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日本伝統のレザークラフトツール 「玉捻」「電気捻」のコレクション

レザークラフト道具

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“捻”という道具を温めています。

普段は、コンセントに差し込んで使う電気式(木製の柄の中に電熱線を仕込んだもの)の”電気捻”を主に使っているのですが、今日の作業ではこのアルコールランプで熱するタイプを使用して製作。

なぜ使い分けるかというと、柄から伸びた金属部分の先端の形が違う為、仕上がるに差が出るのです。財布用はこれ、シザーケース用はこれと使い分けます。

この捻には、手縫いのガイドを引いたりコバを整えるのに使ったり圧着を助けたりという使い道もありますが、主な用途は飾りネン(縫い目とコバの間に刻む溝)を刻むことではないかと思います。

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熱を加えながら引かれることで光沢が生まれ、さらにコバに丸みを持たせて立体感を生み出します。

言われないと気づきにくい部分ではありますが、これがあるかないかで見た目の

美しさが大きく違ってくるから不思議です。

職人は、好みや用途によってネンの太さや深さ、コバの丸み(玉といいます)の形を追求します。それらの仕上がりの要素を決めるのは工具の仕立てです。

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力を入れすぎる折れてしまうくらいに繊細な丸やすり。

このやすりと紙やすりを使って地道に工具を仕立てます。私の場合は、仕立てるのに半日はゆうにかかります。本当に根気がいる作業です。

↓でどのように仕立てるのかを紹介しています。よろしければこちらもご覧ください。

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仕立て終わったらはい完成。とはいきません。さらに、しばらく使ってみてどこが悪いかを検証しながら少しずつ理想の仕上がりへと近づけていきます。

写真は1年ほど前に撮ったもの。今はもっと増えています(^_^;

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こんなに必要?って言われてしまいそうですが・・・はたから見ると、この辺りが職人のこだわりだと思われるのでしょうか?

周りの方に、「本当にこだわっていますね。」と言っていただくのですが、私自身はそんなにこだわりが強い方だと思っていなかったりもします。

一つ一つの革製品には、少しでもいい品を届けたいという職人の想いが詰まっています。

今使っている財布の手入れをする間際にでも、この財布はどんな人が作ったんだろうとか、どうやって作られているんだろうと考えてみると、今以上に愛着が増していくことと思いますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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