amazon激安防水スプレーLOCTITEと人気のCollonilウォーターストップ比較

革製品のお手入れ

この記事では、革製品の雨対策に関するお話をしていきます。大切な革製品のお手入れが心配な方、革製品の変色や色移りが不安な方、防水スプレーを探していた方に向けてお届けします。

結論からいうと、どちらも防水スプレーとしてちゃんと使えます。効果の度合いについては、値段なりに差が出た結果となりました。

詳しく説明します。

LOCTITEと王道Collonil(コロニル)の防水スプレー比較

今回検証する二種類の防水スプレーはこちら

LOCTITEは、amazonで激安で売っていた防水スプレー。

フッ素系とのことなので、もしかしたら使えるかもと思い購入しました。安くて質がよかったらきっとお客様に喜んでいただける。

《フッ素系防水スプレーにこだわる理由》

防水スプレーにはフッ素系のものとシリコン系のものがあり、シリコンが含まれたスプレーは革には適さないと言われている為です。

《安い防水スプレーを求める理由》

革製品を長く愛していただくためには、より適切なケアを継続することが大切ですが、なるべくお金はかけたくないですよね。
防水スプレーのコストってなかなか馬鹿にならなくて、説明書き通りに2週間に1回くらい使っていたら、2000円近くする防水スプレーもあっという間になくなってしまいます。

高級な防水スプレーを時々使うより、ほどほどの性能でマメにケアしてもらう方が効果的なのではないか?そう考え、コストを気にせず使える良質な製品が無いものかと、いろいろと試しながら探し続けています。

今回ご紹介するLOCTITEとCollonilの価格差は約3倍と、大きな開きがあります。どこがどう違うのか?値段なりの差があるのか?じっくり検証していきます。

スペックの比較

まずは、説明書きを見ながら、スペックを比較してみます。

 

製造国

〈LOCTITE〉

日本製。LOCTITEはHenkelというドイツのブランドの製品ですが、この製品の製造はヘンケルジャパンが行っています。

〈コロニル〉

ドイツ製。

 

製品特徴の比較

〈LOCTITE〉

【特徴】

●水、油を強力に撥水、撥油
●通気性、風合をそこなわない
●皮革にも使用できる

フッ素パワーで水はもちろん、油もはじき、優れた防水・防汚性を発揮。

 

〈コロニル〉

素材に浸透したフッ化炭素樹脂が防水効果を与えます。水や汚れの浸透を防ぎ皮革本来の美しい風合いを維持し柔軟性や通気性を損ないません。

ゴアテックスにもお薦めの防水スプレー

UVプロテクション

 

共通しているのは、通気性や風合いを維持しつつ防水効果があるということ。

LOCTITEは防汚と撥油をうたい、コロニルは紫外線に強い点をアピールしています。

成分比較

長いので記事の一番下に移動しました。読まなくても防水スプレーの効果比較はできますが、専門的な知識を得たい方は最後に読んでください。

LOCTITEとCollonilどちらがおすすめ?検証します

それぞれのスプレーの性能を比較します。

より実践的な実験の為、性質の違ういくつかの革を使いました。使用した革は以下の通り。

  1. 栃木レザー ヌメ革
  2. TOIANO パープル(イタリア製 タンニンなめし革 顔料不使用 素上げに近い 植物油使用)
  3. エルバマット イエロー(イタリア製 タンニンなめし革 顔料不使用 牛脂をたっぷり使ったしっとりオイルレザー)

各革に水と油を垂らした時に、どんな影響があるかを検証する為、一枚の革を4ブロックに分けました。内訳は、以下の通り。

  • 右上:LOCTITE塗布
  • 右下:コロニル塗布
  • 左上:防水処理なし
  • 左下:防水処理なし 水/油を垂らさない

 

こんな感じで厚紙で区切ってスプレーしました。

実験の準備。スプレー塗布

それぞれのスプレーを実際に使ってみます。

LOCTITEにスプレーを塗布します。

LOCTITEの使い方表記

20cm離して、全体がしっとりするまでスプレー。

ヘアスプレーのような勢いを予想していたところが、壊れているのかと思ったくらいに噴射が弱い。ミストのような感じです。

しかし、ところがこれが使いやすい。細かいミストで成分が出てくるので、ムラなく塗れる。

噴射の範囲が狭いので、小物には使いやすいです。大きな製品に使う場合は、十分に離して使う方がベター。

TOIANO パープル。塗布したそばからすぐに浸透します。

 

こちらはエルバマット。

 びっくりするくらい吸ってくれない。

非常に油分の多い革なので、元来持っている防水性がそもそも高くて、防水スプレーがなかなかしみ込んでくれません。ゆっくりと時間をかけて浸透していきます。

スプレーの説明書には、塗布してから20分くらい乾かすと書いてありましたが、ことこの革にいたっては、1時間ほど放置する必要がありました。

コロニル塗布

 

コロニルの使い方表記。

20~30センチ離して、表面が軽く湿る程度に2回スプレー。

 

コロニルだけが2回スプレーというのは誤算。正しい使い方は尊重したいところですが、これでは効果に差が出てしまう可能性があるので、スプレー回数は1回で統一することに。

コロニルのスプレーは、LOCTITEとは逆に、しぶきが大きく、ムラになりやすそうな粗いスプレー。値段が高いコロニルの方が、スプレーボトルの品質が低いです。LOCTITEのボトルの品質の高さは日本製ならではでしょうか。

また、不用意に広範囲に噴射が広がってしまう為、今回のように狭い範囲にスプレーしたい場合は少し困ります。

 

両スプレー塗布後。

いずれも、まだ乾いていない状態で色が濃くなっています。

真ん中のエルバマットイエローをご覧ください。

右上のブロックがLOCTITE塗布部分、右下がコロニル塗布部分です。コロニル塗布のブロックは、写真でもわかるくらいに水玉のような、まだらのムラになっています。このムラが後々どのように影響してくるでしょうか。

 

1時間放置後。

濃くなった色は元通りに戻っています。こう見えて右半分はウォータープルーフです。

実験準備は完了。

ここからが本番です。

動画で見るLOCTITEとCollonilの防水性能差

動画は、11分間の変化を19秒にまとめたタイムラプスです。

動画を載せておいてなんですが、あまり変化がわかりません。

それもそのはずです。吸水性の高い革で、尚且つ防水処理をしていないブロックは、水を垂らした瞬間にほとんど吸い込んでしまい、それ以上の変化はありません。

そして防水処理をしたブロックは、いずれの防水スプレーとも、どの革においてもかなり高い防水性能を発揮していて、最後までほとんど吸水が見られません。

写真もどうぞ。

 

 実験開始

 実験開始から15秒後

 

 実験開始から80秒後

 

 実験開始から3分30秒後

 

 実験開始から7分後

 

 実験開始から10分ごろにティッシュで水気を拭き取りました。

 

 実験開始から11分後。

 

唯一、ヌメは少々水を吸って色が変わっています。元々吸水性の高い革なので、こういった革は余計に多くスプレー塗布してあげる必要があったのだと思います。

ヌメの場合、最終的には防水スプレーを通り越して水が浸透しましたが、濡れてもすぐに拭き取ってあげればこうはなりません。水濡れ防止に、フッ素系の防水スプレーははっきりとした効果が見られます。

 

さて、防水スプレーに効果があることはお分かりいただけたと思いますが、肝心のLOCTITE VS コロニルの結果はどうでしょうか??

ヌメ以外の革については、LOCTITE、コロニルともにほぼ完璧に水を防いだと言えるでしょう。

ヌメは若干ですが効果に差が出ています。コロニルの方が水シミが小さいです。

誤差の範囲とも取れますが、コロニルは価格3倍のメンツを何とか保った形でしょうか。

続いては防油性能の比較です。

 

本題からずれますが、エルバマットは本当に奇特な革。防水処理をしていない状態でも、10分以上放置しても水がほとんど浸みません。タンニンなめし革の常識の枠に収まらない、レザー界の異端児です。

LOCTITEとCollonil防油性能差

垂らしたのはミシンオイル。さらりとした液状のオイルなので、革への親和性は抜群です。水の時とは打って変わって、オイルを垂らしたそばから大きな変化が表れています。

水がほとんど浸みこむことがなかったエルバマットも、今回はほかの革と同じようにシミができています。

防水スプレーをしたブロックとしなかったブロックの差は歴然で、スプレーをしなかったブロックは、みるみるうちに革の内部までオイルが浸み込んでいく過程が見て取れます。

さらに、今回はLOCTITEとコロニルで結果に差が出ました。コロニルの方が油の浸透が遅く、拭き取ったあとのシミも小さいですね。

油汚れをより防いでくれるのは、コロニルの防水スプレーだと考えてよさそうです。

 

15秒後

 

3分後

 

8分後、拭き取り

 

拭き取ってから1分半後

 

 

コロニルはオイルからもしっかりと革を守っています。

 

ヌメ革でもある程度油じみを防いでくれます。

水を垂らした時には、両者に大きな差が出なかったのに、油の場合はコロニルとロックタイトではっきりとした差が出たことに驚きました。

防水成分の配合量や、独自の配合などに秘密があるのでしょうか。高いだけのことはあるようです。

半日後の様子。

油は徐々に浸みこみ、揮発して目立たなくなりますが、防水スプレーを使ったブロックは革への影響も最低限で済みます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
LOCTITE、コロニルともに、必要十分な防水効果があるようです。特に大切な製品に使うには、より防水/防油効果の高いコロニルのウォーターストップをおすすめします。

 

あとは、3倍の価格差をどう思うかですね。コスパで選ぶならLOCTITEです。とりあえず防水スプレーを試してみたいという方にも、おすすめです。

頻繁にお手入れする方で消耗品として使うなら、アマゾンで格安で買えるLOCTITEという選択も大いにアリだと思います。

 

なお、UVカットについては、実験が現在進行中です。

日の当たるところに晒して、日焼けの仕方に違いが出るかどうかを検証したいと思います。

この結果についてはまた後日。。。

 

革に油や水がしみ込むとき、革の内部には汚れも入り込んでしまいます。

それを防ぐためには、革に悪い影響を与えない方法で、防水防油対策をしてあげることがベター。

特に、水に濡れる機会の多い製品、酷使される道具の場合は、適切なケアをしてあげることが、長くきれいに革製品を使うコツになってきます。

 

最後に、deteが考える、防水スプレーの使い方を書いて〆といたします。

 

防水スプレーの使い方。塗布量、放置時間の目安

防水スプレーは、クリーム、ゲルなどの他のケア剤を使う前に行います。

 

防水スプレーを使う手順

  1. ブラッシングで革の汚れを払う
  2. まんべんなく防水スプレー
  3. 乾くまで放置
  4. ブラッシングして余分なスプレー残留物を取り除く
  5. 必要に応じて、クリーム、ゲル等のケア剤で保湿
  6. 仕上げのブラッシングで完了

 

塗布量の目安は、全体がムラなく色が濃くなるまで。液が垂れるのはかけ過ぎです。吸水の具合を見ながら加減してください。

乾燥時間の目安は、塗布前の色に戻るまで。革質や気候、塗布量にもよりますが、20分~1時間程度。

使用した商品


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防水スプレーの吸引を原因とする健康被害が報告されています。必ず屋外で使用する、顔の近くで使用しない、マスクを使用するなど、商品の注意書きを守り、正しく使いましょう。

追記。UVカット性能について

amazonの激安防水スプレー(LOCTITE 超強力防水スプレー)と王道Collonilの防水スプレーのUVカット効果検証結果

この記事の続編です!防水スプレーのUVカット効果を比較しました。こちらも是非ご覧ください。


 

ここまでで比較記事は終了です。この先のページでは、防水スプレーの成分についてご紹介しています。

あまり役に立つ内容ではないです。

防水スプレーの成分についての専門的な知識に興味がある方だけ読んでください。

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