曲げるパーツに革の裏地を付ける場合、「表と裏の寸法」と「貼り方」、そして「厚み」に気を配る必要があります。
平面にべったりと貼り合わせてしまうと、きれいに曲げることができなかったり、嫌なしわが寄ってしまったりします。
今回は、美容師用シザーケースS09-5を例にとってご紹介します。
曲げ貼りの方法
この製品の場合、縦に曲げ貼したところをさらに横に曲げ貼りするというちょっと複雑な構造になっています。
きれいに貼れると、内装がふっくらと浮き上がります。
普通のバッグでは裏地はぺらぺらな場合が多いですが、この製品は、表革と裏地両方で強度を保つ作りです。その為、裏地にもある程度の厚みが必要になります。
裏地が厚いと曲げ貼りもしにくい。
気を使いながら慎重に貼ります。
裏地は浮かせて貼っている(縫製部分だけを貼っている)ので、曲げた部分に穴を開ける場合、「どのような状態で」開けるかが問題になります。
下手をすると、表地と裏地の穴が合わなくなります。
理想は、実際に使う時に、正しく収まる(表の穴と裏地の穴がぴったり合う)位置に開けること。その為に、穴を開ける時に、使用時の曲がり具合を作った状態で開けます。
平らに置くとずれています。これが正しい位置です。
このように。
このように。
縫う時も曲げた状態で縫うことを意識します。
まとめ
貼り方以外にも、端の処理や全体の強度、素材の選定など、譲れないポイントは挙げたらキリがありません。美しくなるよう、丈夫になるよう頭を悩ませながら作っています。deteのシザーケースを使うお客様に、より一層の愛着を持っていただけたら何よりでございます。
そして、レザークラフトを趣味とする多くの方にとっても、少しでも参考になっていたらうれしいです。
レザークラフトの裏地の種類や考え方についてはこちらでも書いています。
裏打ちについてはこちらで。
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