定規をあてて線を引くとズレてまっすぐ引けません。
定規をあててカッターで切るのが苦手です。
失敗しないコツはありますか?
などについてお話します。
うまく定規やカッターが使えなくて悩んでいる方に役立てていただけるはずです。
定規でまっすぐ線が引けない(切れない)原因は?
まず、どうして真っすぐ線が引けない(切れない)か?の原因を考えてみたところ、おもに3つのケースに分けることができるという結論にいたりました。
- 定規がすべってしまう
- ペン(カッター)の向きが一定でない
- カッターが定規から離れている
ざっとこんな感じでしょうか。
今日は、一つ一つを少していねいに掘り下げてみます!
定規がずれて真っすぐ引けない(切れない)時の解決策
真っすぐ線を引いたつもりが、見てみたら途中から定規がずれて線の角度が変わってるんです!どうしてこうなった?
これが一番大きなトラブルでしょう。
原因を簡単に、そして解決策を話します。
[定規をおさえる力] < [ペンを押し付ける力]
になってしまっているから。
わかりやすく。
定規の押さえ方が弱かったり、紙や定規がすべりやすい素材だったり、あとはペンやカッターを押しつける力が強すぎたりの要因がもとで定規がずれます。
つまり、
すべりにくい定規を、しっかり真上から押さえて、ペンやカッターを強く押しつけすぎなければ定規がずれることはあり得ません。
ということです。
定規をしっかり押さえるには?
特に切る時に、定規をしっかり押さえられているかどうかが問題になります。
具体的な押さえ方は以下の通り。
真上からでなく斜めから押さえてしまうとしっかり力が伝わらず、ずれやすいです。
また、手のひらで押さえてしまうと尺取虫のように手を進めにくいので、私は指数本で押さえています。
真上から押さえるのがポイント!
カッター(ペン)に合わせて定規の上で手を動かす時はしゃくとり虫のように。
常に一本か二本の指で定規を押さえながら移動します。
滑りにくい定規って?
滑りにくく設計された定規も数多く販売されています。
ナノピタ カッティング定規
ナノピタ カッティング定規はすべりにくいカッティング定規。ステンレス板が貼ってあってカッターOKです。
リバーシブルになっていて、表裏で滑りやすさを変えて使えるようです。
Qスケール15
Qスケール15はおさえやすく滑りにくいという特徴があり、今回の用途にはぴったりの定規ですね。残念ながらカッティング仕様ではなく刃を当てることができません。
ピタットルーラー
ピタットルーラーは、押さえなければスムーズに動き、押さえればすべらない便利な定規。
アクリルの辺と金属の辺の2通りが使えて目の付け所がいいのですが、残念ながら金属側はアルミ。
アルミはカッターで削れてしまうんですよね。ここだけ惜しかった。
定規すべり止めシールを貼る〈廃盤〉
ひと手間かかってしまうのですが、すでに使っている定規があるならこれがおすすめです。
使い方は、ふだん使っている定規の裏面にこのシールを貼るだけ。いつもの定規がすべりにくい定規に早変わりします。
小さくカットして(1~2cm角で効果アリ)貼るだけ。
長い定規は数か所に貼りましょう。
このシールのくわしい使い方は、【神アイテム】定規滑り止めシールの貼り方をご覧ください。
貼り方を写真で図解しています。
※定規すべり止めシールは廃盤になりました。
ペンやカッターを強く押し付けないために
強く押し付けてしまうケースは、特に硬い物や厚い物を切る時におきやすいです。
ペンの場合は、強く押し付けなくてもインクが出やすいペンを見つければある程度解決するはず。
解決策は超かんたん。切れる刃物を使えばほぼほぼ解決です。
カッターなら切れるようになるまで刃を折りましょう。革包丁なら砥ぎましょう。
切れない刃物で切ると、まっすぐ切るのがむずかしいのはもちろん、ケガのリスクも大きくなります。
分厚い革やアクリル板など硬いものを切る時は注意。
たとえ新品でもカッターであっても、このケースでは一回で切らない方がいい場合があります。
無理やり一回で切るのではなく、軽い力で2,3回に分けて切りましょう。
このとき定規を押さえる手はしっかり押さえたままで!
ペン(カッター)の向きが変わったり、定規から離れてしまう場合の改善策
定規はズレていないのに、よく見ると微妙にまっすぐじゃない。どうしてだろう?
カッターを引く途中でかたむいてしまっているか、定規からカッターが離れてしまっているのかも。
これは特に切る時に目立つクセですね。
経験から、改善策を2つ考えてみました。
自分のクセをつかんで意識する事!そして真正面より少し利き手側の位置で切ること。あとは慣れです。
カッターの向きが変わらないように常に意識する
このケースでの解決策は、カッターの向きが変わらないように意識することが一番大切です。
たとえば、手前に引いて使うとき、自分はどちらに傾いてしまうのか?そのクセをつかみ、そうならないように意識して切るだけで結果は変ってきます。
⇩悪い例です。
切り始めの時と切り進んだ後とで刃の角度が変わって(左にかたむいている)います。
上の写真のように、切っている途中で角度が変わってしまうと、切り口が歪んでしまったり、切っ先が定規から離れてしまったりして、正確でない仕上がりになってしまいます。
切る対象の厚みがあればあるほど不正確になるわけですから、革を切る時は余計に影響が出ます。
私の場合は、カッターを奥から手前に引いて体に近くなってくると、左に傾いてしまい、切る線が外に逃げてしまう傾向がありました。
仕上りは、奥から手前にかけて広がったようになります(ぱっと見ではわからない程度ですが)。
体の真正面で切るのはむずかしいから利き手側の位置で切る
あとは、体の正面真ん中で切るのではなく、右利きだったら少し右寄り、左利きだったら少し左寄りの位置でかまえて切ると自然に腕を引きやすくなります。
下の写真をご覧ください。
左:正面で切ると・・・ 右:少し体の右よりで切ると・・・
奥から手前に引いて切った時の図です。
左は体の正面で切った場合、右は体の正面より少し右よりの位置で切った場合です。
左は手首がつらそう。
つらいです。正確に切ることもむずかしくなります。
今まで正面で切っていた方は試してみてください。
美容師時代に教わった体の使い方です。
レザークラフトでは、革包丁を使うときやネンを入れる時など、いろいろな場面で意識すると楽に体を使うことができます。
立って使えるなら…
特殊な環境に限られるという前置き付きですが、もし立ち作業台(通常の机よりも天板が高い)のように立って作業できる場合は、料理包丁を使うときと同じように、片足を半歩引いて立つと体が使いやすくなります。
右利きなら右足を半歩後ろに引き、デスクに対してすこしだけ斜め向きに立ちます。
こうすると自然に体の右側で手を動かすことができますね。
こういう体の使い方ができるので、私のアトリエでは立ち作業台を導入し、10年ほどスタンディンワークをつづけています。
関連記事 スタンディングワーク歴8年のレザークラフト職人が立って働くメリットとデメリットを語る
もっと切りやすくするために
切れ味が大切ということは前に少しだけ触れましたが、切り方でも大きく変わってきます。
どうすればいいかというと、カッターを使うときはできるだけ刃を寝かせて切ること。これだけです。
料理をする方ならわかると思いますが、料理包丁は押すか引くかしながら切るとラクに切れるし繊維をつぶすこともなくなりますよね。
包丁は洋包丁でも和包丁でも、『手前に引いたり、奥に押したり、前後に動かすときに切れる』ことをぜひ頭の片隅に いれていおいてください。
引用元 包丁の基本的な使い方/動かし方:白ごはん.com – 包丁の動かし方
カッターでも同じことです。
切る対象物に対して、できるだけ鋭角に刃を入れた方が少ない力で切ることができるのです。
【刃を寝かせて引くのと刃を垂直に立てて切るのとではどちらが切りやすいか】を比べてみるとわかりやすいです。
※立てると切れなくてケガしやすいので注意してください。
関連記事の、カッターを使った間違った革の切り方|レザークラフト初心者講座では、カッターの間違った使い方を例にあげながら、革を上手に切る方法を解説しています。
まとめ
定規でまっすぐ線が引けない方に向けた解決策について話しました。
まず、理由として多いケースは3つ考えられます。
- 定規がすべってしまう
- ペン(カッター)の向きが一定でない
- カッターが定規から離れている
一番多いのはおそらく一つ目の定規がすべるケース。
すべりにくい定規を使い、しっかり真上から押さえて、ペンやカッターを強く押しつけすぎないようにすること。
すべりにくい定規については、「定規滑り止めシール」をデテログはおすすめしています。
シールのくわしい使い方は、【神アイテム】定規滑り止めシールの貼り方をご覧ください。
カッターを強く押し付けないためには、よく切れるカッターを使うことと、場合によっては複数回に分けて切ることがポイントです。
ペンやカッターの向きが途中で変わったり、定規から離れてしまうことがないようにも意識しましょう。
体の真正面で切るのではなく、利き手側に少しよせた位置で切ると自然に腕を動かしやすくなりますよ。
料理包丁を使うときのイメージです。
この記事と合わせて、カッターを使った間違った革の切り方|レザークラフト初心者講座や、
定規をあてて革を切る方法(失敗しにくい)|直線を切るなら包丁かカッターか?を読みながら練習していただくとなお精度が上がるかもしれません。
この記事は以上です。長文お付き合いいただきありがとうございました。
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