無害な革用水性接着剤ECO P-208のメリット/デメリット

無害な革用水性接着剤ECO P-208はアリ?ナシ?レザークラフト道具

無害で安心と話題の接着剤ECO P-208のアリナシについてお話しします。

ECO P-208とは?

イタリアで創業100年を超える化学品メーカーForestali社が作る水性接着剤。

引用元 KAWAMURA LEATHER

ECO P-208のボトル

先に結論めいたことを書いてしまうと、今のところ私が仕事で使うことはなさそうです。(うちの商品との相性の問題であって、品質がどうこうということではありません。)

ですが、趣味で使う方にはおすすめ。というか、少し極端な言い方をすると、他におすすめできる接着剤の選択肢がないです。

その理由についてお話します。

水性接着剤についての私のスタンス

安全性が高い接着剤を広めることは大賛成。
今後、製品作りにも使える商品開発が進むことに期待。

ちなみに、普段使っている接着剤はサイカプレンNP-103

このサイカプレンと比較しての感想です。

この記事を書いた人
dete

・レザーブランド"dete"の人
・職人歴10年/元・美容師

【DeteLogはこんな方向け】
・レザクラの腕を上げたい
・革のケアの腕を上げたい
・「革」に詳しくなりたい

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水性接着剤ECO P-208を人におすすめする理由

ECO P-208やその他の水性接着剤は、人におすすめできる唯一のクロロプレンゴム系革用接着剤といえるでしょう。

ECO P-208は人体にほぼ無害

理由は一つ。安全に使える接着剤だからです。

他にもこの接着剤のメリットはありますが、おすすめする理由は機能とは関係ない部分なのでここでは割愛。後半でメリットデメリットをまとめます。

溶剤系の接着剤は健康を害する恐れがありますが、対する水性接着剤は嫌な臭いもなく、ほぼ無害

子供やペットがいる環境でも安心して使うことができます。

これはとても大きなメリット。

革用の接着剤は、頭が痛くなるような強力なものもあって、長時間使うのは怖いです。その点こちらは心配なく使えます。

ここからは、使用時の写真と動画、そのあとで私が感じたメリットとデメリットについて解説します。

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使ってみた

乳白色でトロトロの液体。

手につきました。

硬いヘラが塗りやすいと思います。

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製品素材 本体:ポリアセタール樹脂

イタリアのタンニンなめし革に塗りました。がっつり革に染み込みます。

ECHO P-208 接着剤を試してみた

普段使っている接着剤のようには貼れませんでした。

もう少し厚く塗るとか、放置時間を長く取るとか使い方に工夫が必要かと思いました。

でも、放置時間を長くするのは効率的でないので、長くしないと接着できないとなると考え物かなと思い、あえて短い放置時間でトライしてみました。

使うときの注意点

デメリットというほどではないですが、使うときに気を付けたい点を書いておきます。

容器にクセあり

使い方が悪いからかもしれませんが、フタ裏側面に接着剤がはみ出してしまい、閉める時にこれが飛び散ることがある。

なのでビンに移し替えて使うことをおすすめします。

違うボンド用にですが、うちではこのガラス容器を使っています。

フタが二重構造になっていて作業効率が良いです。

革銀面に付くとシミになるかも

たっぷり銀面に塗って乾かしたらどうなるかやってみました☝

革の種類によっては銀面に付くとシミになります。

私が普段使っているサイカプレンNP-103は、よほど大量に付けない限り問題がないので、今回は慣れない水性接着剤で少し気を使いました。

トコノールやサイビノールなども同様銀面に染み込みやすいので、そちらに慣れている方からしたら問題はないと思います。

ECO P-208のメリット

メリット

  1. Point健康に害がない
  2. いやな臭いがない
  3. とても塗りやすい
  4. 柔らかい
  5. 無色だからコバ仕上げに良い

Point健康に害がない

『クロロプレン系接着剤は揮発性の溶剤が使われていて健康に害を与える』のが常識でしたが、ECO P-208は水性なので無害。

すばらしいの一言です。

いやな臭いがない

誤飲を防ぐためだと思いますが、あえて匂いをつけているそうです。不快な感じはなく好印象です。

とても塗りやすい

かなりゆるく、うす塗りがとてもしやすいです。

その分垂れやすいので慣れるまでは注意が必要です。

乾いても柔らかい

乾燥しても柔らかいのはメリット。革を変に硬くすることがなく、質感に影響を与えません。

ただ、硬くなるタイプの方が接着力が強い場合が多く、ECO P-208についても接着力の弱さと表裏一体といえるでしょう。

無色だからコバ仕上げに良い

はみ出しに注意すればコバ処理はしやすいと思います。

ECO P-208のデメリット

デメリット

  1. 接着力が弱め
  2. 乾燥に時間がかかる
  3. ベタ貼りすると芯材、革を変形させる

※私個人にとってのデメリットです。使う方によってはメリットにもなり得ます。ご自分の使い方に照らし合わせて判断してもらえたら幸いです。

接着力が弱め

仮止めレベルなら問題ない場面がほとんどだと思いますが、外から見える部分に使うのには不安が多いです。

例えば、この接着剤で縫製なしに接着だけで仕上げることは不可能だと思います。

コバも実際に仕上げてみましたが、はがれやすく少し弱い。

乾燥に時間がかかる

普段使っているサイカプレンは塗って10数秒もすれば(極うすで塗った場合)貼ることができますが、ECO P-208は数分から10分くらいは置かないとしっかり接着できない。

量産の現場なら、乾燥時間を計算にいれて流れ作業にすることもできると思いますが、うちの作業スタイルそのままではむずかしそう。

作業工程を考え直さないと能率を落とすことになる。

ベタ貼りすると芯材、革を変形させる

パルプ系、紙系の芯材やヌメ革等のベタ貼りに使うと、接着剤の水分で革や芯が歪んでしまいます。

このまま貼り合わせてしまうと仕上がりに影響してしまうので注意が必要です。

まとめ

ECO P-208などの水性接着剤のメリットは多いです。

何と言っても健康に無害な点。こんな接着剤を待ち望んでいました。

ただ、うちとしては、やはり接着力がネックです。

ミコガイ
ミコガイ

欧州有名ブランドは水性接着剤に移行していると聞くけど、一部の使用だけなんじゃないかと勝手に推測しています。
靴や、革同士の接着だけで仕上げるパーツなど、水性の接着剤だけではキビシイのでは?

じゃあやっぱり溶剤系の接着剤のがいいですか?

ミコガイ
ミコガイ

いえ、これはうちの商品に使うならナシという意味です!
健康に害が無く安心なので、趣味で使うならむしろおすすめです。

逆に、うちで使っているような溶剤系の接着剤は取り扱いに注意が必要なので、自己責任で使う物だと思ってます。だから、どれだけ優秀でも他人にすすめるのは躊躇してしまう。

リスクがあるものだと理解した上で使いましょう。

今までdeteで作ってきた商品は、ある程度の接着力があってこそ作れる物が多く、それを接着力が弱い接着剤に置き換えるのはむずかしいです。

今後、水性接着剤が改良されるか、もっと強く貼れる競合商品が現れることに大いに期待しています。

ECO P-208販売店

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『ECHO P-208』なら、水性で臭いがほとんどなく引火性もないので換気をする必要がなく、小さなお子様やペットがいる自宅工房の方にオススメです。また、粘度が引くいので非常に塗りやすく、薄塗りもしやすいです。さらに薄めたい場合は水で薄めることができます。化学物質過敏症やシックハウス症候群の方にも使っていただいてます。
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創業100年を超えるイタリア化学品メーカーForestali社で作られる水性糊で革用の刷毛塗りタイプとなります。サイズは200gとなります。製作の際の仮止め用としてお使い頂ける商品です。こちらの糊はゴム糊のような強い匂いも殆どなくお部屋での作業も問題ございません。使い方は両面に糊を塗り20分程乾燥して貼り合わせます。

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