この記事では、ハンドメイド商品の価格設定についての考え方を書いています。
ママ友からオーダーもらったんだけど値切られた。これって仕方ないの?
ハンドメイドモールで作品売りたいんだけど、自信ないし最初は安くした方がいい?
そんな疑問にお答えする記事です。
この間、こんなツイートをしました。
ハンドメイドでものづくりを始めた頃、知り合いから格安で注文を受けていました。そのころ学んだこと。
1️⃣安くすればするほどこちらの評価は下がる
2⃣安くするよりも、付加価値を追加した方が感謝される写真はお蔵入りしたdeteの初期プロトタイプ。#レザークラフト #ハンドメイド #副業 pic.twitter.com/tDRerGk6Py
— 御子貝康|dete (@mkgx81) August 21, 2019
ハンドメイド品の販売は安売りすると失敗する2つの理由(経験談)
早速ですが、この記事でお話したいことは表題の通り。
ハンドメイド品を売るなら、安売りはNGです。
理由は以下の通り2つ。
- 安売りすればするほどこちらの評価が下がる
- 安売りしてもさほど喜ばれないが、付加価値を高めると喜ばれる
安い方が売れるじゃん
という意見もあるでしょう。それも正しいです。
今回お話するのは、あくまでもオーダーメイドでの話。
既製品なら戦略的な価格設定もアリですよ。
私の駆け出しの頃の経験談を交えながらお話していきます。
ハンドメイド販売の値段 経験談1⃣ 値切ってくる友人~安ければ買う
長らく連絡をとっていない同級生から連絡が。
私「少しだけどできるよ。これくらい。」
同級生 音信不通
私 😇
ここまで露骨なケースって稀ですが、無くはないです笑
私は普通に仲良くしている人から値切られたりはないですが、これがママ友とか同僚とかだと普通にあるあるだと思います。
値切られるのって嫌だなって思うかもしれませんが、買う側の目線に立つと、別に変なことではないんですよね。
なぜかというと、その同級生にとっては、安ければ買ってもいいかなっていうくらいのヒット感だったので金額的に見合わなかったというだけのことです。
たまたま同級生が作っている商品が、たまたま自分にとってのベストな選択肢なケースってそうそうないことですよね。
その中でうちの商品を買ってくれている友人達には本当に感謝しかないです。
でもですよ。
それに合わせてしまっては、いつまでたっても自分の価値を上げることはできません。
よって、納得のできない値下げに応じる必要はありません。
※”ハンドメイド品の値段についての意見”です。交友関係の維持や感情等については各自の判断でお願いします。
1万円で買った財布=「1万円の価値の財布」
2万円で買った財布=「2万円の価値の財布」
《売る側からの目線》
1万円で売った財布=「1.5万円分の価値の財布だってわかってくれるだろう」
↓
伝われば嬉しいですが、なかなかそう思ってはもらえません。
残念ながら、「この値段でこのクオリティは素晴らしい」とか思ってくれるのは、一部の詳しいお客様だけというのが現実です。
学んだこと
値下げすると値下げした金額分、価値(評価)が下がる。
ハンドメイド販売の値段 経験談2⃣ 値上げしたらそこで試合終了
- 知人の紹介で注文
- 知人の紹介/勉強を兼ねている これらを考慮して価格設定
- 材料費より安いくらいの破格で請け負った
👇
喜んでもらえた。翌年リピート注文
👇
私「金額は〇〇円(材料費+αくらいのサービス価格)です」
👇
音信不通
安いという理由だけで買う人は安くなくなったら当然買いません。
これはアンカリング効果と呼ばれるもの。
アンカリング効果とは、最初もしくは同時に提示された特定の特徴や数値(価格)、情報が印象に強く残ってしまい、意思決定や判断に影響をおよぼす傾向のことです。
今回のケースにあてはめると、最初に購入した金額がこのお客様にとっての基準になってしまい、値上げしたら高く感じられてしまう。たとえ、値上げした金額もサービス価格であったとしても。
学んだこと
値下げすると次も下げざるを得ない。なお、値下げについての感謝はされない。
ハンドメイド販売の値段 経験談3⃣ 値引きよりサービスが喜ばれる
始めたばかりの頃は、友人知人からの注文は、文字通り利益ゼロとか少し赤字くらいで普通に注文を受けていました。
現在・・・ちょっとサービス
結果、以下のような反応になりました。
根引き・・・喜ばれるけど、申し訳ないとか困惑されたりも。
サービス・・・もれなく喜んでもらえる。
サービスは何をするかというと、ラッピングを工夫するとか、沖縄の友人がカビに悩んでいると聞けば防カビ剤を多めにサービスするとか、革の相談に乗るとか・・・
なんてことないけどちょっと嬉しいと思ってもらえるようなことをしたりしてます。
商売ではおまけが有効。
心理学では、”返報性の原理”というそうです。
返報性の原理(法則)とは、人から何かしらの施しを受けたとき、「お返しをしなくては申し訳ない」というような気持ちになるという心理作用のことです
試食をすすめられるとつい買ってしまいそうになりますよね笑
学んだこと
値引きよりもおまけの方が効果的。
安易な値下げは自己評価を下げるだけで、顧客満足度を高めることにもなっていないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ハンドメイド販売の値段 経験談4⃣ 応じた方が良い値引きもある
根拠なく値切ってくる方もいらっしゃいますが、逆に応じた方がいい値切りのケースも存在します。
ここではその両方を紹介します。
根拠のない値切りをするお客様
- ネットからご注文の会ったことのないお客様
- フルオーダーメイド
- 値切ってきた理由→「珍しい注文をする稀有な客に対して値下げしてもらえませんか?」
値下げについては、もちろん丁重にお断りさせていただきました。
珍しいもの=他に買い手が付きにくい商品というのはむしろ割高になるものです😅
意味もなく値下げすることをよく思わない理由は以下の通り。
- 他のお客様に失礼
- 値下げできるってことは、最初からもっと安くできるってことだよね?ってこと
ご了承いただけたら幸いです😅
根拠のある値切りをするお客様
→これは正当な理由です。というか、私が無知で失礼しました。
→応じるかどうかは店側が決めることですが、私個人としては全然交渉していいと思います。
→根拠はわかります。しかしこれは難しいかも。
スターマークを避けて作ると、スターマークが無駄になってしまうから。ものによりますが、エイ革だと一枚の革で一品しか作れないようなケースが多いので、スターマークを入れても入れなくても金額は変わりません。
これらは真っ当な理由だったり、こちらに落ち度があったケースですね。
場合によっては値下げに応じることで、売り手側にもメリットがあるケースです。
いろいろ書いたけど、はじめてのハンドメイド販売はタダor安売りが正解
では、ハンドメイド品は最初からいきなり高い値段で売るのが正解なのでしょうか?
答えはノーです。
最初は安く売るもしくはタダで使ってもらいましょう。
言ってることが最初と違う。
って思った方もいると思います。
説明します。
そこで実績を積み、紹介などで注文を貰った時には、定価から少し割り引くくらいの金額にする。
これです。
モニターになってもらって腕は上げたけど、やっぱり安くしないと自信ないかも。
と思う方もいると思いますが、厳しい意見を言うと、自信が無いならお金をもらって商品を販売しない方がいいです。
お金をもらって販売する=プロと言っても言い過ぎではないと私は思っています。
自信が無い作家から買ってもお客様は不安になりますし、満足感も得られません。
ハッタリかませということではなくて、たくさん作って自信の裏付けを作ってから販売しましょうということですのでそこだけご注意を。
ハンドメイド販売をするならどこで始めればいい?
こちらで詳しく解説しています。
具体的なハンドメイド価格設定の方法をすこーしだけ
価格設定は原価×2~4倍が相場だとネットでみました。
製造業で原価というのは、材料費+製造にかかるコストのことを指すのが通例です。
製造にかかるコストというのは、職人の人件費とか、工房の電気代とかですね。
じゃあうちはどうかというと、↑の内容を読んで少しだけ落ち込みましたとだけ笑
ビジネスがんばります笑
余談ですが、以前お会いした方で、材料費の2倍の金額で注文を受けたというお話をしている方がいました。
これって安すぎるのわかりますか?ご自分の人件費やその他の経費が考慮されていないのです。
ちなみに、その方はプロですが、商品の販売をメインにはしていない方。
きちんと適正な料金をいただいて喜んでいただくのが、みんなが幸せな買い物なんじゃないかなと私は思っています。
まとめ
ハンドメイド品を安売りするのは自分の価値を下げてしまうのでおすすめできません。
安いから買うお客様は、高くすると買ってくれないかもしれませんから。
それでも、一番最初だけは安くするべき。
極端に言えばタダでもいいくらい。
まずは身内に使ってもらい、レベルアップしたら安売り無しでプロ意識を持って販売しましょう。
そんなお話でした。
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