レザークラフトをしている方に向けて書いています。
革製品をボールペンのインクで汚してしまった方はこちらの記事☟をどうぞ。
革に印を付けるとき、フリクションのボールペンを使えば後で消せてサイコーなのでは?
と思い、実験してみました。
- フリクションは革の印付けに使えるか?
- レザークラフトにおすすめの印付け道具
先に結論を書いてしまうと、フリクションを革の見える部分に使うのはおすすめできません。
実験の詳細と革の印付けに使えるおすすめ道具の紹介もしていくので是非ご覧ください。
革にフリクションを使うとどうなる?
パイロットのこすると消えるペン「フリクションボール」で試しました。
革に書いたフリクションのインクは消せる?
まず消せるかどうかですが、これは消せます。
ライターであぶったら見えなくなりました。
フリクションのインクは冷やすと復活する?
問題はここからです。
一度消えたフリクションを冷やしたら元に戻ってしまうのでしょうか?
やってみました。
見ての通りです。
復活してしまいました。
何℃に冷やすと復活する?
先ほどの実験では、冷凍庫に30分ほど入れておいたら復活していました。
復色温度(-20 °C)を下回る環境では消した内容まで復活する。
じゃあ普通に関東や関西の平地で使う分には平気かなと思ってしまいそうですが、
季節にもよると思いますが、冬場は浮き出やすい気がしますね。
— ハンドメイド工房 Zin (@leathercraftzin) August 1, 2020
特に、擦らずドライヤーやライターで消した場合。
アルコール系ウェットティッシュで擦った方が、確実に消えた様な。
消し方が影響するというご意見も。
-20℃に達していなければ大丈夫とは考えない方が良さそうです。
実験のまとめ
革に付けたフリクションボールの印は温めると消えるけど、冷やすと復活する。だから見える部分の印付け用には使えません。
ここからは、レザークラフトで印付けをする時におすすめの道具を紹介します。
革の印付けに使える道具
フリクションをレザークラフトの印付けに使うのはむずかしそうです。
では、革職人は革に印を付けるとき、何を使っているでしょうか?
私のケースで恐縮ですが紹介します。
- 油性ボールペン
- 銀ペン
- ディバイダ
- コンパス
- とがった丸目打ち
- 先を丸めた丸目打ち
- ヘラ
油性ボールペン
明るい色の革なら普通の黒や青のボールペンが使いやすいです。
水性とかゲルインクはどうですか?
水性は乾きが遅く、また革によっては吸い込まず表面に残ることがあり、革を汚してしまうことがあります。
こういう理由でおすすめしません。
ゲルインクは水性よりは乾きが早いですが、それでも油性の方が使いやすいと思います。
削った革についていたゲルインクで革を汚してしまった経験があります。
最初に紹介したフリクションボールは、見えない部分の印付け用にはとても優秀です。
一度消えても冷えると復活するから見えるところの印付けには使えないでおなじみのフリクションボールですが、見えない部分の印付けには優秀。
— dete® (@mkgx81) November 8, 2021
比較的床面にインクが乗りやすい。
革との相性があってなかなかいいボールペン見つからないんです。 pic.twitter.com/cmLU1iXTyF
銀ペン
色が濃い革はボールペンの印が見えにくいです。
そして、水や油を吸いにくい革もボールペンのインクは乗りにくい。
そういう場合は、銀ペンを使うといいです。
色が濃い革、水や油を吸わない革の印付けには銀ペンが有効です。 pic.twitter.com/O6QqhWa90L
— dete® (@mkgx81) November 8, 2021
ディバイダ
レザークラフトに対応したものを選びましょう。
製図用のディバイダは力を入れると簡単に動いてしまい、革には使えないものが多いです。
☝例えば、商品名をあげてしまって申し訳ないですが、このステッドラーのコンパスなどは革の印付けには不向きなので注意してください。
他には、こんなかっこいいディバイダもあります☟
引用元 DTディバイダー 楽天市場
革の手縫いの定番ツールのネジネンもディバイダの一種と言えるかもしれません。
コンパス
床面(革の裏)に印を付けるときはディバイダでは印ががわかりにくく、ボールペンを挿したコンパスが必要になります。
これに鉛筆軸のボールペンをセットするのが最強です。
とがった丸錐と丸めた丸錐
丸錐は、新品のとがった状態のものと、やすりを使って自分で丸めたものの二種類使っています。
基本的にはとがった方を使いますが、丸めた方は、ミシンのラインをけがくのに使ったり、コバにインクをつけるのに使ったりします。
とがった状態でミシンのラインをつけようとすると革を傷つけてしまいます。
ヘラ
先を丸めた丸錐と同じように、革の銀面(表)に線の跡を付けるのに使います。
丸錐よりも力を入れられるので、しっかりと線を入れたい時に使います。
まとめ。フリクションは革の印付けに使えるか?
革にフリクションを使うとどうなるか?について書いてきました。
フリクションは革の印付けに使えるかどうかの結論☟
フリクションは見える部分の印付けには使えない!
見えない部分に使うことはできます。
でも、それだったら普通のペンでもいいのでは?となってしまします。
見えない部分で、一時的に付ける印に使う。
とか
暖かい地域で自分で使うから平気
といった使いかただったら問題ないです。
少々残念な結果になりましたが、同じことをやってみようと考えた方には参考になる内容になったのではないでしょうか。
革への印付けは見える部分には行わないのが正解です。
- 油性ボールペン
- 銀ペン
- ディバイダ
- コンパス
- とがった丸目打ち
- 先を丸めた丸目打ち
- ヘラ
私が仕事で使っている革製品作りの道具は、レザークラフト道具全部まとめ〈革のプロが使うおすすめ〉で書いています。
記事の内容はここまでです。
他にもレザークラフト関連、革のお手入れやあつかい方について書いています。
たとえば、
や、
や、
など。
過去の自分が知りたくても見つけられなかった情報を意識して書いているので、同じように革について知りたい方には役立てていただけるのでは無いかと思います。
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