コロンブスのプレミアムシリーズの革小物専用クリーム2種類をくらべてみます。
- スペック比較
- 特徴
- 使い方のちがい
- おすすめは?
モイスチャークリームとコンディショニングクリーム比較
ちがいを見ていきましょう。
表でまとめて比較
モイスチャー |
コンディショニング |
---|---|
成分 | |
油性 ホホバオイル、ラノリン、ミネラルオイル |
乳化性 カルナバワックス、コーンスターチ、乳化剤、精製水、スクワラン、グリーンティーエキス |
有機溶剤 | |
無添加 |
無添加 |
はっ水効果 | |
〇 軽い水滴なら防水スプレー無しでしっかりとはじいてくれます。 |
✖ 防水スプレーが必要。 |
デリケートな革に使えるか | |
△ デリケートな革は色が濃くなることがあります。 |
◎ 塗っ瞬間は色が濃くなるが、すぐに元に戻る |
効果の強さ | |
強い 油分を補う効果が強いが、塗りすぎると色が変わったり柔らかくなりすぎる |
おだやか デリケートな革に使える分効果はおだやか。失敗しにくい |
塗りやすさ | |
〇 硬めのクリームだから延ばしやすい |
〇 染み込みが速めだが、ムラは残りにくい |
おススメの用途 | |
エイジングする革 色変化を楽しむサドルレザーやオイルレザー、ヌメ革などに最適。色変化しにくい顔料染めレザーにも使えます。 |
あらゆるスムースレザーに ヌメ革から繊細なカーフやラムレザーまで、あらゆる銀付き(起毛以外)に使えます。 |
まとめ | |
エイジングクリーム 自分流に革を楽しむ為のクリーム。はっ水効果もアリ。 |
革に優しい弱酸性クリーム 革に与える影響もおだやかで用途が広いデリケートレザー用クリーム。 |
商品ページ | |
写真で効果を比較

右半分:コンディショニングクリーム
モイスチャークリームはオイルレザーのようなムラ感が残り、色が濃くなってツヤが出ています。
対してコンディショニングクリームは、塗る前とほとんど変化がありません。
はっ水効果比較

右半分:コンディショニングクリーム塗布


水に対する耐性はまるでちがいます。
モイスチャークリームは高いはっ水効果があるのに対し、コンディショニングクリームのはっ水効果は確認できませんでした。
モイスチャークリームの特徴
油性クリームだけあって、まさに油(栄養)のかたまりです。
ヌメ革に塗ると、塗った瞬間色が濃くなります。
均一に伸ばすのはむずかしく、多く塗られた部分は一晩置いても濃く残ります。このムラは何日かかけて馴染んでいくので問題にはならないはずです。
エイジング目的で塗るなら、デリケートな革に使っても全く問題はありません。
むしろ、オイルレザーのようなムラ感がとてもいい雰囲気を出してくれます。
モイスチャークリームの使い方について コロンブス革小物モイスチャークリームの使い方|色が濃くなる? で書いています。
コンディショニングクリームの特徴
水分とロウ、油分が配合されたデリケートクリームです。
ヌメ革に塗ると塗った瞬間濃くなりますが、すぐに色は戻ります。
色変化しにくく、繊細な革にも安心して使うことができます。
詳しくは☟の記事でレビューさせていただきました。
レビュー記事 革小物用コンディショニングクリームの使い方とレビュー(コロンブス)
おすすめの使い方のちがい
モイスチャー | コンディショニング |
---|---|
手順 | |
・ブラッシング ・クリーム ・ブラッシング ・一晩乾燥 |
・ブラッシング ・防水スプレー ・クリーム ・ブラッシング |
使い方のまとめ | |
防水スプレー無しでもはっ水 クリームだけで水をはじく効果あり。 |
塗ってすぐ使える すぐに浸透してくれるので、塗ってすぐに使っても大丈夫。防水スプレーは必要。 |
一緒に使いたいおすすめのブラシと防水スプレーはこちらです。
記事で紹介しているクリームの商品ページはこちら。
色と形状を比較


モイスチャークリーム:半透明の固形の脂
コンディショニングクリーム:ゲル状
万人におすすめはコンディショニングクリーム
使ってみたら全く別物なので一概には言えませんが、用途を限定せずにどちらか一つ買うならコンディショニングクリームがおすすめです。
コンディショニングクリームが優秀だからというのもありますが、モイスチャークリームが油性だからというのももう一つの理由。
油性のクリーム、オイルが万人向けでない理由
理由は一つです。
油分が多すぎるクリームは使いこなすのがむずかしい
オイルは栄養素そのものなので、塗りすぎると革のバランスが崩れてしまいます。
革は、タンナーがなめし方法やいくつもの油脂をバランスよく組み合わせてできているものです。油分が多くなりすぎると革質が変わり、デザイナーが意図した製品とかけ離れてしまうことがあります。
するとどうなるかというと、型崩れしやすくなったり、製品寿命が短くなったりしてしまいます。
こんな方には油性もおすすめ
ヌメ革に塗ってオイルレザーのようなエイジングを楽しむなら、油性のこってりしたオイルを塗るのもありです。
グラデーションのようにムラが残り、通常のヌメ革では作れないアジを生み出してくれます。
コンディショニングクリームは使いやすいデリケートクリーム系
油性クリームに対して、水分と油分やロウが混じった状態のものが乳化性クリームです。
その中で水分量が多めになっているクリームがデリケートクリームに分類されています。
コンディショニングクリームもデリケートクリームの一つです。
デリケートクリームは、革に強い影響が出にくくしているところがポイント。

成分が薄いだけなのでは?
そんなことはないです。
成分が薄まっている分、手ざわりにまで気を配ったり、吸い込みがはげしい革にも伸ばしやすく調整できたりすることができます。
だから、慣れていない方にもあつかいやすい商品が多く、このコンディショニングクリームもみなさんにおすすめできるクリームです。
モイスチャークリームとコンディショニングクリームの比較まとめ
モイスチャークリームは油性でこってりとしたクリーム。コンディショニングクリームは、乳化性で革にやさしいクリームです。
エイジングを楽しむならモイスチャークリーム、革の風合いを変えずにいろいろな革に使えるお手入れ用クリームが欲しいならコンディショニングクリームがおすすめです。
両方使って違いを楽しむのもいいですね。
お手入れ沼も楽しいですよ。
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