 革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。
クリームの選び方
細かいことを言えばいろいろと向き不向きはあります。
ですが今回はクリーム選びがメインテーマではないので、
万能なやつ教えて
コロンブスの「コンディショニングクリーム」かコロニルの「シュプリームクリームDX」をおすすめしておきます。
多くの革に使えて品質もいいです。
おすすめする理由について知りたいと思ってくれる方は、革小物用コンディショニングクリームの使い方とレビュー(コロンブス)や、1909シュプリームクリームデラックスの万能感をレビュー&使い方を読んでください。
防水スプレーを使う時の注意点(キケン)
防水スプレーは間違った使い方をすると健康被害がありキケンです。
防水スプレーはフッ素樹脂やシリコン樹脂などのはっ水性の樹脂を細かい粒子にして吹きつけることで、水をはじくようにするものです。
引用元 その防水スプレー、ちょっと待って! | その他 | NHK生活情報ブログ:NHK
防水スプレーにこの樹脂が含まれていると、肺に付着して酸素をうまく取り入れられなくなると考えられているということです。最悪の場合、呼吸困難になって死に至ることがあるというのです。
健康被害を被ったり、子供やペットの害になることがないよう、使う場所や使い方に気を配りましょう。
まちがった使い方をしない為の方法を別記事でまとめているのでよろしければそちらも合わせてご欄ください。
関連記事 防水スプレーの危険性を話します!安全に使う方法は?
防水スプレーの使い方と乾かす時間のまとめ
防水スプレーの使い方のポイントと手順、そして乾くまでの時間についてお話ししました。
- 汚れを落としてからスプレーする
- まんべんなくかける
- 二回に分けてかける
- 離して(20㎝くらい)スプレーする
しっかり汚れを落とし、ムラができないよう20cm離して全体の色が変わるまでスプレーします。乾いたらもう一度繰り返しましょう。
- 汚れ落とし
- 防水スプレー
- クリーム
防水スプレーを使う手順は、ブラッシングを使った汚れ落としから始め、スプレー後のクリーム、仕上げの乾拭きで完了です。
スプレーはすぐに乾き始めますが、15分ほど経ってから触って確認すれば確実です。
おすすめの防水スプレーはコロニルのウォーターストップかコロンブスのアメダス。
この記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。
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