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レザークラフト製作中にクリームを塗る理由と効果

レザークラフト講座

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レザークラフト製作中にクリームを塗る理由と効果

レザークラフト製作中にクリームを塗る理由と効果
製作中にクリームを塗るのはこんな時
  1. 硬い革を曲げる(折る)時
  2. 汚れから守りたい時

メインの理由は、1⃣の硬い革を曲げる(折る)時です。
具体的に解説します。

1⃣硬い革を曲げる(折る)時

硬い革を曲げる(折る)時にクリームを塗ることがあります。

塗る理由は、革の銀面(表面)が割れるのを防ぐ為。

革を無理に曲げる(折る)と割れることがある

硬い革を無理に曲げると、曲げた山の部分が無理に伸ばされて銀面が割れてしまうことがあります。

例えば、割れやすいのは☟こういう部分。

このパーツは割れリスクが大きい。

ヘリ返した後に、ヘリ返しの向きとは垂直の方向に曲げて金具を挟んでいます。

硬い革をそのまま作業すると、革が割れてしまう恐れがあります。

これを防ぐ為に、予め揉んで柔らかくしておいたり、繊維の向きに気を使ったり(※1)、厚みのコントロール(※2)をするのですが、それだけでは限界があります。

※1)革の繊維には流れ(向き)があり、伸びにくい方向に無理に曲げたり折ったりすると非常に割れやすいです。

※2)漉き機や彫刻刀で溝を掘る、掘らずに目打ちで折りグセを付けるなどします。
彫刻刀は義春刃物 よしはる彫刻刀  7本組を使っています。

そこで、クリームの油分や水分を利用して一時的に革を柔らかくし、革が割れるリスクを抑えます。

クリームが革を柔らかくする

クリームに含まれる油分が革を柔らかくします。

柔らかくなった状態なら、革を折ってクセ付けしても割れにくくなり、製作の可能性を広げることができます。

革の柔化におススメのクリーム

詳しくは後で解説しますが、ざっくりとおすすめを書いておくと、サフィールかエム・モゥブレイのデリケートクリームが使いやすいです。

おすすめ商品

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メーカー推奨は皮革柔軟剤?

コロニルの代理店の営業の方に聞いたところでは、革を柔らかくしたいなら「ストレッチ」という商品名の柔軟剤が良いのでは?とのこと。

うちにあるのは旧ラベルのもの

試してみましたが・・・

ぶっちゃけコレジャナイ感が。

この商品の正しい使い道は、泡で出てくるこのストレッチを靴に付けて、ストレッチャーで革を伸ばすこと。

中身は?
成分 : 水性溶液、アルコール界面活性剤、噴射剤、ブタン、プロパン

ブタンやプロパンはスプレーに一般的に使われている噴射剤なので、有効成分は水性溶液とアルコール界面活性剤。

アルコール界面活性剤とは?☟

界面活性剤が、動植物性油脂や石油から精製される高級アルコールからできている●「高級アルコール」とは、品質が高級ということでなく、炭素の数が12〜18個からなる油のことを指す●水に溶けやすく、皮脂や油汚れに高い洗浄力を発揮

引用元 洗剤基礎知識

界面活性剤が入っている理由は、『ただの水より泡状の方が垂れないし伸ばしやすい。つまり使いやすいから』それだけだと思う。

水性溶液は何なのか?

推測ですが、『革に浸透しやすい性質に調整した水』なのではないかなと。

まとめると

靴を伸ばすには使いやすそう。でも、レザークラフトには不要。

あと、匂い強すぎ・・・

水じゃダメなの?

疑問がある女性

革を柔らかくするなら水でもいいのでは?

ぶっちゃけ、一時的に柔らかくするだけなら水でも十分です。
でも、それだと、垂れるから使いにくい。
それに、数十分から数時間もすれば乾いてしまい、乾く時に革に負荷がかるのが心配。

ミコガイ
ミコガイ

濡れた状態では問題無くても、乾いた時に割れるかもしれません。

油分は水より革にとどまる期間が長いです。
その為、揮発して乾いてしまってもそのころには革にクセが付いているので、すぐに割れてしまうことは起こりにくいです。

2⃣汚れから守りたい時

これはあまり多くないケースですが、汚しやすい革の場合、製作前にクリームや防水スプレーで保護してから取り掛かることもあります。

クリームのロウや油分、防水成分が革を保護し、製作時に汚れが付くのを防ぎます。

製作前にクリームや防水スプレーを塗る際、いくつか注意点があります。

あらかじめ革にクリームを塗る場合の注意点
  • 染色前に使わない
  • コバに付けない
  • 接着する面に付けない

防水スプレーやクリームは水をはじく物質を含んでいるので、染料で染める場合や、仕上げ前のコバにつけてはいけません。

私の失敗談
コバに染料を入れる前に防水スプレーをかけたところ、防水スプレーの効果で革の表層近くが染まらなくなってしまった経験があります。
この時、コバ断面にはスプレーしていません。

また、防水スプレーや一部のクリームに含まれるフッ素やクリームに含まれる油分は、接着剤の効きを弱くします。

接着面に付けないよう注意しましょう。

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製作中に使うのにおすすめのクリーム&オイル

製作中に使うのにおすすめのクリーム&オイル

私は用途に合わせて2種類使っています。

おすすめ
  • ポイントで使う:デリケートクリーム
  • 広範囲に使う:ニートフットオイル

ポイントで使うのにおすすめ:デリケートクリーム

ポイント使いでおすすめなのは、水分量が多いクリーム。
いわゆるデリケートクリームです。

水分量が多いクリームを使うメリットは二つあって、革に浸透しやすいことと成分が濃すぎないので革に対する影響が強すぎないこと

塗りやすく、初心者の方にも扱いやすいのもポイントです。

おすすめ商品:デリケートクリーム

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これらのどれを使っても問題ないです。
迷った時は、普段使いでの機能を含めて選ぶといいのではないでしょうか?

ざっくりとした違いは、成分が濃くて効果が大きいのはサフィール、モゥブレイとコロニルはさっぱりとした付け心地。
モゥブレイは保湿に力を入れており、コロニルは汚れ落としをうたっています。

広範囲に使うのにおすすめ:ニートフットオイル

手帳や財布の背など、広範囲に使うなら、クリームよりも液状のオイルの方が塗りやすくおすすめ。

いろいろと種類がありますが、ニートフットオイルが手に入りやすく、使いやすいです。

おすすめ商品:ニートフットオイル

この二つで品質に大きな差は無いと思います。

※他社商品の中には、鉱物油を混ぜた商品もあります。
混ぜている=低品質とは言えないと思いますが、今回の用途では避けるのが無難です。

ニートフットオイルは塗り過ぎ注意

ニートフットオイルは使い方に注意が必要です。

布などにとって延ばそうと思うと、ついつい塗り過ぎてしまいます。

私が推奨する塗り方は、ブラシに染み込ませて、ブラッシングしながら少しずつ革全体に広げる方法。

こちらの記事☟で詳しく説明しています。

まとめ

レザークラフト製作中にクリームを塗る理由と効果について書きました。

まとめると、革を曲げたり折ったりする際に革が割れるのを防ぐ為にクリームを使うことがあります。

クリームの油分と水分で硬い革を柔らかくすることで、製作の幅を広げることが可能。失敗のリスクも減らせます。

多くの場合は曲げる部分だけのポイント使いになると思いますが、広範囲に使うならニートフットオイルを使うのも方法の一つです。

塗り過ぎに注意して、ブラッシングしながら少しずつ塗り込んでいきましょう。

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