キリシメン(フネ)

革の仕入先を訪ねた際に、使い古された“フネ(キリシメン)”という道具を見せていただきました。

キリシメン?聞きなれない名前です。聞いたことはありますか?

これを何に使うかというと、”革を揉んでシボを入れる”のに使うのです。

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年季が入っていますがもちろん現役です。

革にシボを入れる意味は?

シボを入れることにより、革に柔軟性をもたらします。さらに、革の傷やトラ(筋)や血筋、色ムラや汚れが目立たなくなります。良いことずくめですね。

どちらかと言えば、ハードな印象ではなく柔らかい印象の革になります。

シボを入れる方法

シボを入れる方法はいくつかありますが、一番簡単な方法は銀面側を谷にして折ること。縦にシワが入りますね。これを平行に繰り返すと、LV社のエピに代表される水シボという線状のシボが入ります。

フネは、この折る(揉む)やり方を確実に、楽にする為に考えられた道具。もちろん市販などされてはいません。各々が使いやすいように特注であつらえたもの。思えば、現代においてこういう道具って少なくなりましたよね。特注でiPhoneをあつらえる人なんていませんからね。

キリシメンの使い方

使い方は、革の銀面(表側)を谷に折りながら、キリシメンの湾曲した底を使って革全体にシワを入れていきます。キリシメンの平らな面についている革に腕を通し、船底を利用してぎゅっぎゅっと体重をかけて前後に行ったり来たり。

これを八方から繰り返すことで、丸みのあるシワを作り上げていきます。

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一度にシボを入れることができる範囲は限られます。

シボの具合を見ながら、熟練のカンで程よい塩梅に仕上げています。

繊細で大胆な力仕事です。職人さんによると相当腰にくる作業だそうで。そうでしょうなぁ。頭が下がります。

貴重な技術の甲斐あって、熟練の職人が仕上げた革の表情はとても美しく、そして製品に仕立てた時に最も美しい姿になる。

弊社使用の国産ゴートは、こういった職人の技があってこそ成り立っています。

今後も使い続けていきます。

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