雨の多い梅雨や秋雨の時期も、急な雨の日も、革の靴やバッグの雨対策は必須です。
この記事では、やってはいけない誤った防水スプレーの使い方と、やらなきゃヤバい雨対策を現役の革職人が直々にご紹介します。
防水スプレーの間違った方法
- 靴の中まで防水スプレー
- 汚れを落とす前にスプレー
- 粗悪な防水スプレーを選ぶ
これらがなぜいけないのでしょうか?順にご説明します。
1、靴の中まで防水スプレーしてはいけない理由
靴の内部に防水スプレーをしてはいけません。理由は、靴の中がムレムレになってしまうからです。
靴の中がムレムレになってしまう理由
では、靴の中に防水スプレーをかけると、どうしてムレムレになってしまうのでしょうか?
理由は、防水スプレーが、大切な吸水性と透湿性を無くしてしまうから。
これについて説明します。
どんな靴でもそうですが、靴の内装には、吸水性と透湿性の高い素材が使われています。
革靴で代表的な内装素材と言えば、羊革、山羊革、豚革の3種類で、いずれも、吸水性と透湿性が高い素材。
この内装に防水スプレーをしてしまうと、汗を吸わずにはじいてしまい、穿いている時間が長ければ長いほど靴の中は悲惨なことに。。。
2、汚れを落とす前にスプレー
汚れを落とさずにスプレーしても、防水成分がしっかり革にしみこんでくれません。
また、スプレーの液体と一緒に革表面の汚れがしみ込んでしまったり、固まってしまうリスクも。
こうなるとブラッシングでは落とせなくなってしまいます。
3、粗悪な防水スプレーを選ぶ
当店でおすすめしている防水スプーは、防水成分にフッ素を使用した物のみです。
シリコンを使用した防水スプレーは、革の透湿性を阻害してしまう恐れがある為おすすめしておりません。
くわしくは、別記事の[実験]シリコン入り防水スプレー&クリームを革用におすすめしない理由/使うメリットをご覧ください。
その他、あまりに安価な製品なども避けた方がいいです。
やらなきゃヤバい雨対策とカビ対策
悲報。カビの胞子は1年中どこにでもある。あなたの靴にも
カビの胞子は、無菌ルームにでも入らない限り、1年中、地球上のどこにいても空気中を舞っています。これは悲しい事実。カビは、目に見える菌糸だけではないのです。
清潔にしていないと、このカビの胞子がいつあなたの靴を脅かすことになるかわかりません。
だから、きちんとケアをしましょう。
雨の時期も含めて必須の靴のお手入れ
ブラッシングは必須です。気が付いたらやりましょう。
ブラッシングが雨対策?って思うかもしれませんね。ブラッシングが雨対策になる理由は以下の通りです。
靴は、雨水と一緒に汚れを吸ってしまう。靴は清潔に、雨も避けましょう。
優しくブラッシングしてあげることで、カビの胞子やホコリを靴表面から払ってあげることができます。
靴や、靴を置く環境を常に清潔にしておくこともとても大切です。
大切な靴は、できるだけ雨の降りそうな日は避けましょう。
濡れてしまったら
気を付けていても、急な雨に濡れてしまうこともありますよね。そんな時は、手遅れになる前に適切なケアを。
帰ったら風通しの良いところに置きましょう。
問題は、びしょびしょになってしまった場合・・・
びしょびしょに濡れた革靴のメンテナンス
濡れた状態で放置するのは危険です。型崩れ、匂い、カビの原因になります。
2.詰めた新聞紙が濡れたら新しいものに取り換えましょう。
完全に乾いたら、ゲル系のケア剤か、乳化性のクリームを塗りましょう。水と一緒に革の油分が抜け出ているので、ケア剤で補ってあげるのが目的です。忘れずに行いましょう。
仕上げにブラッシングで整えて完成です。
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まとめ
やってはいけない防水スプレーの使い方とやらなきゃヤバい雨対策の記事はいかがでしたか?
まとめると以下の通り。
- 靴の中まで防水スプレー
- 汚れを落とす前にスプレー
- 粗悪な防水スプレーを選ぶ
これらはやってはいけません。
正しい知識でお手入れして、愛用の革製品を長く使いましょう。
他にも防水スプレーや革製品のお手入れについて書いています。
防水スプレーの正しい使い方については☟こちら。
防水スプレーの選び方については☟こちらを。
疑問点やご意見などありましたらお気軽にコメントをお寄せください。
また、このブログで取り上げて欲しいテーマなどありましたら、そちらも合わせてコメントいただけると嬉しいです。
最後に、一緒に読むと役に立つ革のお手入れ記事をご紹介して終わりといたします。
それでは。
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