先日アップしたインスタ投稿です。
9年前、ある方に「革職人が独立してやっていくなんて無理だよ。」と言われました。
実際無理だったかと言うと、おかげさまで令和元年11月の今日も革職人をしています。
- ムリと言われた後私はどう動いたか?
- 当時の私のように革職人として独立したい若い人がいたらどう声をかけるか?
についてお話しします。
「革職人が独立なんて無理。」と言われてそれから
まず簡単に経歴をお話ししておくと、私は会社員として職人をしていた経験はありません。
ムリと言われて発奮した私は、革製品を作って作って作りまくりました。
誰もやったことが無いことを模索し、いろんな方向性を試しました。
今にして思えば、製品の方向性はぶれぶれでしたが、それを経て少しずつ道が定まってきたように思います。
コネ無しキャリア無しの革職人が売れる為にしたこと(2010年当時の話)
※2010年時の話ですが、2019年現代でも大きくは変わらない部分です。
これで食べていくと決めたわけですから、きちんと売って儲けをださなくてはいけません。
SNSがここまで当たり前のものになるなんて誰も考えていなかった当時、ネットでの集客と言えばリスティング広告(Yahoo!やGoogleの広告)かSEO対策(検索で上位に表示させる為の対策)、それか雑誌や新聞の広告が主流でした。
ゼロからSEOを学ぶべく、本を読みネットの情報を漁り、有料のセミナーにも足を運びました。
ところが、セミナーの講義内容も本も、書いてあることは同じような当たり前のことばかり。
こんなのわかってるよ。他の事教えて!
と思ってしまいそうですが・・・
これは千利休の弟子とのやり取りからも学ぶことができます。
それは知っています。
もしこれらを全部できているというのなら、私はあなたの弟子になりましょう。
基本が大事というお話。
そんなもん?とか、そんなに時間かかるの?とか、いろいろ意見はあると思いますが、ハンドメイド界隈の方からは「うまくいっている良い例だ。」と言ってもらいました。
2019年、革職人で独立するならどうする?
SNS主体でやはりネットで露出を増やすかなと思います。
この☝記事はネットで売るならという目線で書きました。
個人でイベント出展する体力とか実店舗を出す財力があるならそれもいいかもしれませんね。私はあまり積極的にやっていませんが、受注会で成功している人もいるようです。
実際、対面販売が一番顔を覚えてもらえますし、お客さまと直接お話できると得る物が多いです。
例えば、商品に対するフィードバックをもらえたり、ファンになってくれやすかったり。
これは経験談で、HPやブログを構築しながら手作り市などにも出店する活動もしていました。その結果、商品に対してどんな反響をもらえるのかを知れたり、その後に繋がるコミュニケーションを取ることができました。
やってこれたのはお客様やサポートしてくれた人のおかげ
お客様の応援や感謝の言葉、家族や友人知人のサポートがあってこそここまでやってこれています。これからもよろしくお願いいたします。
きつい言い方ですが、出てもいない杭を打つ人って老害
自戒の意味も込めての言葉ですが、何かを始めようとしている他人に対して頭ごなしに否定する人って老害っぽい場合が多いように思います。
もちろん、その方も悪気があって言ったわけではないでしょう。
勝手な想像なので私の勘違いかもですけどね笑
私は30代も半ばに差し掛かり、革職人としてのキャリアも今年で9年目です。
若い職人の芽を摘まず、ガンガン育つ土壌を作ってあげられればと思います。
革職人で独立したい熱意ある人へ。私だったら何を伝えるか
熱意がある方は魅力的です。
余談ですが、先日、ビックサイトで開かれていた素材とファッションの展示会に行ってきました。
目的は、とある化学メーカーが開発中のヴィーガンレザーをこの目で見る為。
その会社の研究者の方とお話しさせていただいたのですが、事業に対する強い熱意が感じられ、それにつられて私のモチベーションも上がりました。
ともおっしゃっていました。
ぶっちゃけ、こういう社員ばかりだと普通の経営者は不安です笑
それでもこういう働き方を支えてあげる社長は立派ですね。
そして社員は幸せ。
熱意ある人を止めても大抵ムダ笑
家族や身近な人など、心配して止めてくれる人もいると思います。
とはいえ、すでに決意した人はリスクやデメリットも踏まえてその道を進んでいますよね。
説得されて別の道に進んだとしても、あの時やっていたらと後々後悔することになるかも。逆に説得されてよかったと思うことも?
未来予測はできないので結局は信じた道を進むのが一番かと思います。ありきたりな言葉ですが、そう思います。
失敗したらどうなるかの覚悟。それでもやるんですよね?
背中を押すようなことを言っておいてなんですが、失敗したらどうなるかの覚悟は必要。
もちろん実際にそうなるよって話じゃなくて、本当に言いたいことは『覚悟を持て』ということだったのでしょう。
でも、何だかわかるような気はします。
なお、失敗した時にどうなるかは年齢とか環境によりますので、各々考えましょう。
孤独にもなります。
「それでもやります?」
「本当に??」
やるなら私は応援します😊
まとめ
革職人が独立して食べていくなんて無理だと言われた私ですが、めげずに逆に発奮し、お客様や周りの人たちのサポートがあり、ここまで生きて来れました。
その時の言葉の裏にあった気持ちは、『この人は無理だろうな』だったのか、『とりあえず無理って言っておきたい』だったのか、『そういうやつをたくさん見てきたからこの人も多分ムリ』だったのか?
それらが混じった言葉だったのかもしれません。
発奮材料になったという意味では、良い言葉をもらえたのかなと思います。
でも、今落ち着いて考えてみても、「あの時かけてもらった言葉に愛は無かったなぁ。」と思います。
私自身がそうならないよう、自戒の意味も込めてこの記事を書いてみました。
その気持ちは大切にしましょう。
デテログは革職人を目指す方を応援しています。
2022年5月、ハンドメイド作家になるために必要な3つのスキルについて解説しました。
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コメント
このサイトをみて、勇気を頂きました!
私は今いる会社で人生を終わらせたくないとずっと思っていてそんな中レザークラフトに出会い、今、道具から集めようとしています!
はじめての事で失敗や成功も知らないですし、とても不安ですがとにかくやってみよう!行動してみよう!
と決めれました!
ありがとうございます!
とても勉強になるブログで勇気付けられます。
こちらの記事を拝見させていただいた上で、いくつか質問があります。
美容師をお辞めになる時、貯金はしていましたか?
現在私は、本業と平行して革作家を目指し商品を製作、販売しております。
ですが、どちらも疎かすることが出来ず、悩んでおります。
本業を辞めアルバイトをしつつ革作家としての腕を磨いていこうとおもっているのですが、
アルバイトも楽して稼げるものではありません。
deteさんはアルバイト時代どのように時間とお金を生み出していたのでしょうか?
このような相談をどこにして良いのかも分からずとても悩んでおります。
お忙しいとは思いますが、少しでも経験談をお聞かせいただければと思います。
こんにちは。
革作家を目指していらっしゃるのですね。
美容師時代はまったく貯金ができない状況でした。
その後一度実家に戻ってバイトしながら革もの作りをはじめ、少しずつ革に軸足を移していった感じです。
金銭面は実家で家賃や光熱費が浮いたことが大きかったです。バイトは月の半分で10万くらい稼いでいました。
会社員➡バイト兼業➡独立 の流れは私が同じ立場であったとしても一番に考える道だと思います。
ですが、今現在バイト兼業に移行して金銭面に不安があるようであれば、まだ時期尚早なのかなという感じもします。
革の方が売れるようになってお金の回りがよくなり時間も足りない。そうなったときにバイトに変える等革にシフトしていく方がリスクは少ないです。
また、リスクを取って思い切るメリットもそれほど多くないように思います。
どれくらいリスクが取れるかは年齢、家族の有無、社会的立場等いろいろな状況によるかと思います。
参考になりましたでしょうか。
今度記事にまとめてみようと思います。
貴重なお話しありがとうございます。
開業前のdeteさんと全く同じ動きは出来ないにしても、お話を聞いたことにより、自分の目標とすべき目安が少し分かった気がします。
おっしゃる通り、踏ん切りが付かないということはまだタイミングではないのだと自分で思いました。
今出来ることをやりつつ、その時を待とうと思います。
無理な質問にお答えいただきありがとうございます。
これからの記事も楽しみにしております。