革製品は手入れが必要なもの。

「なんとなく知ってはいるけど、どうすればいいかわからない。どんな製品でもケアしなきゃいけないの?」
結論から申し上げると、どんな製品でもお手入れは必要です。
しかし、製品の種類によっては、お手入れの重要度が高くない製品もあり、また製品によって適切なケアの方法は違います。
そこで、どんなケアが最適なのか、製品ごとに紹介していきます。
美容師用シザーケース - 最もケアが必要な革製品
手入れが必要な革製品の最たる物が、シザーケースだと考えています。美容師はハードな肉体労働。常に体に接した状態で使われるので、汗は間違いなくケースやベルトに染み込んでいきます。
水にぬれた状態(革が一番無防備な状態です)で使われることもあり、パーマ液やカラー剤、スプレーやワックスなど、サロンには革を脅かす危険がたくさん!
日頃のケアでの重要度ランキングは以下の通り。
- 毛屑を溜めない
- ブラッシング
- 防水処理
美容と同じで、日々のセルフマネージメントが大切。美容師さんならわかってくれますよね?

以前の記事。シザーケースのケアだけについて書きました。まだ目を通していない美容師さんは是非ご覧ください。
二つ折り財布 - 男性用 の手入れ
多くの方が使うもので、意外とないがしろにされてしまっているものが、男性用の二つ折り財布です。なぜ男性用限定かというと、男性の多くは、尻ポケットに財布を突っ込んでいるからです。もちろん、女性でもパンツのポケットに財布を入れる機会もあるかもしれませんが、普段着では常にポケットに入れっぱなしの男性とは、財布へのダメージが大きく違います。
では、なぜ、尻ポケットに入れっぱなしが財布にダメージを与えるのでしょうか?
ポケットは密閉に近い状態で、尚且つ、夏場は汗がモロに染み込んできます。汗に含まれる塩分やアンモニアは革にさまざまな影響を及ぼし、湿度の高い状況はカビの繁殖も増進させます。
さらに、尻ポケットに財布を入れたまま座ってしまったりするともう最悪です。湿気を帯びた状態で踏まれたりすれば、どんなに丈夫な財布でも、型崩れしないわけがありません。と言っても、私も時々やってしまうのですが・・・都度反省しています。
使った後は、風通しの良いところで保管しましょう。ブラッシング(ポケットから出した直後は避ける。朝、持ち出す前に軽くシャッシャとかけてあげるくらいのイメージ)汚れやすい革の場合は、防水スプレーの使用もおすすめです。
手の脂が革にいいって本当?
世間でまことしやかに言われていることに、
「財布は手の脂が付くからケアはしなくてもいい。」なんていうのがあります、これは真っ赤なウソです。なぜなら、手のひらにかく汗には、油分が含まれていないからです。
人の手のひらや指の腹には皮脂腺がありません。さらさらとした汗はかきますが、実は、この汗に油分は含まれていないのです。もっとも、油分が含まれていたとしても、汗を含んだ油分なので革にいいはずがありません。
以前、ある女優さんが、ご主人の靴を手のひらでスリスリスリスリ擦っているのをテレビで見ました。その方いわく、「手の脂が革にいいから。」と、持論を展開されていました。それも愛情の形なのかもしれませんが・・・。
靴磨きのプロも素手でクリームを塗ることもありますが、それとは訳が違います。
クラッチバッグの手入れ
手で抱える鞄なので、常に手のひらが触れた状態で使われます。
その為、手の汚れや汗が革に付着しやすく、その部分から傷みやすくなります。
薄着の時に使いたくなるバッグですが、手汗に注意。
使った後は、風通しの良いところで保管。手によく触れる部分を集中してケアを。
ブラッシングをしっかりして、汗などの残留物を取り除きましょう。
革のリュックの手入れ
リュックサックは、背中に常にフィットした状態で使用されます。
背負っている間は、ストラップや背中の通気性が悪く、汗をかくと革に染み込んでしまいます。
アウトドアブランドのバックパックは、速干性が高い素材を使いながらも、さらに背中の通気性にもこだわって作ります。
使ったら通気性の良いところで保管。型崩れしないよう、新聞紙や紙を丸めた詰め物をして保管がベター。
ポーチ(バッグインバッグ)の手入れ
バッグの中で使うポーチやペンケースは、雨に濡れることもなく、肌に触れる機会もあまり多くないので、前述の製品群に比べると手入れの必要性は低いです。
心配なのは、バッグの中の他の荷物に汚されてしまうこと。裸のまま入れた化粧品やハンドクリーム、結露したペットボトルなど、バッグの中にも危険が潜んでいます。
シミや汚れを防いできれいに使うためには、適切な防水スプレーを使うのもいいかもしれません。
時計のレザーストラップの手入れ
常に手首に巻き付けられたストラップは、内側にダメージが残ります。長くきれいに使う為、いや、むしろエチケットとしてきちんとケアすべきです。
汗をたくさんかいた日には、水拭きして汗を拭き取ってあげるのも効果的です。水拭き後は、風通しの良いところできちんと乾かし、クリームなどで油分を補ってあげる必要があります。
我が家にはカメラ用の防湿庫があるので、使用後は防湿庫に放り込んで乾かしています。
ちなみに、カメラやレンズの保管に適した湿度は40℃くらいまでですが、この環境は革にとっては少々渇き過ぎています。ずっと閉まっておくと、革の表面が乾燥し、ひび割れや硬化の原因になりますのでご注意ください。
まとめ
ざっとですが、革製品ごとの手入れと保管方法についてご紹介しました。
共通しているのは、使った後は風通しの良いところで休ませてあげることと、ブラッシング。
皆様のレザーライフにお役に立てたらうれしいです。
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