ヌメ革に使えるコバ処理剤8種|おすすめと磨き方備忘録

ヌメ革のコバ磨き方法|コバ処理剤8種の違いとやり方まとめレザークラフト講座

革のコバにハマって早10年。

その経験の末にたどり着いたヌメ革(タンニンなめし革)のコバ処理方法まとめです。
無色仕上げのコバ処理剤にテーマをしぼっているので、はっきり言ってニッチな内容です。

コバ磨き好きなレザークラフターさんにお役立ていただけたら幸いです。

※この記事内で紹介する方法が正解ということではなく、私個人がベターだと考えている方法にすぎません。まだまだ進化の途中でもあります。

この記事を書いた人
dete

・レザーブランド"dete"の人
・職人歴10年/元・美容師

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ヌメ革に使えるコバ処理剤8種

色を入れず革のコバ面の色をいかした仕上がりに限定しています。

私のやり方では、方法は大きく分けて3種類。

コバ処理方法3種類
  • 塗り
  • 磨き
  • 熱処理

これらのどれか、もしくはそのMixでコバを仕上げています。

熱処理に使っている道具はこちら。

軽く押し付けながら熱を加えることで、塗料などを整えながら繊維を引き締めることができます。

余談ですが、モーターに木バフがついたコバ処理機や、ルーターに付ける木のコバ磨きビットなども試しましたが、思った仕上がりにはなりませんでした。金属製のビットもあるようなので今度はそちらも試す予定です。

コバ処理にほぼ必須なやすりの番手の選び方についてはこちらをどうぞ☟

コバ磨きに使うやすりの番手は何がいい?|コバ磨きをラクにする道具も紹介
革製品を作る上でキーになる部分の一つにコバがあります。コバを仕上げる時、紙やすりを使う方が多いと思いますが、最適な番手(細かさ)は何番でしょうか?職人やり方紹介とともに解説しています。

コバの仕上がりを左右するヘリ落としの扱い方についてはこちらを☟

ヘリ落としの使い方のコツ|柔らかい革でも失敗しにくい方法と砥ぎ
ヘリ落としの使い方を工夫すれば、柔らかくてシボが入った革もきれいに仕上げることができるようになります。 少し練習すればだれにでもできる方法を紹介します。
  • 各方法の見出しに『塗り』『磨き』『熱処理』のどの製法を使っているか書いています。
  • 主な方法のみ手順を載せています。
  • 各手順は、ヘリ落としが済んだところから始めており、ネン入れは省いて(Lized以外)います。
  • 処理剤によっては、浸透しやすくする為うすめて使っています。自己責任でお試しください。

私が好きなコバ磨き方法(無色)

まずおすすめの方法を。

丈夫に仕上げたいなら
  • バスコ 目止め液

  • Lized グレージングトップ

  • ふのり蜜蝋

のどれか。ヌメ革は磨き系が丈夫に仕上がりやすい傾向。

美しく仕上げたいなら

  1. FOK ニス

  2. Lized グレージングトップ

一番キレイに仕上げられる方法は、塗りのFOKです(私の場合)。

各方法について解説します。

Lized グレージングトップ

塗り
磨き
熱処理

Lized グレージングトップ
Lizedコバ仕上剤 グレージングトップ 250ml→増量350ml
グッドレザー
¥ 1,320(2020/08/06 10:16時点)
グレージングトップ4:水1 くらいに薄めて使っています。

タンニンなめし革に使うにはとても優秀なコバ処理剤だと思います。

暗い色の革、ブライドルレザーにはこのコバ処理剤が一番だと感じました。

他のコバ処理剤では磨きにくい革でも良い結果になるのを確認しています。

熱への耐性がとても高く、布磨きでも、高すぎない温度のコテ処理でもどちらでもOK。

私の場合、塗って濡れた状態で※電気玉ネンを使ってコバに液を染み込ませつつ熱で圧縮させています。

磨くとツヤが出ますが、熱処理でマットめに仕上げることも可能。

濡れた状態で熱を加えると色が濃くなります。明るい色の革では色ムラが起きる為、その場合は半乾きもしくは完全に乾いてからネンを入れるか、ネンを入れてから塗布します。
私の使い方

  1. やすりがけ
  2. 多めに塗り
  3. 濡れた状態でネンを入れて染み込ませる
  4. コテで熱処理
  5. やすりがけ(320~600)
  6. 塗り
  7. コテで熱処理
  8. ※やすりがけ(400~800)
  9. ※布か綿棒で磨くように塗り延ばす

※状況によってくりかえす

バスコ 目止め液

磨き

バスコ 目止め液
目止め液3:水1 くらいに薄めて使っています。

バスコ目止め液は、バスコ(サーマルコート)の下地として販売されている商品ですが、タンニンなめし革のコバ磨き剤としてもかなり有能です。

よく見るノリの容器に入っていますが、これにこだわらずガラス容器などに移して使った方が使いやすいです。

光沢が強くしっかりとした堅牢なコバに仕上がります
ふのりではまとまりにくいコンビなめし革などにも対応。

耐熱性が高いのも特徴で、熱処理も布磨きもどちらでもいけます。

コバの色が濃くなりにくく、革の元の色を活かしたコバ仕上げができます。

目止め効果が高く塗るだけで仕上がる反面、乾いてからの磨きはあまり効果がありません。半乾きで磨くと効果的です。

床面処理にも効果的で、トコノールのようにベタつくことがないので使いやすくおすすめです。

私の使い方

  1. やすりがけ
  2. 多めに塗り
  3. 濡れた状態で布磨き
  4. やすりがけ(240~400)
  5. 塗り
  6. 濡れた状態で軽く布磨き
  7. ※やすりがけ(400~800)
  8. ※塗り
  9. ※濡れた状態で軽く布磨き

※状況によって

FOK 水性ニス

塗り

FOK 水性ニス
写真はつや消しですが、使っているのはツヤアリタイプ。少しだけツヤ消しを混ぜても良い感じです。
FOKで作ったコバ
レザーコート:皮革用水性コバ塗り塗料|藤倉応用化工株式会社
藤倉応用化工のレザーコートの紹介ページです。レザーコートは、皮革のコバ塗り専用に開発した塗料です。柔軟性のある塗膜を有し、皮革の曲りでヒビ割れることがありません。
ニス3:水1 くらいに薄めて使っています。

ほぼ塗布(磨き塗り)×やすりのみの工程にもかかわらず、非常に完成度が高いコバが作れる方法です。

特徴はコバのなめらかさだけでなく仕上がりの色の美しさ

他社のコバ処理剤と違い、芯通し革(内部まで染まった革)のコバの発色が良くなり、鮮やかに仕上がります。

この特性をいかすには、熱をかけた布磨きや熱処理をせずに仕上げるのがポイント。

乾いた状態で磨いても効果があります。
床面をつぶすようにコバを磨きたい場合は濡れた状態で磨いてください。

熱に弱く、布磨きやコテの熱処理には不向きです。

私の使い方

  1. やすりがけ
  2. 塗布
  3. 乾いたらやすりがけ(320~600)
  4. 綿棒でやさしく塗り延ばすように磨く(濡れた状態で)
  5. やすりがけ(400~800)
  6. 綿棒でやさしく塗り延ばすように磨く(濡れた状態で)
綿棒の磨きは、うすく塗って軽く磨くのがポイント。ならしながら伸ばすようなイメージ。

ふのり×蜜蝋

磨き
熱処理

煮だしたふのりと蜜蝋を使った古典的なコバ処理方法。

ふのりでツヤを出しつつ、蜜蝋で革の繊維のすき間を埋め、なめらかなコバ面を目指す方法です。

硬い革と相性が良く、丈夫なコバに仕上がります。

磨く作業が重要なので労力が要りますが、その分キレイに仕上げることができるやり方です。

磨きの熱により、色が濃くなり、また蜜蝋をしみこませることでさらに色が濃くなります。

染料を差せば気にならなくなりますが、無色では色ムラができやすいです。

私の使い方

  1. やすりがけ
  2. ふのり塗布
  3. 濡れた状態で強めに布磨き
  4. 蜜蝋溶かし込み
  5. 布磨き
  6. やすりがけ(320~400)
  7. ふのり塗布
  8. 濡れた状態で布磨き
  9. 蜜蝋がついた布で磨き
  10. ※やすりがけ(400~800)
  11. ※ふのり塗布
  12. ※濡れた状態で布磨き
  13. ※蜜蝋がついた布で磨き

※必要に応じてくりかえす

詳しくはこちらで解説しています☟

ふのりと蜜蝋のコバ磨きの方法 [革職人伝授]
ふのりと蜜蝋コバ磨きをする時の具体的な手順を説明します。ふのりと蜜蝋のコバ磨きの方法まずは手順はざっと紹介。ふのり蜜蝋コバ磨きの...

ユニタス エッジペイントEPシリーズ カラーレス

塗り

エッジペイント3:水1 くらいにうすめて使っています。

豊島化学のコバ処理剤に近いレシピで作られているという噂です。

熱に弱いので、塗布とやすりがけをくりかえす方法がベター。

やすりがけの時の摩擦熱にも注意が必要で、往復させず一定方向にかけるやり方がおすすめ。

コバの色は少し濃くなります。

トコノール

磨き

SEIWA 誠和 トコノール レザークラフト用 革の床面・コバの仕上剤 120g 無色 SWA31505
誠和(Seiwa)
¥564(2020/08/06 11:53時点)
トコノールは革の繊維の奥まで入り込み、毛羽立ちを根本から長期に渡りおさえます。天然ワックスを配合し、革の自然な風合いや触感を残しながら、柔軟で丈夫な被膜を形成します。

塗って半乾きの状態で磨くクラシックなコバ処理剤。

艶やかで柔らかめの仕上がりになるように感じます。

ワックスの効果によるのか、磨いた後の色はかなり濃くなります。

コバだけでなく床面処理にも使えます。

CMC

磨き

ふのりの代用品。粉状のCMCを水で溶いて使います。濃さは好みで調節可。

必要な分だけ簡単に作れるのでふのりよりもずっと楽です。

ふのりやトコノール同様、塗布と磨きとやすりをくりかえして仕上げます。

色はふのりほど濃くなりません。

表面的に硬くなり、曲げた部分がかさついた仕上がりになったことがあり、それから使うのをやめました。

豊島化学 コバオール下塗り用 クリア

塗り
熱処理

豊島化学 コバオール下塗り用 クリア
写真はノーマルタイプ。主に使っているのは下塗りタイプ。

すでに廃業されている化学メーカー。今では手に入りません。

お世話になっていたメーカーは多く、廃業の話が流れたときには業界がざわつきました。

定番のコバオールが一般的ですが、うちでは下塗り用を愛用していました。

革への浸透性が良く、革の繊維とがっちり絡むような仕上がりになる為、剥離がおこるようなことはまずありえません。

熱にもある程度耐性があり、高すぎない温度で熱処理が可能です。

コバの色は濃くなります。

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コバ磨きに便利な道具

さらっと道具を紹介します。

ガラス容器

小分けにして使うとこぼした時のリスクや乾燥をさけられます。このビンはちょうどいいサイズがGoodでリピート買いしています。

真鍮丸棒

たっぷり塗りたい時、私が使うのはただの真鍮の棒。
コバの厚みに合わせて、3-4mmくらいの棒を使い分けています。

こちらのショップ☟ではサイズを指定すると切り分けてくれるので、ありがたく利用させてもらっています。

快削真鍮丸棒 C3604 外径3mm 長さ300mm

綿棒

安価なプラスチック軸は使いにくいので、しっかりした紙軸のものを選びましょう。薬局や100均にある普通ので大丈夫です。

磨き布

好みですが、シャツに使われるようなサラッとしたコットンが使いやすいです。

Tシャツのようなニット系の生地は、しっかり力が伝わりにくいのでおすすめしません。

まとめ

各コバ処理剤の使い方と、おすすめについて書きました。

私が試した中でおすすめの方法は、

  • バスコ 目止め液
  • Lized グレージングトップ
  • FOK ニス
  • ふのり×蜜蝋

などです。

まとめとして各方法共通のポイントを書きます。

最初の塗り(磨き)は下地。多めに塗ってガッチリ革を強くします。
次のやすりがけは躊躇せずがっつり平らになるまで。ここから仕上げです。

冒頭でも言ったとおりですが、これが絶対的な正解ということではありません。
あくまでも、私が現時点ではこれがいいと感じている内容をつづったに過ぎないです。

今回は紹介しませんでしたが、

  • 樹脂系(塗り)を塗ったあとに蜜蝋で磨く
  • 水を付けた耐水ペーパーで磨く
  • 細かいペーパーをかけてフィニッシュ

等、他にも様々な方法があります。
時として、それらを今回の方法と組み合わせることもあります。

いろいろトライして自分だけの方法をみつけてください。

私自身、仕事で毎日のようにコバに触れるようになり早10年ですが、まだまだ成長過程です。

「もっとこうした方がいい」とか、「こういうやり方知ってますよ」という方がいたら、ぜひ下の方にあるコメント欄で教えてください。

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