この記事にたどり着いたということは、あなたも大切な革製品にカビを生やせてしまった人の一人でしょうか?
大丈夫。きっと元通りになります。
この記事では、革靴やバッグなどのカビを取り除いて安心して使えるようにする方法をお話します。
革のカビを除去するのは当たり前。でもそれだけじゃ無意味です。
最初に結論となる部分を書いておくと、カビが生えた革製品を元通りにする為には、カビをきちんと取り除き、カビが生えにくい革に変えるところまでがセットです。
大切な革製品をまた使えるようにする為に、まずは正しいカビ除去の方法を知りましょう。
カビの拭き取り方
作業は屋外で行います。取り掛かる前に汚れてもいい服装に着替え、カビを吸いこまないようマスクをしましょう。
ウェットティッシュにアルコールかモールドクリーナーを吹き付けて、カビを拭き取ります。
あとにもお話ししますが、アルコールは革に悪影響を及ぼすので、最後の手段としてお考えください。
ウェットティッシュの代わりにモールドクリーナーシートを使うとなおいいです。モールドクリーナーシートは、モールドクリーナーがしみ込んだクリーニング専用のウェットシート。
普段のカビ予防や革靴のクリーニングにもおすすめです。
カビが生えにくくする
カビが除去できたら、再発しにくくする工程に入ります。
最近のカビ対策は、カビを殺すのではなく生えにくくするという発想の商品が多くなってきました。
この種類のカビ対策が優れている理由は2つ。
簡単に使い方を説明すると、カビを拭き取った革にカビが生えにくくするケア剤を浸透させて、カビの繁殖を止めるという作業を行います。以下手順です。
使うのは、カビ革命という防カビ剤。商品について詳しくは次の章で解説します。
1週間くらい様子をみて、まだカビが出てくる場合は、カビの拭き取りからもう一度工程を繰り返します。今度は前回より多めに防カビ剤をスプレーしましょう。
これで完了です。
ここからは、クリーナー商品のおすすめをご紹介していきます。
カビを落として再発を防ぐのにおすすめのクリーナー
おすすめの道具を紹介します。
モールドクリーナー、モールドクリーナーシート、カビ革命をそろえると安心です。
モールドクリーナーはリスク低めのカビクリーナー
モールドクリーナーは、有機ヨードを使った消毒、カビ予防液です。
スプレーとシートタイプがあります。
モールドクリーナーシートはウェットティッシュのように使えるから便利ですよ。
カビ除去の場合は、もっとヒタヒタにして使いたいので、シートだけじゃなくてスプレーも準備しておきたいところです。
こちらは革製品のケアグッズを作っている老舗エム・モゥブレィの商品なので、革に使う上での安心感がありますね。
モールドクリーナーは拭き取りに使うのもOK
(廃盤?)カビの繁殖を抑制する!新しい防カビ剤「カビ革命」
革製品にも安心して使える防カビ剤です。クリーニング後に使いましょう。
「殺す」から「生やさない」への新発想
出典 Amazon.co.jp
キャッチコピーの通り、生やさないことを目的とした防カビ剤です。何だか怪しい・・・と思って買ってみたのですが、本当に生えてこなかったのでおすすめします。
使い方は、カビを取り去ったカバンなどにまんべんなくスプレーするだけ。とてもカンタンです。何日かおいてから乾拭きして様子を見て見ましょう。
注意点として、必ず目立たない部分で試してから使いましょう。
全ての革製品に使えるというわけではありません。安全な商品ですが、使う対象物の素材によっては、シミになったり変色したりする可能性もあります。
もっとも、カビが生えてしまった状況では、多少のリスクを取って除去に挑む覚悟は必要かもしれません・・・健闘を祈ります!!
リスクはあるけれどカビ落としに効果があるアルコール消毒液
革に悪影響があるので最後の手段的な使い方になりますが、アルコールはカビ除去に効果的です。
スプレーになっていてアルコール濃度70~80%程度のものが消毒効果が高く、手に入りやすいでしょう。
ここで紹介するものは、食器や食品に直接かけても大丈夫なくらい安心なアルコールです。
ドーバー パストリーゼ77
うちはこの消毒用アルコールを5リッター買いしましたが、もっと小さくて使いやすいボトルでも売っているのでご紹介します。
ハイアルコールスプレー アルコール除菌剤 1L
こちらはLIONのアルコールスプレー。
先ほどのドーバーはアルコール度数が77%こちらのLIONは67.9%。消毒に適したアルコール濃度は、70~80%が一番効果が高いと言われています。濃度が高すぎても効果が落ちてしまうのです。
消毒効果が最大になる濃度については諸説あるようです。
最近では、60~95%の間なら、濃度による殺菌効果にほとんど違いは無いという発表もされています。
アルコールを革につけると良くない?その理由
革にアルコールをつけると塗装を落としたり変質させるリスクがあるからです。
くわしくは〈NG〉革をアルコール消毒するのはおすすめしない|唯一の理由を。
消毒用アルコールは最後の手段!ヌメ革は比較的アルコールに強い印象。顔料の塗装はアルコールで溶けるよ。
カビを落とした革製品のお手入れ。クリームが必須
カビを落とし、しばらく(1週間以上)おいてもカビが再発しないのを確認したら革にクリームを塗りましょう。
カビ除去後にはクリームが必須
アルコールやクリーナーを使った革は、必要な油分も一緒に落ちてしまっている可能性があります。
油分が足りなくなった革は、ひび割れにつながったり、カサカサで見た目が悪くなったりします。
カビ除去後におすすめの革用クリーム
選び方ですが、厳密に言えば革の種類によってベストな選択は様々。
それに合わせて複数そろえるのは現実的ではないので一つだけ紹介します。
コロニルの1909シュプリームクリームデラックスを常備しておくといいでしょう。
シュプリームクリームデラックスは、万能で多くの革と相性がいい使いやすいクリームです。
有機溶剤が使われていないから革にダメージがなく安心。さりげなく防水効果も発揮するのでもしものときも安心感があります。
くわしくはシュプリームクリームデラックスのレビューをご覧ください。
クリームを塗ったらカビが再発した場合の対処法
クリームを塗ったらカビが再発した
カビが落としきれていなかったようですね。カビ除去の工程にもどってもう一度クリーニングからやり直しましょう。
カビが除去しきれていなかった場合、クリームが要因となってカビが再発してしまうことがあります。クリームの油分や保湿成分などはカビにとっても栄養です。
その場合は、もう一度クリーニングを行い、完全に除去できたのを確認してから改めてクリームを塗りましょう。
カビが生えた革製品のクリーニングについてのまとめ
カビが生えた革製品をきれいにするためには、カビを除去し、生えにくくするの2ステップで対処する必要があります。
カビの除去には、アルコールを使うかモールドクリーナーなどのクリーナーを使うかですが、個人的にはアルコールを使うのは避けた方がいいと感じています。リスクが大きすぎるので。
カビの再発予防には、カビ革命や、モールドクリーナーが効果的です。
今回紹介した道具で処理すれば、よほどひどいカビでない限り効果があって、私自身再発を防ぐことができています。
でも、カビの根本から完全に断つのはむずかしく、環境によっては再発する可能性はゼロではありません。
なので、大切な革製品であればこそ、きちんとプロにお任せして直してもらうのがベターかなと感じています。
皮革専門クリーニングのリナビスさんは、クリーニングから傷の補修、色の補正までをトータルで請け負ってくれます。
くつリネットさんは、カビが生えた靴もOKの宅配靴クリーニングサービスです。自分では勇気がいる革靴の水洗いも安心して任せられます。
わからないことや、やった結果の報告などコメント欄でお知らせください。
お待ちしております。
コメント