妻がセミオーダーしたSHOE&SEWNの靴をメンテナンスしてみました。
革の状態は、いつ手入れしたのかわからないくらいカサカサ。乾燥によるシワも入っています。
せっかくオーダーで作ってもらってこれでは申し訳ないということで、革職人の私がレスキューしてみました。
SHOE&SEWNの革靴(レディース)をメンズライクに撮ってみた。
お手入れ方法の前に、まずお手入れの結果写真を先に掲載します。
メンテナンスした靴をちょっといい感じに撮ってみました。






モデル名はMedocというものだと思います。
革の種類は恐らくプエブロ。
特殊なやすりでキズ加工を施した雰囲気の良いイタリアンレザーです。
プエブロは、靴素材としてデメリットが多い。
- 成牛革なので繊維密度が低く型くずれが起きやすい。
- オイルたっぷりなので移染しやすい。
製作サイドとしても接着剤がききにくいでしょうし、靴素材としては厄介な類なのではないかと想像できます。

じゃあ靴としてナシ?
そんなことは無いと思います!このプエブロの靴には、デメリットを超えるくらいの魅力的なメリットも。
それはこの革の経年変化と、デメリットと表裏一体の独特の味わい。

マットでガサっとしたプエブロ独特の加工は、ヌバックのような独特の経年変化を魅せてくれます。
具体的に言うと、革の毛羽が寝てツヤが増し、スムースなイタリアンレザーに変わっていく過程を楽しめるということ。
ただ、その味わいを知る為には時間がかかる。
SHOE&SEWNの靴の手入れ手順
手入れ手順
乾燥が進んでいそうだったので、デリケートクリームを使ってからその上にクリームを塗りました。
キズの多いつま先部分だけに色つきのシュークリームを塗っています。
それ以外の部分については、カラーレスのクリームを塗りました。
使ったアイテム
ブラシについては革職人が選んだベストな革用ブラシに検証写真を添えて。で解説しています。
デリケートクリームについては、エム・モゥブレィ デリケートクリームは買いか?|デメリットと使い方で紹介しています。
つま先に使ったシュークリームについては、仕上りに感動。ブートブラックのクリーム(バーガンディ)の効果と使い方で紹介しています。
全体に塗ったクリームは革製品全般におすすめなシュプリームクリームデラックスです。
財布のケアについてですが、このクリームについてヌメ革財布用クリーム|おススメ3選と選び方&実験結果で解説しています。
タンニンなめし革の靴の手入れについて
今回の靴のように、タンニンなめし革の靴の手入れをする際は、普通の革靴とは違った気遣いが必要です。
どういうことかというと、クリームやワックスを塗った時、布で磨いた時に、色やツヤ感が大きく変わってしまうことがあるからです。
動画内では、傷みがはげしかった先端部分だけに色つきのシュークリーム(ブートブラック)を塗りましたが、他の部分はデリケートクリームとシュプリームクリームデラックスのカラーレスだけに留めました。

色付きのクリームでガッツリ色が変わってしまいそうだったので・・・
というのも、隅の部分で試してみたら、色が濃くなった&革の風合いがべったり潰れてしまったから。
SHOE&SEWNの靴のメンテナンスとビフォーアフター


全体にしっとりしたのと、小傷が隠れて色が濃くなりました。


これは一目瞭然ですね。ビフォーは色が抜けたようになっていてところどころ傷も目立つ。
アフターはツヤが出ています。




終わりに。使ったクリームやブラシを紹介
SHOE&SEWNのMedoc(プエブロ使用)という靴を手入れして撮影してみました。
靴のお手入れは、慣れていない方はめんどくさいとか、手が汚れそうとか、デメリットばかり感じてしまうかもしれませんね。
その気持ちわかります。
やってみれば意外とハマりますw
今回この靴をメンテナンスしてみての感想ですが、表情が豊かな革の場合、色つきのクリームは使うべきかどうかよく検討した方がいいですね。今回はつま先だけに留めて正解だったと思います。
タンニンなめし革の靴にはタンニンなめし革に適したお手入れが大切だなと再認識した今回のメンテナンスでした。
最後に、この記事の中で使ったメンテナンス道具を紹介します。
他にも、靴や財布の手入れ、クリームについての考え方などを記事にしています。よろしければ合わせてご覧ください。
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