大きな革は巻いた状態で届き、やはり巻いた状態で保管します。
普通のアトリエや家庭環境ではこれが最良の保管方法ですが、一つだけ難点があります。
それは、巻きグセです。
革の表を内側に巻いてたら外ハネのクセがついていた
そんなことはありませんか?
上質な革小物は、サイフでも名刺入れでも、実はごくわずかに内向きに曲がるようにクセ付け&貼り合わせがしてあります。
この記事では、
- 革の巻きグセを解消する方法
- 巻いて保管する時は銀面は外か内か?
を紹介します。
革の巻きグセを直す方法
直し方
直すタイミングは、粗裁ちをしてから行います。
本裁ち(型紙通りにカットする)の後にしてしまうと、伸びて変形してしまいます。
銀面が山、床面が谷になるように向けて、革を転がすように揉みます。
革を折らないように丁寧に転がしましょう。
銀面を谷にして揉んではいけません。革にシワが入ってしまいます。
内巻きのクセが強くついてしまった時の対処法
革は、クセがなく平らかゆるい内巻き(床面側に曲がる)の状態が扱いやすい。
とはいっても、内巻きが強く出すぎていると、製品にした時にゆがんだりふくらんだりしてしまい良い影響がありません。
その場合は重しを載せて直します。
革の厚みや硬さにもよりますが、一晩ほど置けば大丈夫な場合がほとんど。
保管時は銀面を表にした方がいい?それとも床面を表?
保管時は筒状に巻いておく方が多いと思いますが、その際、銀面を外にして巻きますか?それとも内側ですか?
私の結論を先に言うとこんな感じ。
タンニンなめし革
内側に巻いた方が日焼けしにくくなります。
完全には防げませんが、
使おうと思ったら全然別の色に変わってた
なんていうショックは起きにくくなるかなと思います。
銀面にハリを持たせたツヤ系スムース
サドルレザーのようにアイロンやグレージング(摩擦)でツルツルに仕上げた革やカゼイン(卵白などからとるたんぱく質)仕上げの光沢のある革などは銀面を外に。
長い間銀面を内側にしておくと、シワが入ったり表面の仕上げの剥離が起こったりしやすくなります。
柔らかい革
柔らかい革(シュリンク、シボ)は、大きな差は出にくいのでどちらでもOK。
その他革の保管についての記事紹介
革を保管する際の注意点などについて
革の収納方法と棚のおすすめ紹介
まとめ
保管時についた革の巻きグセの直し方について書きました。
直し方は、銀面を山にして転がすように曲げて揉む。
銀面を谷にしてしまうとシボが入ってしまいます。
革の保管時の表裏ですが、少しでも日焼けを防ぎたいなら銀面を内側にした方がいいです。
ハリがある光沢のスムースの場合、銀面を内側にして長時間保管するとシワや仕上げの剥離が起こるかもしれません。
たとえばこの革[栃木レザースムース]国産牛革など。
柔らかいシボやシュリンクの場合、内側にしても外側にしても大きな差は出ないと思います。
たとえばこの革酔狂的シンプルな革のカメラストラップに使ったトリヨンラグーンなど。
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