財布のカードポケットや手帳の差し込み部分など、革製品には平行にパーツをならべて貼る工程があります。
この部分がまっすぐで平行になっているかどうかは、キレイ見えるかどうかに直結します。
曲がってるのって、ジッと見なくてもなんとなくわかってしまうんですよね
どんな方法で貼るとキレイに仕上がるのか?についてお話ししてみます。
革を貼るテクニックそのものについてはこちらの関連記事をご覧ください。
平行のパーツをゆがみなく貼る方法
- 治具を使う
- アクリル定規
- 長さを測って印付けする
おすすめは治具を使う方法ですが、全ての工程用に治具を作るのも大変です。
そして他の方法でも同様に作ることは可能です。
それぞれどんな方法なのか掘り下げます。
治具を使う
貼るときやミシンをかけるときなどに、効率よく正確に作業するためのガイドのようなもの。
ファスナーを正確に貼る際などよく使われます。
厚紙を貼り合わせたものや、合板を貼り合わせて削ったものなど、自分で作るのが一般的。
記事後半で実際に治具を作ってみます。
アクリル定規
格子線が印刷されたアクリル定規を使えば手軽にキレイに貼ることができます。
格子のが革に平行になるように定規を置き、
定規をガイドにもう一枚の革を貼ります。
平行に貼ることができました。
アクリル定規がすべるのを防ぐ方法
すべりやすいアクリル定規を使いやすく改造する方法を紹介します。
この小さな透明のシールを貼るだけ。
これ、その名も定規すべり止めシールというシロモノで、文字通り定規をすべりにくくしてくれます。
型紙に貼って使うのもアリ。
小さくカットしても効果があり、コスパは高いです。
残念ながらこのシールは廃盤になり手に入らなくなりました。
すべりにくい定規も販売されています。私は試したことがありませんが興味があればどうぞ。
長さを測って印付けする
定規を使ってボールペンで印をつけ、印に合わせて目見当で貼る方法。
貼り合わせるときだけでなくいろいろな場面で使う方法ですが、キレイに貼るには少し熟練が必要です。
デテログでは、貼る作業は先のどちらかの方法で行うことが多いですが、準備段階の、ボンドを塗る位置決めや革を荒らす(関連記事 革の表面同士がうまく接着できない!革表面を荒らす3つの方法)ときは、この印付けの方法を取ることが多いです。
平行に革を貼るための治具のつくり方
1cm間隔のカードポケットを貼るための治具を作りましょう。
使うのは0.85mmの白い厚紙。
貼る革の厚みに合わせて紙の厚みを変えたり、貼り合わせる枚数で調整してください。
さっそく作ってみましょう。
パーツをカット
厚紙を貼り合わせてベースにします。
水性のボンドを使いました。
貼り合わせて、
長方形に揃えてカットしておきます。
長方形にカットするときもやっぱりアクリル定規が便利です。
次は、ガイドになる段差を作ります。
細い厚紙を二枚。こちらも貼り合わせ、長方形にカットしておきます。
組立て
さきほど作ったベースのパーツと段差を作るパーツを組み立てます。
このとき、アクリル定規+へり定規という道具を使うとスムーズに作業できます。
へり定規の詳しい解説については、関連記事 へり定規(へり裁ち棒)と丸へり定規の使い方|レザークラフトを時短化をご覧ください。
使い方を紹介します。使うのは10mm幅のへり定規。
端にアクリル定規をぴったり沿わせます。
定規に沿わせるようにへり定規を置き、
今度はへり定規の左側にアクリル定規を沿わせます。
左側のアクリル定規を押さえた状態でへり定規と右側の定規をはずし、アクリル定規に沿わせて段差パーツを貼ります。
表にひっくり返すとこうなります。
ベースからはみ出た分はきれいにカットしておきます。
この時も段差に合わせて定規を置き、定規の段差に合わせてもう一つ定規を沿わせて、後に置いた定規に刃をあてて切ればキレイでかんたんにカットできます。
伝わるでしょうか?
このやり方です。
カットした面にボンドが付いている場合はやすりで取り除きましょう。
これで1cm幅の段差がついた状態です。
段差からの幅も1cmに揃えましょう。
段差の端に合わせてアクリル定規でカット。
完成です。
本当はもう少し効率良い手順もあったのですが・・・どちらでも仕上がりは同じだから良しということで笑
治具の使い方。1cm幅のカードポケットを貼る
先ほどの治具を使ってカードポケット風模型を作ってみましょう。
本物のカードポケットとは形もちがうし縫製は省いています。ご了承ください。
四角い土台パーツと、カードポケットを模した長方形のパーツをいくつか用意。
土台パーツの端に治具の段差を沿わせ、治具に合わせてカードポケットを貼ります。
1cm幅で貼れました。
更にもう一段。
最上段を貼って完成。
応用して様々な治具を作ることができます。
平行なパーツの貼り方まとめと使った道具おさらい
平行に貼る方法はざっくりいうと3つ。
平行に貼る方法まとめ
- 治具を使う
- アクリル定規
- 長さを測って印付けする
確実で簡単な方法が治具です。
ですが、量産するならまだしも、趣味レベルで毎回作るのは大変です。
アクリル定規の格子線を上手に利用したり、地道にペンで印付けしたりしてもOK。
丁寧にやれば、治具同等やそれ以上にきれいに作ることも可能です。
治具のつくり方と使い方はこの記事中央付近で図解しています。
使った道具
アクリル定規(サイズを変え2,3本)とヘリ定規があると便利です。
アクリル定規
定規のおすすめを紹介します。
ふだんどんな作品をつくることが多いかにもよるのですが、幅広のカッティング定規を持っていると便利。
この2種類はうちでは使用頻度が高いです。特に15㎝幅のコンサイスの定規はとてもいい商品です。
コンサイスは二辺にステンレス板が貼ってあるところも使いやすい。
それプラス、取り回しがいい小さなカッティング定規があると便利です。たとえばこれ。
へり定規
ヘリ返しをする時のカットに使ったり、今回のように貼る時や切る時のガイドや単品で治具にしたりするのに使います。
いろんな厚みや幅、長さを持っていると便利です。
この記事の内容は以上です。
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