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レザークラフト用ローラーの使い方|効果と目的

レザークラフト用ローラーの使い方|効果と目的 レザークラフト道具

当記事はプロモーションをふくみます。

レザークラフトに使うローラーについてお話します。

道具セットに入っていたり、上手な人がSNSに上げる作業写真に写っていたりするので見たことがある方も多いことでしょう。

この記事のテーマ

ローラーって何に使うの?

初心者だけど必要ある?

良いローラーの選び方は?

などについてお話します。

プロフィール

革職人の経験を活かし、趣味のレザークラフターや革製品のトラブルに悩む方に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

・レザーブランド"dete"の代表
・出版書籍『革職人になる方法』Amazon手芸本1位獲得

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ローラーって何?どんな時に使う?

さっそくですが、これがローラーです。

いろいろな幅のローラーが用意されています。

レザークラフトグッズ大手のSEIWAでも扱っています。

ローラーを使うのはこんな時
  • 広い範囲に塗ったボンドを圧着したいとき
  • 伸びてゆがんだ革の矯正
  • 縫い目つぶし
  • シワ伸ばし

などなど。

デテログ
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具体的に解説します!

広い範囲に塗ったボンドを圧着したいとき

接着剤の効果を高めて強く貼るには圧着作業が必要です。

圧着には主に3種類のやり方があって、ハンマーで叩くか、ヤットコで潰すか、そしてローラーをかけるかです。

それぞれに特徴があるのでちがいについては革と革を貼る道具|ハンマー、ペンチ(エンマやっとこ)、ローラーをどう使い分ける?を読んでいただきたいのですが、ローラーの特徴は広い範囲に均一に力をかけられるところ。

手作業で圧着するなら幅広のローラーが欠かせません。

伸びてゆがんだ革の矯正

うすく漉いた(厚み加工)革は伸びやすく、扱い方によっては歪んでしまうことがあります。

そんなときは優しくローラーをかけて革を伸ばしてから正確にカットするといいです。

ローラーで縫い目をつぶして糸のすり切れを防ぐ

手縫いしたあとは縫い目をつぶしてあげることをおすすめします。

何のため?

デテログ
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糸の収まりを良くしてすり切れを防ぐ効果があります。

引っ張られた革も落ち着くので見た目もよくなりますよ。

やり方

大理石などツルツルの台の上に革を置き、ヘリから縫い目までの幅分だけローラーをかけます。

写真ではビニール板の上で行っていますが、金属や石などの板の上で行うとより効果的です。

手の力でかけるのではなく、体重を乗せて強くローラーをかけましょう

縫い目をつぶすときの注意点

  • ローラーを内側(コバと反対側)に傾けないように
  • 台の凸凹に注意

ローラーは平行よりほんのわずかに外側に傾けるようなイメージで使いましょう。

台にも注意が必要です。
凸凹した台などの上でローラーをかけると、凸凹の跡が革に残ってしまいます。使いこんだビニ板やカッティングマットも跡を残すことがあるので注意。

シワ伸ばし

タンニンなめし革は特になのですが、表を谷にして折るとシワが残ってしまいます。

端の部分のシワ限定ですが、ローラーを使ってシワを目立ちにくくすることができます。

大理石板などの上に革を置き、表裏からローラーをかけましょう。

この時、縫い目をつぶす時と同様に、コバ側にローラーの片側をはみ出させ、端が落ちるように気持ち傾けてかけるのがコツ。

こうすることで、ローラーをかけたところとかけていないところの境目に跡が残らなくなります。

ローラーって初心者も買った方がいい?

結論から言うと、必須ではないですが、使うことで仕上がりのレベルアップが図れます

縫い目をつぶすことで糸の収まりがよくなって擦り切れ防止に役立ったり、均一に接着できて見た目がよくなったりという効果が期待できます。

デテログ
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上達目指してぜひローラーを使ってみてください。

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ローラーを使うときの注意点

注意点
  • ローラーの端が作る「跡」に注意
  • 革の伸びとゆがみに気をつける
  • 圧着効果はハンマーより弱い

などなど。

ローラーの端が作る「跡」に注意

ローラーには、構造上避けられない欠陥があります。

それがこのローラーの端が作る跡。

ローラー幅よりも広い面にローラーを使うと、どうしてもこの跡が残ってしまいます。

上手に線を重ねてかけようとしてもむずかしいです。

この後が残るかどうかは革の種類によってもちがい、型押し革やシュリンク革なら気になることはほとんどありませんが、繊細な革(タンニンなめしのカーフなど)はとても目立ってしまいます。

断面が直角になっているローラーだと特に起こりやすいです。

角を落としたローラーならある程度軽減することができますが、それでも完全に防ぐのは困難。

広い面にローラーがけする時は、ローラー幅よりもおおきな板などを置いた上からローラーを使うなどの工夫が必要です。

革の伸びとゆがみに気をつける

革のゆがみを取る効果もあるローラーですが、無理に力をかけるとローラー自体がゆがみをつくったり革を伸ばしすぎてしまうことも。

効果の様子を見ながら少しずつ行いましょう。

圧着効果はハンマーより弱い

接着を強めるのにローラーは有効ですが、面で使うローラーは、点で力を加えるハンマーに比べると圧着効果が弱いです。コバの接着を強める為にはローラーよりもエンマヤットコやハンマーがおすすめです。

革と革を貼る道具|ハンマー、ペンチ(エンマやっとこ)、ローラーをどう使い分ける?
ハンマー、ヤットコ、ローラーは、場面場面で使い分けましょう。コバの接着ならハンマー、浮いた部分や凸凹の部分ならペンチ、広い範囲をべた貼りするならローラーがベター。

関連記事 革と革を貼る道具|ハンマー、ペンチ(エンマやっとこ)、ローラーをどう使い分ける?

ローラーの選び方。ココを見よう

良いローラー
  • 回転のぶれが少ない
  • 力をかけてもゆがまない強度がある
  • エッジが落としてあると嬉しい
  • サビにくい素材

回転のぶれが少ないローラーは良い

ローラーは価格で品質に差が出やすい道具です。

高価なローラーは内部にベアリングが使われていて、回転が滑らかでブレも少ないです。

もし予算がゆるすなら、できるだけ良い道具を使いましょう。

力をかけてもゆがまない強度が欲しい

ローラーは、がっつり体重をかけて使う場合もあります。

ゆがんでしまったり折れてしまったりすることがないよう、造りがしっかりした道具を使うと安心です。

エッジが落としてあるローラーは安心して使える

先ほどの注意点でも書いたとおり、ローラーのエッジで革に跡が残ってしまうことがあります。

あらかじめエッジが落とされたローラーなら、完全ではないにしてもある程度跡が残ることを防ぐことができます。

右のローラーはあらかじめエッジが落とされている
デテログ
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自分でローラーのエッジを削ってしまうクラフターもいます。メッキが剥げてしまうので自己責任でどうぞ。

用途ごとにサイズ違いを用意すると便利

広範囲の貼り合わせ用、ステッチ潰し用など、用途に合わせていくつか持っていると作業効率が上がります。

deteで使っているローラー

現在二種類使っています。

片口ローラー 90mm ― 大戸糸店

大きなパーツを貼り合わせるのに使う幅広のローラーです。

ロール 上 50㎜ ― 安井商店

普通サイズのローラー。
幅がせまいパーツの貼り合わせや縫い目つぶし、革のヨレ延ばしなどに使っています。

次の選択肢として、縫い目をつぶす専用の超幅せまローラーの購入を検討中です。

👎不良品?鉄粉が落ちるローラーも

私が最初に使ったローラーは、お世辞にも高品質とは言えないもので、使っていると鉄の粉が出て革を汚してしまうことがありました。

キコキコ鳴っていたので、ローラー内部で摩擦がかかっていたのでしょう。

鉄はタンニンと反応してタンニンなめし革を黒く変色させてしまうため大敵です。

参考 【実験】鉄で黒くなったタンニンなめし革をクエン酸でクリーニングする方法

デテログ
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プロの間でも、ローラーは良い物をと言う職人さんが多い印象です。

ローラーのお手入れ方法は?

うす~くミシンオイルを塗り、やわらかい布でしっかりとふき取ってあげましょう。

油が残っていると革を汚してしまうので注意。

例えステンレス製であっても、使い方や保管状況によってはサビてしまいます。

そうならないよう、湿気の多い所に保管するのは避けるとか、梅雨時期などは特にお手入れに気をつけるようにしましょう。

また、ローラー面のキズが革に跡をつけてしまう恐れがあるので、ローラーの保管時にキズをつけてしまうことがないよう気をつけましょう。

この記事は以上です。

レザークラフト上達を目指すクラフターさんの参考になればうれしいです。

他にも、レザークラフト脱初心者|裏地を付けるメリットと選び方や、クラフト用ヌメ革販売店〔ネットで買える〕まとめ|買い方と注意点革の勉強をしたいなら一度でいいから半裁とダブルショルダーを買ってほしい理由3つなど、レザークラフトを趣味にする方向けの記事を書いているのでよろしければご覧ください。

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コメント

  1. なさかがま より:

    ローラーで台の跡がつくって事は型押し的なのできて、もしや葉っぱとか刻印的なのも簡単にできるのでは…?

    • dete より:

      なるほど・・・
      硬い物ならですが、革の下に敷いてローラーをかければ刻印的な使い方ができるかもしれませんね。

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