財布に使うとどうなるの?
豚毛や馬毛よりもおすすめ?
そんな疑問に答える内容です。
- 山羊毛ブラシを財布やバッグに使うメリット
- 山羊毛ブラシでブラッシングする効果
- おすすめ山羊毛ブラシ
山羊毛ブラシを革製品に使うメリット3つ
メリットは3つ。
- なめらかなツヤが出る
- 余分なクリームや油分を吸ってくれる
- 革にやさしい
メリット1|キメ細かくなめらかなツヤが出る
一番のメリットは、キメ細かくなめらかな光沢が出るところ。
これが山羊毛ブラシの価値です。
キメ細かなツヤの理由
きめ細かなツヤが出る理由は、毛が細く密度が高いから。
左がコロニルのファインポリッシングブラシ(山羊毛)、右がエム・モゥブレィのプロブラシ(化繊)。
結構ちがいますね。硬さもちがって、山羊毛の方がやわらかいです。
答えは、ムラができにくいからです。
ブラッシングでできるツヤは、ブラシの毛が通った跡です。
この時使うブラシが粗いものだと、通った毛の跡が目立ってしまいます。
これに対して、細かな目のブラシを使えば、毛の跡が残らず、まんべんなくムラのないツヤが出ます。
太い毛と細い毛のブラシ|仕上がりを比較
線が太い化繊ブラシは、毛の硬さの効果もあり、かんたんにギラリと光るツヤが出ます。
それなら化繊の方が楽でいいのでは?
楽は楽ですが、ツヤの出方がちがいます。
三脚にカメラを固定し、同じライティングとカメラの設定で撮り比べました。
レザーソープを使ったお手入れのあとに、コロンブスのコンディショニングクリームを塗り、化繊ブラシ➡山羊毛ブラシを使いました。
化繊だけの方が光沢が強いです。
同じ部分をアップにしてみます。
線が太いブラシは密度が低いため、ツヤの出方にもムラが出ます。
紙やすりに例えると、山羊毛ブラシは仕上げ用の細かいやすり。
山羊毛ブラシは仕上げ用として、ベースに化繊や馬毛ブラシを使うと効率化を図れるかもしれません。
コバ磨きにも言えることですが、ギラリと光るツヤは、実はムラがあるからそうなるもの。
ダイヤモンドのカットをイメージすればわかりやすいでしょうか。
ダイヤは精巧なカットがされているから輝きが際立ちますが、革の場合はムラとなってしまうので、ひかえめでも均一なツヤの方がより美しいかなと思います。
使った道具
メリット2|山羊毛は余分なクリームや油分を吸ってくれる
山羊毛ブラシは、馬毛や豚毛ブラシよりも余分な油分を吸ってくれる効果が高いです。
これは、クリームを塗った後の乾拭きと同じ効果があり、塗りすぎたクリームを取り去っていい感じの状態を保ってくれます。
これはデータのソースはないのですが肌感覚で感じます。
理由1|毛の細さと密度
吸ってくれる理由ですが、やはりこちらも毛の細さと密度の高さが考えられます。
太い毛のブラシよりも、毛全体の表面積が広い
☟
革への接地面積が広いため、油分を多くひろってくれる
理由2|毛質の問題?-育てるブラシ-
もう一つ、毛質にもよるかもしれません。
くつ磨きをする方の中には、山羊毛ブラシは、「育てるブラシ」だと言う方もいます。
新品の山羊毛ブラシよりも、使いこまれてワックスをたっぷり吸いこんだ山羊毛ブラシの方がキレイな鏡面に仕上げやすいんだそうです。
つまり、吸いやすい毛質なんじゃないかと。
なんとなくツジツマが合う。
ただ、時々はブラシも洗ってあげないと、「油分を吸う効果」はなくなってしまいます。
衛生面を考えても、時々は洗ってあげた方がいいように思います。
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メリット3|柔らかいからデリケートな革製品にもやさしい
山羊毛はやわらかいから、傷やアタリがつきやすいデリケートな革にも安心。
念のため書いておきますが、硬めのブラシを使ったとしても化繊や馬毛ならキズを付けることは考えにくいです。とはいえ、押し付けすぎて型崩れさせてしまうことは十分に考えられる。
心配な方は、山羊毛ブラシを日々のブラッシングに使えば安心してお手入れできます。
山羊毛ブラシは財布のケアに必須?答えはNO!
ここまでメリットをあげてきましたが、じゃあ、みんなが山羊毛ブラシを買った方がいいか?というと、答えはNO!。
革製品を持つ人100人中98人くらいは山羊毛ブラシは不要。化繊毛や馬毛ブラシで十分です。
残りの100人中2人くらいは、革のツヤをながめてうっとりしてしまう特異な方がいると思います。
うち一人は私です。
正直、写真じゃちがいわからないですよね。わかってて載せてます笑
でも、実物はやっぱり雰囲気にちがいがあって、このわずかな差を楽しんでくれる方もいるはず。
そんな方には、財布やバッグ用に山羊毛ブラシを用意することをおすすめします。
この記事を読んでいる読者さんは2/100人にHitしている可能性高いかもです笑
靴みがきにはもっとはっきりとした効果が
靴磨きに使うなら、財布などに使うよりも目に見える効果が得られるはず。
理由ですが、靴磨きはワックスだったり、財布などより油分が多いクリームを使ったりするから。
財布やバッグとちがい、表面に油分やワックスの層を残すのが靴のお手入れなので、山羊毛のような細かなブラシで仕上げてあげるとより美しい仕上がりになります。
山羊毛ブラシのメリットまとめ
メリットをまとめます。
- 馬毛や化繊毛では出せないなめらかなツヤが出せる
- 余分なクリームを取り去って油分量を調整してくれる
ほとんどの人には必須じゃないけれど、わかる人にはわかる確実な価値を提供してくれるのが山羊毛ブラシ。
通常のブラッシングやツヤ出しだけなら馬毛や化繊ブラシ+靴クリーム用の豚毛ブラシがあれば十分。
さきほどの2/100の方達には、いいウィスキーやお茶でも飲みながら、山羊毛ブラッシングを楽しむゆるりとした時間を味わっていただきたいですね。
無益だけれど至福の時間です。
おすすめの山羊毛ブラシ
おすすめをいろいろ紹介したいところなのですが、私はコロニルのファインポリッシングブラシしか使ったことがなく、比較する知識がないです。
なので、Amazonで見つけて気になっている商品を紹介しておきます。
迷ったらこのファインポリッシングブラシでOK。うちでも使っています。山羊毛ブラシの中ではお手頃で、十分な性能です。
あの熊野筆と日本のブランドブートブラックがコラボした仕上げブラシ。高級感!
コロニルと並ぶ定番ブランド「エム・モゥブレィ」の山羊毛ブラシ。
Zapatro Buenoの山羊毛ブラシ小ぶりなサイズで使いやすそう。
私的にあこがれのブラシブランド(ブラシ全般)。指が革に当たることを気にしなくていいから使いやすそうです。
紗乃織刷子が作る、日本製の最高級山羊毛ブラシ。所有欲を満たしてくれますね。
この記事の内容は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
来年2021年も、革についての勉強とアウトプット(このブログとTwitterとInstagram)をつづけてまいります!
良いお年をお迎えください。
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