2020年2月頃から流行している新型コロナウイルス禍で、革職人が生き残る為に何ができるのか?についてまとめてみます。
なお、私自身を含めた革業界にとって結構きびしい現実について書くことになりそうです。
私は性格上、最悪の状況を考えてモチベーションに繋げるタイプなので、文章においてもネガティブな部分を隠さず書きます。でもこういう内容が合わない方は本当に合わないと思います。
ご理解のうえで読んでいただき、現実を踏まえて前向きに行動していただけたら幸いです。
新型コロナウイルス禍に革職人が生き残る為にできること
私が考える大切なことは以下の通り。
- いつも通り作り続けることの大切さ
- 変化する必要性
- 補助金、助成金はしっかり申請する
- お客様とのつながりを大切にする
- 革製品で世の中を明るくする取り組み
変わらずいつも通り作り続けることの大切さ
今までと変わらず、愚直に良い商品を作り続けていくことは何より大切なことです。
ありがたいことに、私どものdeteは、この状況下(2020年4月時点)でもご注文がゼロになることはなく、一定数のお仕事をいただいています。
来店が見込めない実店舗での運営とは違い、感染のリスクの無いネットショップならいきなり売り上げがゼロになるようなことはありません。
ネットショップはこれからも無問題?
いえいえ。ぶっちゃけやばいです。
今後、世界的にリーマンショックを超える不況が訪れることは疑いようがなく、世の中全体の消費が落ち込んでいきます。
特に革製品はファッション性や趣味性が強い商品が多いので、動向げは景気に影響されやすい。
いわゆる、
そんな中、4/27に飛び込んできたのがこちらのニュース。
明治安田生命が毎年この時期に行っている家計の調査によりますと、「夫の小遣い」が月平均で3万3720円となりました。去年より4000円ダウンし、リーマンショック以来の大きな下げ幅です。
正直、ここまで早く影響してくるとは考えていなかった。
dete創業(2010年)以来最大のピンチが訪れることは間違いない。
と焦ってしまいそうですが、その前にやらなくてはいけないことがあります。
その為に、このような状況でもdeteを支持してくださるお客様に応えて良い商品をお届けし、末永いお付き合いをお願いする。
それが職人としての自分の歩む道だと思いました。
変化する必要。ウィズコロナ/アフターコロナに向けて
変わらず作り続けるのが大切と書いた筆の先が乾かぬうちに何を?と言いたいところかもしれませんが、変化は必要です。
理由は二つ。
- 売れる商品の変化
- 買い物スタイルの変化
売れる商品の変化
今後、年単位で今の生活スタイル(外出さける、リモート中心の働き方)が続く可能性があり、ウィズコロナどころかアフターコロナ時代も今のライフスタイルが定着する可能性があります。
そうなると、今までとは身に着けるものが変わり、持ち歩く道具も変わる。
革製品の需要はどうなってくるでしょうか?
需要が減る革製品の予想
- 大型のビジネスバッグ
- 名刺入れ
- 靴
大型のビジネスバッグ
リモートワークが中心になると、仕事でカバンを持ち歩く機会が減る。
そうなると、大きなカバンなどは使う機会が少なくなってくるのではないでしょうか?
元々ビジネスシーンでのスーツ需要が減っていた中なので余計に。
名刺入れ
コロナ禍では名刺交換はさける流れがあると思います。
名刺のクラウド化やSNSが名刺化している実情も追い風になり、この動きはコロナウィルスが収束しても続くのではないでしょうか?
うちでも名刺入れを作ろうと思っていた矢先なので、これに関しては少しツライものがあります。
靴
リモートワークが普及すると、革靴で出勤する必要が無くなり、ビジネス用の靴を必要としなくなっていきます。
ゼロになるとは思えませんが、需要が減ることは避けられないと思います。
そんな時代でも需要を増やす革製品はあるはず。
特にビジネス向けの革製品を販売する立場としてはむずかしい状況だと思うのですが、そんな時代でも、その時代に合わせて需要が増える革製品もきっとあるものと思います。
コロナウイルスが出てから、みんなが外出を自粛するようになり、家で過ごす時間が増えました。
この家じかんをいかに楽しく過ごすか?を考える人は多いと思います。
- 家でできる趣味の時間を増やした
- インテリアに凝り出した
- 室内でおしゃれするようになった
などなど。
その中で革を使ってどう表現するか?
ピンチはチャンスです。
買い物スタイルの変化
今までの買い物スタイルというと、ネットショップ、実店舗(卸)、イベントなどがあったと思いますが、コロナの影響で実店舗やイベントの売り上げが見込めなくなり、ネットショップやアプリで販売に頼らざるを得ない状況になりました。
ネットショップ/アプリ店、ハンドメイドモールなどの開設/出店が急務になりました。
こちら☟でハンドメイド販売の始め方について書いています。
補助金、助成金はしっかり申請する
もらえる条件が整っているなら、忘れないうちに申請しましょう。
- 特別定額給付金
- 持続化給付金
- 雇用調整助成金
- 小学校等の臨時休業に対応する保護者支援
- 国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援
- 小規模事業持続化補助金
特別定額給付金
給付額:給付対象者1人につき10万円
医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。
引用元 総務省HP
持続化給付金
感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となる、事業全般に広く使える、給付金を支給します。
引用元 経済産業省HP
雇用調整助成金
雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。
引用元 厚生労働省HP
小学校等の臨時休業に対応する保護者支援
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子どもの世話を行うため、契約した仕事ができなくなっている子育て世代を支援するための新たな支援金を創設しました。
引用元 厚生労働省HP
国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援
国民健康保険法の第77条では、「保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる」と、保険料の減免について定めている。
引用元 DIAMOND on line
(1)新型コロナウイルス感染症で主たる生計維持者が死亡、または重症の場合
まず、新型コロナウイルス感染症によって、主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病を負った世帯は、対象となる期間の保険料の全額を免除してもらえる。
(2)新型コロナウイルス感染症の影響で減収が見込まれる場合
罹患していなくても、新型コロナウイルス感染症の影響により、主たる生計維持者の収入(事業収入、不動産収入、山林収入、給与収入)の減少が見込まれる世帯で、次の3つの要件を満たす人も保険料減免の対象になる。
・前年よりも収入が7割以下に落ち込む見込み(保険金、損害賠償などで補てんされる金額を除く)
・合計所得金額(収入から経費と基礎控除額を差し引いた金額)が1000万円以下
・事業収入や不動産収入のほかに、株式の配当などその他の所得が400万円以下これら収入が減少した人の減免額は、対象となる期間の国民健康保険料(税)の額に、前年の所得に応じて20~100%の割合をかけて計算する。
引用元 DIAMOND on line
小規模事業持続化補助金
給付額:原則50万円を上限(補助率:2/3)
今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。
引用元 日本商工会議所
お客様とのつながりを大切にする
極論ですが、売れない時にはどうやったって売れないです。
だからといって売上げゼロでやっていくことはできないのですが、そういう時期と割り切ってアフターコロナ時代に照準を絞るのも一つの考え方です。
顧客に向けたコンテンツを充実させる、SNSを駆使して知名度を上げるなど。
革製品で世の中を明るくする取り組み
先日Twitter上でとあるプロジェクトが始まりました。
発起人は、Rei Leather(@reileather)さん。
鹿児島で素敵な手縫いの革製品を製作されている方です。
私もこの企画に賛同し、革の提供をさせていただきました。
売上うんぬんのはなしではなく、前項のお客さまとのつながりに近い内容ですが、世の中の為に何ができるか?という切り口で動いてみるのもいいかもしれません。
- 人に喜んでもらえる
- ⇒自尊心が高まる
- ⇒ファンがつく
良いことずくめです。
まとめ
コロナ時代に革職人が生きる道について書いてきました。
私が考える大切なことは、
- いつも通り作り続けることの大切さ
- 変化する必要性
- 補助金、助成金はしっかり申請する
- お客様とのつながりを大切にする
- 革製品で世の中を明るくする取り組み
です。
目の前のお客様を何より大切にすることが第一、そして変化。
商品構成、売り方、発信のし方など、変革を求められる時代です。
補助金や助成金の申請も大切。
自治体主導で寄付を呼び掛ける動きがあったりしますが、もらえるものはありがたくちょうだいしましょう。
これからやばくなるとわかっているから、前代未聞の補助金を各国の政府や自治体が給付するわけです。
個人事業主やフリーランスで、そこまで余裕がある人はそうそういないはず。
- この時代をチャンスととらえて売り出すのか?
- 守りを固めつつ未来に備えるか?
しっかり戦略を練って戦いましょう。
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