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裁断屋、振り屋、抜き屋、バスコ屋・・・|革関連の職人いろいろ

革職人のなり方

デテログのミコガイです。

この記事では、バッグ、財布など革職人業界の知られざるお仕事の分類についてお話ししていこうと思います。

あなたが今使っている財布はどんな職人の手を経て作られているのでしょうか?

靴づくりの工程が職人ごとに分かれているのは知っている方も多いと思いますが、バッグや財布などの職人も細かく分かれています。

きっと初めて知るお仕事も多いはず。早速紹介していきましょう。

この記事を書いた人

プロフィール

革職人の経験を活かし、趣味のレザークラフターや革製品のトラブルに悩む方に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

・レザーブランド"dete"の代表
・出版書籍『革職人になる方法』Amazon手芸本1位獲得

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裁断屋、振り屋、抜き屋、バスコ屋・・・|革関連の職人いろいろ

  • 裁断屋
  • 抜き型屋
  • 漉き屋
  • バスコ屋
  • 振り屋
  • サンプル職人
  • 内職
  • 職人

それぞれ超専門職です。

抜き型屋

まるでクッキーに使うような革用の抜型を作る専門の職人。

刃がついた細い帯状の鋼を曲げたり溶接したりして、メーカーの型紙通りに仕上げます。

裁断屋

抜型と油圧プレス機を使って、メーカーの依頼通りに革を裁断するお仕事。

ただ抜けばいいという簡単なお仕事ではありません。

キズや汚れなどどこまで許容できるか?、繊維の向きについては気にするか?など予めメーカーにヒアリングを行います。

キケンと隣り合わせですので、神経を集中して行う職人仕事。

漉き屋

革の裏面を漉いて薄く加工するお仕事。

これをしないと、お財布が分厚くなってしまったり、重くなってしまったりします。

大漉きとコバ漉きの2種類に分かれています。

大漉き屋

文字通り大きな革を漉く専門の業者。

問屋に革を注文すると、問屋は革を大漉き屋に送ります。大漉き屋は、客の依頼通りの厚みに漉いて問屋に送り返し、その後問屋から購入者の元へ届けられます。

わずかな機械の狂いで厚みが乱れてしまう、とてもシビアなお仕事です。

コバ漉き屋

↑この動画はなかなか興味深いです。

革のコバ(革の端部分)の厚みを主に調節する加工業者。

大漉き屋よりももっと繊細な作業がもとめられます。

使う機械自体は、多くの革職人が使う小さな革漉き機ですが、パーツを加工したり自作したりしてプロならではのクオリティの高い仕事をしてくれます。

バスコ屋

革のコバに塗料を塗る専門の内職的な職人さんのこと。

バスコと言うのは、革のコバに塗る塗料の商品名。

バスコ以外の塗料を使っていてもバスコ屋さん笑

振り屋

これはかなりマニアック。

いわば、革&アパレル業界専門の人材派遣業。手配師とか周旋屋(シュウセンヤ)と同じ仕事です。

メーカーから仕事を受けた振り屋は、知り合いをあたり、手が空いている職人に仕事を振り(委託)ます。
この時、職人への賃金は、メーカーではなく振り屋から支払われます。

つまり、マージンが抜かれています

忙しい職人が知り合いの職人に仕事を振るケースもあるとか。

規模が大きくなると商社が担当するようです。

振り屋が入ることでみんなにメリットもあるのですが、中には悪質な振り屋もいるようで一部問題になっていたりも。

サンプル職人

ブランドが考えたイメージを元に、サンプルとなる製品を作ったり型紙を作ったりする仕事。

縫製などの職人を兼ねている場合も。

サンプル師とも呼ばれる。

内職

読んで字のごとくなのですが、家に持ち帰ってもできる簡単な作業を行う職人さんのこと。

例えば、両面テープ貼りとか、金具付けとかですね。

簡単とは言っても出来高払いですから、速さと正確さを兼ね備えていないとガッツリは稼げません。

職人

ミシンをかけたり、組み立てたり、その他の内職仕事などもできるオールラウンドプレイヤー。

他の職人とは違って単に「職人」と呼ばれます。花形なのか?

こちらはめちゃめちゃ稼いでる70代職人についてと革職人の将来性について書いた記事です。

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deteの革製品は分業化されているの?

ほぼされていません。

唯一、工房の設備ではできない大漉きのみ外注に出しています。

それ以外は全て私ミコガイがしています。

ミコガイ
デテログ

個人の職人はあらゆる作業を受け持つので技術は高まります!

その分、革にまつわることは何でも知っていなければ務まりません。
職人歴9年の今でも毎日勉強を続けています。

一部作業については、製作アシスタントとして外部の職人を工房に読んで手伝ってもらっています。

ミコガイ
デテログ

うちの職人は勝手の違いから最初はとまどいもあったようですが、日々成長してくれているのがわかり頼もしいです。

指導をするのは自分にとってもとても勉強になり、私自身も職人と一緒に成長しています。

これからもより良い製品作りを目指し、職人と共に腕をふるってまいります!

まとめ

あまり知られていませんが、革業界では様々な職人が日々腕をふるっています。

テレビなどで紹介される場面は多くの場合華やかですが、それを支えているのは、たくさんの地味な作業の積み重ねだったりします。

そんな地味だけど大切な仕事をする職人さんに少しでもスポットを当ててみようと思い、この記事を書きました。

数が多いのでかなりざっくりとした紹介になりましたが、それぞれに専門的な技術が必要な大切なお仕事です。

少しでも革や革業界に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

革職人になりたい方には、革職人になりたい!職人を目指す人に向けた記事まとめが参考になるはずです。合わせて読んでみてください。

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