Twitterからいただいたご質問をコロニルの営業さんに直接ぶつけてみました。
大切な革製品が変質してしまった!?
ショックですよね・・・
この記事では、白くなってしまったケースを3つ紹介し、その原因と対策を紹介します。
コロニルの営業さん来訪について☟で書いているのでよかったら後で読んでください😊
1909シュプリームクリームデラックスでルガト(イタリアンレザー)が白くなったケース
画像引用元 楽天市場
コロニルカラーレスをルガトに使用した際、僅かに表面が白っぽく(?)なる気がして、ルガトに向かないのか、又は使い方が良くないのかと思っています。コツなど知りたいです。
使ったクリームはこちら。
白くなってしまったのは、こちらのお財布と同じルガトショルダーという革でできた財布。
引用元 楽天市場
ルガトは透明感のある色合いが特徴のイタリアの革です。
うちにある端切れにさわりながら教えてもらいました。
油を吸いにくい革の表面処理が原因?
白くなった実物を見てないことにはなんとも言えないけど・・・
この革、結構コーティング厚いですね。
はい。染めはたぶん染料ですけど、ラッカーか何か載ってますね。
油分を吸いにくい革だと、吸い切れなかった油脂が固まって白くなってしまうことがあります。
原因は革表面に残った油分の可能性があるとのことです。
実際にやってみた
営業さんに実際にやってもらいました。
ナチュラルに布を指に巻き付ける所作はさすがに手慣れたものです。
クリームを布にとって磨いてみましたが・・・
変化ナシ。
こういう時って、「白くなれ白くなれっ」て念じません?w
異常が出るかどうかは、その時の湿度とかクリームの状況とか、いろいろな条件が重なって起こることと思います。
表面のコーティングが強いルガトショルダーのような革は、クリームの効果もあまり期待できないのかもしれませんね。
少しイジワルに試してみた
営業さんが帰ったあと、多めに塗って数分放置してみました。
少しオーバーだけど、実際のお手入れでも起こり得るレベルの塗り方です。
数分放置
☟
白くならず・・・残念w
先ほども書きましたが気温や湿度などの条件や革の個体差なども影響するのかもしれません。
油分の残りで白くなった時の対処法
今回はなりませんでしたけど、白く残ったらどうすれば元通りになりますか?
乾拭きやブラッシングできれいになりますよ。
それなら安心です。
乾拭きするなら、目が柔らかめ(ガーゼや帆布は不向き)のコットンの布が良いです。
革の凹凸にも対応してくれるブラッシングもしてあげるのがおすすめ。
私はブラシだけでもいいと思います。
もしブラッシングで戻らなかったら?
革用のクリーナーを使ってください。コロニルだったらレザーソープ。
より効果が強いクリーナーもありますが、リスクがあるので使いやすいこちらを。
クリーナーを使ったら、乾いた後にクリームで保湿してあげてください。
どうしても白くなってしまうということであれば、使用をやめて別のクリームに変えることをおすすめします。
ルガトが白くなってしまうケースのまとめ
条件がそろっていなかったのか、今回はご質問のように白くすることはできませんでした。
コロニルの営業さんがいうには、油分が残って白くなる事例は、他社製品ふくめどのクリームでも起こり得ることらしいです。
予防策としては、
- 塗りすぎに注意する
- 仕上げに乾拭きかブラッシングをきちんとする
などで起こりにくくすることはできるはずです。
クリームの塗りすぎ!?デリケートクリームが白く残った
次に紹介するケースは私が体験したことです。
ある実験の為、各社のクリームを革に多めに塗って放置したところ、エムモウブレイのデリケートクリームを塗った部分が白くくもった。
実験についてはこちらで。
その時の写真がこちら。
各社のクリーナーとクリームが、革にしみこんだ油性ペンのインクをどれくらい落としてくれるかを試したものです。
左上の水色で囲まれた部分がデリケートクリームをたっぷり塗ったところ。
はっきりとわかりますね。
気を付けるべき点は革との相性と塗る量
モウブレイのデリケートクリームはプルプルのゲルタイプで、主成分はラノリンをふくむ蝋成分。
含まれる成分のどれかが残って乾いて白くなったのでしょう。
今回はあえて異常に多く塗った上で起こったことですが、いずれにしても塗りすぎには注意です。
白くなってしまったもう一つの要因は、とてもデリケートな革だったということ。
この革は、イタリアの素上げのタンニンなめし革。
シミになりやすかったり色変化しやすかったりとやっかいな一面もあります(その分経年変化が楽しい)。
素上げって何?という方はこちらをどうぞ☟
対処法
まずブラッシングを試してください。
効果がない場合はそれ以上さわらないというのも一つの方法ではありますが・・・そのままにするのはやっぱりちょっと悲しいですよね。
そういう場合はこんなクリーナーを使うのがおすすめです。
デリケートな革に配慮したチョイスです。
そんな商品ある?
コロニルのデリケートクリームはぴったりかもしれません。
先ほどの写真をもう一度ご覧ください。右上がコロニルのデリケートクリームです。
一番シミが少なく、白く残ってもおらず、それでいて油性マジックの色も薄くなっているのがわかると思います。
コロニルのデリケートクリームは、デリケートクリームという名前でありながら、実はクリーナーです。
保湿効果は高くないですが、クリーニング効果もほどほどで革に与える影響がきつすぎないので、日常的に使っても問題ないくらい。
くわしい効果やデメリットについて、[正直レビュー]コロニル汚れ落としクリームってぶっちゃけどう?で解説しています。
さらに効果が強いゲル状クリーナーに、ユニクリームというものもあります。
こちらは靴のワックスを落とすような用途を想定した商品。
なので保湿効果は無いものと思ってください。
塗りやすくて強力なクリーナーが欲しい場合は検討してもいいかも。
デリケートクリームが白く残ったケースのまとめ
今回は、革との相性と、塗りすぎで革に浸透しきれなかった分のロウか油分が白く残ったケースと考えられます。
簡単に落とせる場合が多いと思うので、そんなに不安になる必要はないと思います。
これまでモウブレイのデリケートクリームを数年使ってきましたが、他にこういったケースを見た事はありません。
今でも、最も失敗しにくいクリームの一つだと考えています。
もちろん、人におすすめもできます。
モウブレイデリケートクリームの個別レビューはこちら。
塗りすぎPart2。アニリンカーフクリーム
これも私の実体験です。
起こったのは革靴で、某セレクトショップのPB商品。
素材はよくあるカーフで3~4万円くらいの価格帯でした。
うっすら白く円形に近い形で残っているのがわかりますか?
アニリンカーフクリームを塗る際、後で延ばそうと思ってちょんちょんと塊を置いたら白く残った。置いた時間は2、3分くらい。
原因は?
何よりも、塗り方が問題でした。
やはりクリームはどんな時でも薄く塗りのばさなくてはいけない!
これが他のクリームだったらどうだったのかはわかりません。
アニリンカーフクリームに問題があると断言することはできません。
アニリンカーフクリームは、若干革への影響が強いなという印象もありますが、クリーニング効果があって表面保護もできるクリームなので、用途次第ではおすすめできます。
対処法は?
わからない・・・
最後にそれかよ!となってしまうかもしれませんが、シミができたのが1年以上前で、今でもシミがある。
今でもというか、先ほどの写真はこの記事を書く為に最近撮ったものです。
何度かクリームを塗ったりブラッシングしたりしていますが、残念ながら目立った変化はありません。
今度きちんとクリーニングからお手入れして結果を報告しますね。
まとめ
クリームを塗ってシミになったケース3つを紹介しました。
最初の件については私が塗った件ではないので原因はわかりませんが、自分で経験した2件については塗りすぎが大きな原因だと考えられます。
あとは革との相性、革の問題、クリームの成分などですね。
こればかりは試してみないとわからないことが多いので、失敗を減らす為に次にあげるポイントをおさえましょう。
白く残ってしまった時の対処法ですが、まずはブラッシングを試しましょう。
ブラシはこのどちらもおすすめ。
プロブラシの方が弾力が少し強い等若干違いますが、見た目の好みで選んでもOKな程度です。
それで落ちなかったら、クリーナーを使うのも手。
革にやさしくて使いやすいものから試しましょう。
↑保湿もできて強すぎないクリーナー。
↑効果やさしめの泡状のクリーナー。
2020年10月追記
いろいろ試してみましたが、コロニルやエム・モゥブレィ以外でも、ニュートラル(無色)のデリケートクリームを塗りすぎると白く残ることがあるようです。できるだけ薄く伸ばして塗るようにしましょう。
2021年5月 関連記事追加
シミや色ムラになりにくいクリームを検証しました。
これからも情報収集と検証を続けます。
何かわかったらこの記事の更新、または新記事を追加していきますね。
ブログの更新情報をフォローしてくださる方は、下の方にあるTwitterフォローかRSSリーダーのfeedlyをどうぞ☟
コメント