人気急上昇中のイタリアンレザー”マイネ”について解説します。
先にまとめると次のとおりです。
マイネの特徴|豊富なカラバリ、経年変化が早いイタリアンレザー
まず革の特徴です。
トスカーナの名門タンナーで作られるタンニンなめし革
マイネは、タンニンなめし革生誕の地といわれる、イタリアのトスカーナ・サンタクローチェ地区生まれ。
TEMPESTI(テンペスティ)社がなめすタンニンなめし革です。
タンニンなめし革は、木から抽出した伝統的ななめし方法で、色変化しやすく形状記憶するところから味が楽しめる革として知られます。
関連記事 タンニンなめし革とクロムなめし革のちがい
テンペスティ社は、世界最高級といわれる北欧産の牛原皮にこだわり、時間をかけて丁寧になめした革素材を輩出するタンナー(なめし業者)。エルバマットやE.gemini、RODI C.risoも同じタンナーで作られています。
マイネは日本ではまだまだ新しい素材ですが、ヨーロッパではテンペスティ社の中で一番の売れ筋商品なんだそうです。
不可能を可能にした豊富なカラーバリエーション
その特徴は、なんといってもその色の美しさと多彩さ。かつて不可能と言われていた淡いパステルカラーからパキッと鮮やかなビビッドカラーまで計54色をそろえています。
ほぼすっぴん?色変化が早い素上げ調ヌメ革
マイネは、表面のコーティングが全くされていないか、されていたとしても最低限のすっぴん調レザーです。さらに、艶出しの仕上げもされていないため、使い始めるとみるみるエイジングが進む楽しい素材です。
ここでいうエイジングとは「ツヤ」と「濃くなる色変化」のこと。
エイジングについてくわしくは、「革の味が出る」ってどういう状態?革の経年変化を写真で解説をご覧ください。
また、ワックスやオイルで味出し加工するのもアリなので、レザークラフトがはかどる素材でもあります。
加工については、自分でできる革の味出し加工法10選|染め、ツヤ出し、シボ、ウォッシュ加工をご覧ください。
コバもきれいに磨ける革です。
エルバマットよりきれいで整った銀面
同じテンペスティ社の有名な革にエルバマットがあります。
エルバマットには、たっぷりふくまれたオイルによる特有のムラっぽさが感じられますが、マイネにはそれらがありません。
イタリアンレザーにしては比較的色合いが均一で整った(キズや筋がないというわけではありません)ムラの少ない革に仕上がっています。
マイネは柔軟性があってひび割れが起きにくい革
ほどよく繊維が詰まっていながらも柔軟性があるため、ひび割れが起こりにくく、幅広い製品に使える汎用性が高い素材です。
マイネのデメリットは汚れやすさ
マイネはすっぴんに近い革。ということは、汚れや濡れに注意が必要ということです。
これは、経年変化が楽しめる特徴とトレードオフでもあります。
きれいに使いたい場合は、防水スプレーを使ったお手入れが有効です。
くわしくは、防水スプレーはヌメ革に悪影響?使った方がいい理由をご覧ください。
マイネと相性のいい革製品は?
マイネの製品を買うなら何がおすすめ?
レザークラフトに使うなら何を作ったらいいかな?
マイネはほとんどの革製品に使える万能素材。
スムースレザーなので革の柔らかさを活かす製品にはあまり向かないかも。
マイネは万能素材
一見硬そうなスムースレザー(ツルツルした革)ですが、適度なしなやかさがあり様々な構造に対応する素材です。
ブックカバーや財布、シザーケース、手帳、ベルトなど、多くの製品に適しています。
革の経年変化を楽しみたい方にもおすすめできます。
マイネが適さない製品
スムースレザーの多くに言えることですが、くったりとしたやわらかな造りには不向きな素材です。
製品でいうと、巾着バッグ、内縫いのポーチ、プリーツが入ったバッグなど。
また、水濡れや汚れのリスクがある靴に使うにはそのままでは難しい素材です。
その他、色変化しやすい素材なので購入時の色を保ちたい方にはおすすめできません。
マイネ製品のお手入れ方法|ブラッシングとクリームを
お手入れの基本はこまめなブラッシングとクリームです。
エム・モゥブレィのプロブラシとコロニルのシュプリームクリームデラックスを持っておけばOK。
くわしくは、あめ色の美しいヌメ革エイジングを目指すお手入れ方法~をご覧ください。
汚さずにきれいに使いたい場合、色変化をゆるやかにしたい場合は、防水スプレーの使用をお勧めします。
防水スプレーの使い方については職人が解説|革用防水スプレーの使い方/乾かす時間を。
おすすめの防水スプレーについてはコロニルの革用防水スプレー4種類を比較|迷ったらウォーターストップで間違いなしをご覧ください。
マイネについてのまとめ
マイネはイタリアのテンペスティ社がなめすタンニンなめし革。
革らしい渋めの色はもちろん、あわい色や鮮やかな革が欲しいならマイネはとてもいい選択です。
使い始めは傷や汚れが付きやすい一面もありますが、使い込むことで革らしい艶が生まれ、鮮やかな色を一層引き立ててくれます。
ほぼすっぴんの仕上げなので経年変化が早く、革を育てる楽しさとその醍醐味を味わっていただけるはずです。
・なめし・・・ タンニンなめしスムース マット仕上げ(使ううちにツヤが増します)
・原産 ・・・ イタリア
・Col. ・・・54色
・厚さ ・・・ 1.9~2.0mm
マイネの購入はこちら↑から。
コメント
これに型押ししたRODI – C.risoってありますよね、あの模様ってなんというんですか?
スコッチグレインですね。靴のスコッチグレインはそこから名付けたという話。