以前製作させていただいたオーダーメイドブックカバーを紹介いたします。
前半では商品紹介を。中盤以降は、この商品を例にしたレザークラフト講座(上級者向け)をしていきます。
商品の詳細については最後にご案内しております。
オーダー内容
- A5判の薄い本に使うブックカバー
- 折り返し部分をフタ兼留め具に
- ミシンステッチ
- しおり付き
写真とともに紹介していきます。
オーダーメイドブックカバー|超レアカーフのグレーと水色しおり付き
極淡いグリーンを感じるグレーの表革に、内装は全て水色。
水色は、南国の空のようなパキッとした空色のイメージ。
自立した大人のイメージに、女性らしい鮮やかな内装がマッチした素敵な仕上がりになりました。
外から見える水色部分は、しおりと、上下の隙間からちらりと顔をのぞかせる内装。
さりげないアクセントがおしゃれですね。
オーダーメイドブックカバーを例にレザークラフト上達のコツを語る
ちょっとマニアックですが、レザークラフトを上達させたい方に向けて、製法についてお話ししていきます。
deteの革製品がどのように作られているか興味があるというお客さまにも楽しんでいただけるのではないかと思います。
ヘリ返しで作るブックカバーの口元
表紙を挟む口元は、ヘリ返しで作りました。
今回の素材は接着の効きが良い革なので、ヘリ返し部分の縫製はいりません。
もしこれが、オイルたっぷりの革であったり、よく擦れる部分であったりすると、ヘリ返し部分にミシンをかける必要が出てきます。
4つに折りたたんでつくる革のしおり
パッと見はわからないかもしれませんが、この細いしおりは、約0.35mmに加工した極薄い革を4つに畳んで貼り合わせてから縫い上げています。
ネンを入れた革と同色のコバ
良くできたコバやネンは、革に詳しくないお客さまをも自然と惹きつける大きな魅力を持っています。
ネンはコバ磨き/塗りよりも大切?
何事においてもそうですが、小さな部分よりも大きな部分(大きく目に入る部分)が大切です。
ネン引きが高級革製品の証?
ネンは、高級革製品の証とも言われます。
ネンに対する職人のこだわりは並々ならぬものがあります。
あなたが今お使いの革製品には、どんなネンが引かれていますか?
革の色に合わせたグレーのコバ
コバに使う塗料は、自分で調合して革にマッチする色を作ります。
今回は、白、黒、水色にキャメルを少し足して調整しました。
こういった調合は、ふのりや蜜蝋の磨きでは作れません。
☟でコバについての考え方や方法について書いています。
ふのりと蜜蝋のコバ磨きの方法については、ふのりと蜜蝋のコバ磨きの方法 [革職人伝授]でがっつり紹介しているのでよろしければご覧ください。
とはいえ、やっぱり革製品作りで一番大切な工程は、手縫いでもミシン縫いでも、[縫製]の作業
ネンも正面から見えますが、もっと目立つのはやっぱりステッチです。
手縫いでもミシン縫いでも同じです。
キレイなステッチを実現するコツ|手縫いもミシン縫いも同じ
今回紹介した商品は、外側の帯部分は手縫い、それ以外は全てミシン縫いです。
割と整ったステッチに仕上がったのではないでしょうか?
オーダーメイドブックカバーの注文方法や補足
こちらの商品の詳細は、こちらでご紹介しております。
同様の仕様、他のサイズ(例えば文庫本やビジネス書用など)でご注文を承ることも可能です。
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