2020年から取り扱いを始めた、とある革について。
先に言います。
この革はヤバいです。
- 味が出る革が大好きな方
- deteの革製品をご利用くださっている方
- 革のブックカバーに興味がある方
この革、革の楽しさ詰め込みすぎだろ・・・|新素材【味カーフ】で文庫本カバーを作った
私どもdeteでは、現在20種類以上の革素材を扱っています。
その他、過去に出会い検討した革はそれこそ数えきれないくらいあり、その中には良い革もあればそうでない革もありました。
これから紹介するこの革『味カーフ』は、ここ2,3年の中では間違いなく一番のヒットです。
- 経年変化ヤバくて楽しい
- 味出るのに意外と汚れやキズに強い
- 手ざわりよくて読書に集中できない(いい意味で)
- カラーがそれはもう絶妙
この革で作ったブックカバーや財布の写真とともに紹介します。
味カーフのスペック
- なめし:コンビなめし
- 仕上げ:素上げスムース
- 原皮:欧州産子牛
- 製造国:イタリア
- 染色:染料(顔料不使用)
コンビなめしは、クロムなめしとタンニンなめしの中間の性質を持った革です。
なめしについて詳しくはクロムなめし革とは?タンニンなめし革&ヌメ革との違いを。
染色については顔料を使っている革は悪い革?染料と顔料のメリットとデメリットをご覧ください。
経年変化ヤバくて楽しい
使い込めば使い込むほど、色艶が良くなり、革の成長を見ながら楽しんで使うことができます。
革に詳しい方ならこう思うかもしれません。
普通のヌメ革と何が違うの?
ご説明します。
ツヤの出方が違います
きめ細かいカーフ(子牛)だから、経年変化のツヤもキメ細かくなめらかで美しい。
アイロンやグレージング(摩擦)で作った平坦さではなくナチュラルなキメの細かさだから高級感があるのです。
経年変化が早い
ヌバックに近い(ヌバックではないけどかすかに毛羽立っているような感じ)ので、さわるとすぐにツヤが出始めます。
だから、使い始めてすぐに、日々変わる革の変化を楽しめます。
味出るのに意外と汚れやキズに強い
経年変化が楽しめるというのは、一歩間違うと黒ずんで汚くなってしまうこともある。
好みの問題ですが、汚い財布って女性ウケなんかは微妙ですよね😅
この革は、コンビなめしという製法で作られていて、味が出る革なのに、ヌメに比べるとキズや汚れがつきにくい。
これは大きなメリット。
手ざわりよくて読書に集中できない(いい意味で)
キメが細かい革なので、手ざわりもなめらか。
『革をなでる』という新たな楽しみさえ生み出しそうな、質感豊かな革素材です。
ブックカバーにすると、読書に集中できなくなるくらいに革に惹きこまれてしまいます。
カラーが絶妙
カラーがまた絶妙なところをついていて素敵です。
現時点(2020年5月時点)では、ボルドー、オリーブ、ブラックの3色をご用意しています。
ボルドーは深みがあって鮮やか、オリーブはマニッシュな雰囲気、ブラックは落ち着きをもたらすニュートラルな黒です。
使い込むと色が濃くなっていく傾向があります。黒はツヤが増すのみで色合いに大きな変化はありません。
靴職人泣かせ?問屋の営業さんからの情報
この革で吊りこみ(靴のメインの甲になる革を伸ばして底に付ける工程)をしたところ、革が裂けてしまってとてもむずかしかったということでした。
この革、カーフらしいしなやかさはあるのですが、ハリがあってあまり伸びないんですよね。(だから小物を作るのに良い)
その関係で吊り込みの職人は苦労しているようです。
でも、海外ではこの革で靴作りが行われているわけですから、きっとうまいやり方があるはず?(私は靴には詳しくない)
この革が向いている製品は?―革小物全般
ブックカバーはもちろん、財布や名刺入れなど小物全般にマッチする素材です。
小物に向いているといえるゆえんは、革のキメが細かく、繊維密度が非常に高いから。
だから、薄く漉いても丈夫で型崩れしにくい。
ブックカバー以外にも早速商品にしたので紹介します。
商品紹介:名刺入れ
名刺入れにも最高です。
品良くお使いいただけるのでビジネス用途にもぴったり。
名刺入れに使っても問題ないレベルの堅牢度に仕上がっています。
商品紹介:ミニ財布
カジュアルに使えるミニ財布にもGood。
名刺入れとは違い、使うと生まれるシワやたるみもデザインに活かしています。
革の扱い方で印象が変わる件については別記事で書いています。
商品紹介:文庫本ブックカバー
この記事で紹介してきたブックカバー。
deteでは2010年から様々な革でブックカバーを作ってきましたが、その中でもこの味カーフはブックカバー用として特に素晴らしいと思います。
味カーフのヤバさまとめ
ブックカバーを例に、イタリアンレザーの「味カーフ」の素晴らしさを伝えてきました。
おろしたてはデリケートなので作り手側からするとむずかしい素材ではありますが、とにかく使って楽しい革です。
もう一度まとめます。
- 経年変化ヤバくて楽しい
- 味出るのに意外と汚れやキズに強い
- 手ざわりよくて読書に集中できない(いい意味で)
- カラーがそれはもう絶妙
これ以外にも、繊維が密だからコバがきれいに仕上がるというメリットもあります。
ブックカバーや名刺入れはコバの美しさもお楽しみください。
紹介した商品
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