レザークラフトに使いやすい文鎮はどれ?
型紙を革の上で押さえるのに使う文鎮は、地味ですがきちんと選びたい道具の一つ。
この記事では、私がいくつか使って最終的に選んだ文鎮、おすすめできない文鎮、まだ使ってないけどよさそうな文鎮を紹介します。
最初に、うちで使ったことがある文鎮を紹介。
ペレット大
もっともよく見かけるタイプ。
プエブコの靴型ペーパーウェイト
アイレット打ち具土台(文鎮ではありません)
レザークラフト/手芸用文鎮はペレット大が最適
いきなり核心について書くと、レザークラフト用の文鎮でおすすめはペレット。
それ以外は自然と使わなくなりました。
伝えたいことはこれで済んでしまいましたが、ペレットのどこがいいのか?他の商品はダメなの?ダメならどこが?についてここから解説します。
ステーキ用ペレットが最適な理由
まず前提として、先ほどから書いていますが、ペレットは文鎮や重し目的で作られた商品ではありません。
引用元 wowma!トキワペレット
これです。ステーキ皿に置いて提供し、客は肉をこのペレットに押し付けて、自分好みに焼いて使います。
では、どうしてこの食器がクラフト用文鎮に最適なのか?
ペレットが最適な理由
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持ちやすい
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錆びにくい
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面積当たりの重さが重い
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接地面が広い
持ちやすさ
ペレットの形は、文鎮用途として作ったのでは?と不思議に思うくらい持ちやすい絶妙な傾斜。
レザークラフトに最適なペーパーウェイトはこれだと思っている。
実はこれ、文鎮のたぐいではありません。
正解は‥ pic.twitter.com/b7o3Nz607I— dete (@mkgx81) February 26, 2020
錆びにくい
専用として売られている丸型文鎮よりも錆びにくい。
ペレットは食器として売られているから当然と言えば当然です。
面積当たりの重さ
ペレットは、他の文鎮と比べて、面積当たりの重さが重い。
この重さ(力)は接地圧というもので、kN(キロニュートン)の単位で表記されるようです。
この接地圧の数値が大きいほど、一点集中で重さがかかる。
つまり文鎮としてのサイズ対効果が高いということになります。
計算して比べてみた
一押しのペレットと丸型文鎮を比べてみましょう。
- 重さ0.69㎏
- 接地面面積 約0.0034㎡
0.69÷0.0034=202.941…
接地圧 約202.9kN/㎡
これに対して、
- 重さ約0.36㎏
- 接地面面積 約0.0023㎡
0.36÷0.0023=156.521…
接地圧 約156.5kN/㎡
接地面が広い
同じ重さなら面積が小さい方が接地圧は強くなりますが、それとは別に、接地圧が同じなら接地面が広い方が型紙をしっかり押さえてくれます。
接地面が広くて接地圧も強いとなると、それだけとても重くなってしまいますが、このペレットは重すぎず、ちょうどいい塩梅になっていると思います。
偶然とはいえ、素晴らしいデザイン設計です。
クラフト用文鎮その他の選択肢
『私はまだ使っていないけれど作業に良さそうな文鎮』を紹介します。
製図用 皮付文鎮
スエード調の合皮で巻かれているので錆びの心配はありません。
- 重さ約1.00㎏
- 接地面面積 約0.0061㎡
1.00÷0.0061=163.934…
接地圧 約163.9kN/㎡
ペレットに次いで3番目の接地圧です。
ペレットよりも接地面積が広いので、安定感はこちらも負けていないかもしれません。
清原 バッグマイスター 文鎮
引用元 公式サイト
大きなハンドルが付いた文鎮。長さ約13cmの大型です。
- 重さ約1.50㎏
- 接地面面積 約0.0071㎡
1.00÷0.0061=211.267…
接地圧 約211.3kN/㎡
実はかなり使いやすいのでは?と思っているのですが、重さがなんと1.5kg!
頻繁に載せたりどかしたりしてたら、非力な私だったらすぐに腰やっちゃいそうです。
接地面当たりの重さの接地圧は№1です。
バッグ用もしくは粗裁ち用と考えれば便利そうなので、もしかしたらいずれ購入するかもしれません。
プエブコ
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みんな大好きプエブコのペーパーウェイト。
個人的に、前々からこれはいいデザインだなと思っていた商品です。
使いやすそうなのですが、若干軽いかもしれません。
- 重さ約0.50㎏
- 接地面面積 約0.0035㎡
0.50÷0.0035=142.857…
接地圧 約142.9kN/㎡
ナチュラルは塗装ナシだそうなので、ウェイトとして使う際にはホワイトを選んだ方が無難です。
プエブコのペーパーウェイトは☟の靴型のものを所有しています。
これはおもりとしては軽すぎて使えません。見た目はとても好きなのですが。
今では廃盤らしく、三軒茶屋の直営店に行っても置いていませんでした(2020年2月時点)。
KAWAGUCHI ソーイング用文鎮
KAWAGUCHI ソーイング用文鎮は持ちやすそうな形状が魅力ですが、面積当たりの重量が軽すぎるかもしれません。
- 重さ約0.36㎏
- 接地面面積 約0.0028㎡
0.36÷0.0028=128.571…
接地圧 約128.6kN/㎡
おすすめできない文鎮
アイレット打ち台をウェイト替わりに使うのはおすすめできません。
アイレット打ち具土台
理由はとにかく錆びるから。
ギュッと詰まった重さがあり安定感があるのでつい使ってしまうのですが、サビさせてしまうと、アイレットを打つときに錆が革についてしまう恐れが。
文鎮が不要になる型紙押さえ
ここまで文鎮について書いてきてなんですが、そもそも文鎮無しで型紙を押さえる方法もあります。
使い方については別の記事で。
全てのレザークラフター、革職人必携アイテムだと思います。
クラフト用文鎮のまとめ
奇跡的な持ちやすさで、なおかつ接地面当たりの重さも十分。
見た目を考えるとやはりプエブコですね。
より重い物が欲しいなら製図用 皮付文鎮を。
さらに重くて大型の文鎮が欲しいなら、バッグマイスターが最有力。
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文鎮がいらなくなる?型紙押さえもあります。
地味な内容でしたが、こだわりだしたら文鎮だっておもしろい。
それがレザークラフト沼へ。
ようこそこちらへ😊
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