財布にクリームを塗ったらシミになってしまったことがあります。
クリームはどうやって選べばいいですか?
シミができにくいおすすめクリームは?
そんな疑問にお答えする内容です。
- シミになりにくいおすすめクリーム
- シミになる原因は?
- シミになりやすい革
クリーム比較実験|ヌメ革で試しました
シミになりにくいクリームをさがすために実験を行いました。
その実験方法について最初に説明します。
実験方法
このように小分けした革に各クリームを塗ってちがいを確かめました。
小分けした区切りの中はほぼムラなく塗っています。
先に結論を言ってしまうと、色についてはどれも大差ないという・・・。
塗りたてはともかく、数日経ってみると色のちがいは落ち着きました。
でも実はこれ、角度を変えて撮影してみるとちがいが出ています。
クリームによっては強い光沢が出ています。比較してみましょう。
実験のまとめ
色に関しては、一回クリームを塗っただけでは、若干濃くなった程度で、ムラやシミは確認でませんでした。
それに対し、光沢のちがいは塗っただけで大きな差がでました。ブラッシングや乾拭きをすればその差はさらに大きくなります。
シミやムラを作らないためには、光沢が強すぎないクリームを使うのも一つの方法です。
また、今回のように均一に塗れてさえいれば、シミになるこ可能性も低いということが見えてきます。
よって、延ばしやすいクリームを使うことがシミ予防になると考えられるでしょう。
シミになりにくいのはどんなクリーム?
今回の実験と、クリームを10種類以上試してきた経験からまとめます。
- 油分が多すぎないクリーム
- ゲル状のクリーム(延ばしやすい)
- 適度な硬さの油性クリーム
こんなクリームがシミになりにくい傾向があります。
ところで、シミはどうしてできるのでしょうか?
シミはどうして起きる?
まずシミができる原因について。
油分によってできる色変化(濃くなる)がムラになるのが原因です。
今回の実験では大きな色変化は見られませんでしたが、繰り返しクリームを塗ったり、広い面積にでは塗りムラができてシミになることは十分に考えられます。
革は濡れると色が濃くなる
革は、紙や布などと同じように、濡れると色が濃くなります。
ものが濡れると色が濃くなる理由は、光の反射に鍵があります。
ものが濡れると表面に薄い水の膜ができ、デコボコが埋まってなめらかになる。すると、表面の乱反射が減るため、反射して目に届く光から白い光が減り、もので反射した特定の色がよくわかるようになる。濡れると色が濃くなるのではなく、色を見えにくくしていた白い光の乱反射が減るということなんだ。
引用元 ものが濡れるとなぜ色が濃くなるの?│コカネット
クリームでも色が濃くなるものとそうでないものがあります。
これは「浸透の仕方や革表面に残る量などによって反射の仕方が変わっているから」なのではないかと推測しています。
物理については門外漢なのでちがっていたら教えてください。
ちなみに、革用クリームには、油分とロウでできた油性クリームと、油分と水分とロウなどが混じった乳化性クリームがあります。
油性クリームの方がシミになりやすい傾向はありますが、それぞれの商品によって革に浸透する速さや表層に残る量がちがい、色の変わり方に差が出ます。
どんな油分でもいずれなじむので色はほぼほぼ元に戻る場合が多い。数日たっても戻らない場合は塗りすぎの可能性があります。
シミとして目立ってしまう原因はムラ
革に塗ったクリームがシミとして目立ってしまう原因は、塗った部分の色が変わることで、塗った(量が多い)部分と塗っていない(量が少ない)部分との差が目立ってしまうことによります。
ここまでをまとめると、シミになりにくいクリームは、色が変わりにくく、塗りやすくて延ばしやすいクリームということになります。
白く曇るようなシミは?
おすすめのクリームの前に、色が濃くなるのとはちがったシミについて少しだけお話しします。
色が付いていない無色のクリームを使った際に、革表面が白っぽく曇ったように見えることがあります。
これは染み込みきれなかった油分やロウによるもの。
詳しくはこちらの記事をどうぞ。
色が変化しにくく延ばしやすいおすすめクリーム
おすすめの商品を紹介します。
油分が少なめのゲル状のクリーム
いわゆるデリケートクリームと呼ばれる商品がこれです。
エム・モゥブレィ デリケートクリーム
関連記事 エム・モゥブレィ デリケートクリームは買いか?|デメリットと使い方
革小物コンディショニングクリーム
関連記事 革小物用コンディショニングクリームの使い方とレビュー(コロンブス)
なお、油分が少ないクリームは柔化効果がひかえめというデメリットもあります。その為、革の状態や種類によっては、塗ってもあまりちがいがわからなかったり、革を守る効果が得られない場合もあります。
そういう場合は油分が多めのクリームを使うことをおすすめします。
例)革が硬くなったまま戻らない、カサカサした状態が直らないなど。
色が変わるけど伸ばしやすい|適度な硬さの油性クリーム
実は、程よい硬さの油性クリームもシミができにくい。
あれ?油分が多いとシミになりやすいんじゃなかったの?
と思う方もいると思います。
ほどよい硬さの油性クリームをおすすめする理由は、均一に伸ばしやすいから。
スポンジに取ってうすーく伸ばしながら塗りましょう。
色が変わりやすいので、塗った瞬間はびっくりしてしまうかもしれません。
ですが、数時間から数日で馴染んでほぼほぼ元に戻りますから安心してください。
革小物モイスチャークリーム
このクリームは水が使われていない油性クリームです。先にあげた二つとは性質がちがいます。
オイルが馴染んでできあがる自然なムラ感がいい雰囲気に。
ムラを無くすのではなく、ムラそのものを楽しんでしまおうという意味でおすすめです。
関連記事 コロンブス革小物モイスチャークリームの使い方|色が濃くなる?
ラナパー
ロウ成分が多くふくまれており、革に浸透させる油分よりもコーティングして汚れや乾燥をふせぐ効果の方が強いように感じます。
その為夏場でも溶けにくく、初心者さんでも塗りやすいクリームといえます。
関連記事 「ラナパーは革に悪い」は本当か?|デメリットとメリットを解説
シミになりやすい要注意のクリーム
リッチ系のクリームには油分が多い製品が多いのですが、それがアダとなってシミになりやすくなっていることもあります。
そういったクリームは、マーガリンのようにこってりとしていて、使う革を選びます。
なので、リッチ系のクリームは目立たないところで試してから使うのが良さそうです。
シミになりやすい革はどんな革?
シミになりやすい革は特徴があります。
- 水を吸いやすい革
- すっぴんのヌメ革
- 乾いた質感(油分が少ない)の革
- 顔料染めより染料染めの革
- 靴よりも財布やバッグの方がシミになりやすい
これらの革は、注意が必要なので、見えない部分で試してから塗ることをおすすめします。
それぞれどういった革なのかは、以下の関連記事が参考になると思います。
また、靴用の革は水を吸いにくい素材が使われることが多く、シミやムラのリスクは小さいです。
それに対して、財布やバッグにはシミができやすい(味が出る)革も採用されることがあり、注意が必要。
シミやムラができにくいクリームについてのまとめ
シミやムラができにくい革用クリームについて書きました。
シミや色ムラができにくいクリームは、油分が多すぎないクリームや延ばしやすいクリームです。
具体的に商品名をあげると、コロンブスのコンディショニングクリームやエム・モゥブレィのデリケートクリームがおすすめ。
どちらも万能で使いやすいおすすめクリームです。
エム・モゥブレィのデリケートクリームは、ポンプ式以外にも、ジャータイプでサイズが3種類あります。
使う頻度やライフスタイルに応じて選びましょう。
他にも革製品のお手入れやクリームなどについて書いています。
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