エクセラってよく聞くけど使うメリットは?
趣味のクラフトでも使った方がいい?
エクセラにはどんな種類があるの?
これらの疑問を持った方に向けて、エクセラの魅力からメリットデメリットに注文方法まで、エクセラのあらゆる情報をまるごとお話しします。
エクセラとは?を最初にまとめると、
エクセラファスナーとは?種類、カラー、シングルとダブル
エクセラは有名ブランドも採用する最高峰ファスナーの一つ
エクセラ(EXCELLA®)は、日本が誇るYKKブランドの商標。riri、RACCAGNI、LAMPOなどと肩を並べる高級ファスナーとしての地位を確立しています。
ルイ・ヴィ〇ンもエクセラを採用していると言われています。
エクセラの特徴は磨かれたエレメント|スタンダードファスナーと比較
エクセラとYKKのスタンダードメタルファスナーのちがいはエレメント(金属のレール)だけ。テープは同じです。次の写真をごらんください。
YKKのスタンダードとエクセラの比較です。
わかりやすくアップにしてみます。
面が多く角が立っているスタンダードに対し、エクセラはなめらかに磨かれているのがお分かりいただけるでしょう。
エレメントがちがうだけで見え方がまるでちがいますね。
エクセラのカラーの組み合わせは6500通り以上
エクセラのカラーの組み合わせはなんと6500通りを超えます。テープ500色以上とエレメント13色から選ぶことができます。
エクセラのテープカラーは500色以上
指定色で注文する場合はカラーコード見本が必須です。しっかりした厚手の表紙の冊子になっていて所有欲も満たせますよ。
カラーカードの中身はこんな感じです。
高いと感じるかもしれませんが、開けてみると納得の豪華な冊子です。
買うと製作のモチベーションが上がります。
エクセラのエレメントカラーは13色
- ゴールデンブラス【 OG 】
- アンティークブラス【 I 】
- ライトアンティークブラス【 OI 】
- アンティークシルバー【 H1、H3 】
- ブラックシルバー【 V3 】
- アンティークカッパー【 X 】
- ピンクゴールド【 QP 】
- ゴールド(本金メッキ)【 Q 】
- マットホワイトブロンズ【 C9 】
- シルバー(ホワイトブロンズ)【 C5 】
- ブラック【 X7 】
- ニッケル【 P 】
- マットニッケル【 PC 】
ゴールド系だけで4色、シルバー系だけで5色もあります。特にシルバー系は、一度に見比べてみないと違いがわからないくらいに繊細な違いを表現しています。
メーカーのこだわりが感じられるカラーバリエーションです。
左からブラック【 X7 】、アンティークブラス【 I 】、ゴールデンブラス【 OG 】、ニッケル【 P 】。
写真左から
ゴールデンブラス【 OG 】、ニッケル【 P 】、ゴールデンブラス【 OG 】、ブラック【 X7 】
ブラックはメッキがちょっと剥げやすいよ。
メッキが剥げた下から出てくるのは銅の赤茶色
エクセラのサイズ(エレメントの大きさとテープの幅が変わる)
エクセラファスナーには4つのサイズがあります。
サイズの品番が変わると、エレメント(金属部分)の大きさが変わるほか、合わせてテープの幅も変わります。
作る作品のサイズや作風に合わせてサイズを選びます。
テープ幅広タイプのエクセラファスナー
あと少しテープの幅が広かったらやりたいことが実現するんだ
そういう要望に応える幅広タイプがあるよ
キャメルのテープが通常のエクセラ#5、黒が幅広の#5です。マチを大きめにとったラウンドファスナー財布などに使えます。
選べる2種類|軽快なシングルと重厚なダブル
エクセラには2種類のエレメントサイズ(種類)があります。
シングルは1方向のみに動かせるファスナーで、ダブルは両方向に動かすことができ、スライダーを2つつけるダブルファスナー仕様にもできます。
「にも」とあるように、ダブルのファスナーをスライダー1つで使うことも可能。つまりスライダー1つで使うなら、シングルかダブルかは好みで選んでOKです。
シングル | ダブル | |
---|---|---|
印象 | ・繊細 ・華奢 | ・重厚 ・高級 |
すべり | なめらか | 重みあり |
価格 | ★ | ★★ |
エクセラファスナーを使うメリットは作品への付加価値
なんと言っても、エクセラを使うメリットはバッグや財布に付加価値を与えてくれること。
つまり、エクセラを使うだけで作品の見た目をぐっと格上げできます。
エクセラファスナーを使うと高級感が出る
エレメントの輝き、ダブルの重厚感とシングルの繊細さ、重みを感じるダブルの動きと軽快なシングルのスライダーの滑り。
どれをとっても上質です。
ファスナーは目立つ部分。
ちょっとの投資で大きなメリットが得られますよ。
エクセラが趣味のレザークラフターにこそおすすめ。その理由
趣味でレザークラフトをしてる方の中にも、エクセラファスナーに興味を持っている方がいると思います。
興味はあるけどまだ早いかなって
エクセラは初心者さんにこそおすすめ。ファスナーを扱えるなら問題なく使えるよ。
エクセラは最高級ブランドも採用する資材。
「高級品はどんな使い心地で使うと何が変わるのか?」
早い段階でこれを知っておくと伸びしろが大きくなります。逆に、高いレベルを知らないままでは成長の天井もそこまでです。
世の中には、質はいいけれど扱いがむずかしい上級者向け素材もありますがエクセラはちがいます。エクセラとスタンダードファスナーで、クラフトの難易度は変わりません。
むずかしいこと抜きにエクセラを使うだけでクオリティが上がります。
だからエクセラは初心者さんにチャレンジしていただきたい資材なのです。
エクセラにデメリットはあるか?
エクセラを選ぶデメリットについて考えましょう。
先に結論だけ書くと、コスト以外のデメリットはほぼ無し。
無理やり探せば、ダブルのエクセルの動きの重さが気になる方がいるかも?といったところ。
エクセラファスナーは価格が高い。スタンダードファスナーの6倍
スタンダードに対するエクセラの切り売り小売り価格は約6倍です。
仮にラウンドファスナーの長財布を作る場合、作り方によりますが必要なファスナーの長さは45~60cmくらい。
小売店の切り売りでエクセラを60cm購入すると、価格は約1,250円+送料です。
参考 エクセラファスナー 3号ダブル ゴールデンブラス(10cm単位売り)[ぱれっと]-楽天市場対するスタンダードファスナーの同店の価格は、メーター売りになりますが1mで約340円。同じ長さでそろえるとなんと6倍の開きがあります。
ファスナーは資材の中では高めの材料。原価を抑えたいならエクセラの値段の高さが痛手なのは間違いありません。
エクセラダブルの動きの重さが気になる?
先に書いておきますが、重箱の隅をつつくような意見で、無理やり探したデメリットです。
スタンダードのファスナーにくらべ、ダブルのファスナーは「ジジジ」とゆっくり重厚な動きをします。これが高級感があるなと私は感じますが、もしかしたら人によっては重いと感じるかもしれません。
ソース無し。
あくまでもそう感じる方もいるかもしれないという推測です。
逆説的に、エクセラにはそれくらいデメリットがないということです。
エクセラの兄弟「エクセラライト」はカラフルで軽量
エクセラライトは、エクセラ同様にエレメント1つ1つを磨いて仕上げた高級ファスナーです。
エクセラには実現できない発色豊かなメッキカラーが魅力。
なかにはこんな特殊なカラーも。
エクセラとエクセラライト(旧ルミナ)のちがいは素材
エクセラとのちがいは、アルミ合金でできているから軽量で、より鮮やかなカラーリングが実現できる点。
また、エクセラライトにはシングルはありません。すべてダブルです。
エクセラ | エクセラライト | |
---|---|---|
サイズ | #2 #3 #5 #8 | #3 #5 |
エレメント | シングル ダブル | ダブル |
素材 | 銅合金 | アルミ合金 |
重量 | エクセラより 軽い |
エレメントの形状に若干のちがいがあり。エクセラライトはエクセラよりも精度が高く平面的に削られています。
カジュアルなカラーがそろうエクセラライトもエクセラ同様におすすめ!
エクセラファスナーの買い方
エクセラファスナーの買い方はおもに3種類あります。
ファスナーの3種類の買い方|製品売り(既成/指定)、切り売り
エクセラファスナーの注文方法はおもに3つです。
ファスナーの買い方は3種類あります。
— デテログ (dete®の人) (@mkgx81) June 3, 2021
①完成品を買う
②長さを指定して作ってもらう
③半完成品を買って自分でカットして使う
①と②は買えるお店が限られますが、テープや金具の色、スライダーの組み合わせを選べるメリットがあります。
写真はYKKのエクセラ3シングルと生地見本 pic.twitter.com/03zdueNI7A
製品売り(既成品)
すぐに使える状態に仕上がったファスナーを購入する買い方。一番買いやすい方法で、まずはこのタイプを入手する方が多いのではないでしょうか。
※↑こちらのAmazonのファスナーは下止めを外した状態で販売しているようです。
製品売り(サイズ指定オーダー)
指定した長さで完成品を仕上げてもらう買い方。YKKの代理店に注文し、YKK工場で仕上げてもらった製品を受け取る仕組みです。
オーダーメイドなので自分が使いたい長さにぴったりで購入できます。
イワイ株式会社が運営するクイックファスナーや、ファスナー問屋のKファスナーなどで注文可能です。
便利ですが実は上級者向けの買い方。
慣れないうちは必要な長さの判断がむずかしく、買うときの長さ指定もちょっとむずかしい。
量産品を製作するプロはこの買い方をします。
切り売り
10cm単位や1m単位でカットしてもらったファスナーを購入する方法。
切り売りのファスナーは工場から出荷された状態で届くので加工が必要です。
手間がかかる分安い。
オーダーメイド製作や趣味のクラフトではちがった長さにカットすることが多くなるので、慣れてくればこの買い方が使いやすくなると思います。
ファスナーのムシを外す方法は専用器具でたたく方法やニッパーなどを使った方法があります。私のおすすめの道具はフジ矢の電工VAニッパ(ストレート刃)。
精度が高い作業ができ、テープを傷つけずに加工できます。
上止めと下止めというのはスライダーが抜けないように取り付けるストッパーのようなものです。
エクセラファスナーのサイズの選び方
どのサイズを選べばいいんだろう?
小物は#3、バッグは#5が私なりの基準。
作りたいものがお財布だったら、まずは#3を使ってみるといいかと思います。
マチ(厚み)を大きくしたいなら#5を。
大きめのポーチやバッグなら#5や場合によっては#8。
とはいえ、選び方は自由です。あえて小さいファスナーを使って繊細さを表現したり、逆に重厚感を強めてもいい。
まずは#3と#5を少なめに購入し、試して気に入った方でそろえるのが上手なお買い物といえるでしょう。
シングルを選ぶかダブルを選ぶか
ダブルとシングルどちらを選べばいい?
先にも書いた通り、スライダー1つで使うならどちらを選んでもOK。
上はエクセラシングル#3を使ったペンケース。
こちらはダブル#5を使ったクラッチバッグのようなポーチです。
同じサイズでもダブルとシングルでは金属部分のインパクトに差があります。
繊細なイメージにしたいか、重厚なイメージにしたいかで選ぶといいでしょう。
お試しに両方買ってみるのもアリです。
ファスナーの取り付け方法とコツ(メモ)
ラウンドファスナーのお財布作り。
— dete® (@mkgx81) June 8, 2021
ファスナーのスライダーに糸をくくりつけておくと組み立てる時に楽に引っ張り出せるのです。
ラウンドファスナーは人に教わったことがないので独学の自己流です✌ pic.twitter.com/8RCT309sYl
ラウンドファスナー財布作り。
— dete® (@mkgx81) June 9, 2021
今回はあえての手縫い仕立てです。
手縫いでファスナーを縫うのにはデメリットがあって、普通に行うとファスナー生地がダメージを受る場合が。
そうならないよう、ファスナーを貼る前に表裏の革に縫い穴を開けておき、縫い針で生地を貫通させながら縫い進めています。 pic.twitter.com/zdvGIbNYUw
ファスナーにボンドを塗るときは多めに塗るんです。
— デテログ (dete®の人) (@mkgx81) May 18, 2022
ボンドの種類にもよりますが、革よりも染み込みやすいので。 pic.twitter.com/NrvDp3hpFk
レザークラフト初心者の方は、ファスナーのカーブはどう貼るんだろう?って思いますよね。
— dete® (@mkgx81) June 10, 2021
まず大切なのはテクニックではなく長さ設定です。
貼る部分aに対してファスナー生地の長さa’を何㍉に設定するか。
カーブの部分はファスナーの方を長くします。
1㍉ごとに変えて試作すると勉強になりますよ。 pic.twitter.com/PhmEHRY1eq
エクセラファスナーについてのまとめ
エクセラとはどんなファスナーなのか?についてお話ししました。
まとめると、エクセラは革製品やバッグや財布に付加価値をあたえる高級ファスナーです。うつくしい輝きとなめらかな動きから、ファスナー界のロールスロイスとも言われるほど。
シングルとダブルの2種類がありますが、スライダー1つで使うなら好みで選んでOK。エクセラシングルは繊細さ、ダブルは重厚な高級感が魅力です。
バッグや財布などを作っているなら、ぜひ一度使ってみて欲しいです。きっと今までの作品とは見ちがえる仕上がりに驚くことでしょう。
YKK公式のカタログも見ごたえがあるのでよろしければチェックしてみてください(Wi-Fi環境推奨)。
ファスナーを購入する時は、まずは成品売りのファスナーを購入してみるといいでしょう。止めの加工が不要なので初心者でもかんたんに使えます。
慣れてきたら、切り売りのファスナーを買い、自分で長さ調節にチャレンジしてみましょう。自由に調節できるようになると世界が広がります。
この記事は以上です。長文お読みいただきありがとうございました。
コメント
こんにちは!時々読ませてもらい参考になります
エクセラのファスナーって耐久性的にはどうなんでしょうか?
普通のメタルと変わらないと聞きましたが実際はどうなんでしょう?
コメントありがとうございます。
肌感覚なので正確ではないかもしれませんが、耐久性はあまり変わらないと思います。
使ううちにスライダーの滑らかさが増しますが、これは削れているからなのでいずれ噛みが甘くなります。