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レザークラフト|補強の方法と丈夫に作るテクニックまとめ

シザーケース手縫い中 レザークラフト講座

当記事はプロモーションをふくみます。

手縫いのバッグを作ったんだけど使ってたらすぐ壊れた

ミコガイ
ミコガイ

どこが壊れたの?

ハンドルのつけ根が破れちゃって・・・

ミコガイ
ミコガイ

解決策は革の補強かも

革の補強は、レザークラフトにおける鬼門の一つ!超重要です。
バッグだけでなく、財布、時計バンド、スマホケースなど、あらゆる製品を作るのに必要な考え方です。

この記事では、革の補強をしたことが無い方向けに、レザークラフトにはどんな補強材料があるのか?丈夫に作るテクニックは何があるのか?についてお話ししていきます。

伸び止めに使えるテクニックについて書いたこちらの記事もどうぞ。

革の伸び止めに使える素材一覧とテクニック
力がかかったり、引っ張られる部分は、伸び止めや補強がされていないとすぐに革が伸びてだらしなくなってしまいます。それを防ぐ為の主な伸び止め素材とテクニックを一覧で紹介しています。
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革職人の経験を活かし、趣味のレザークラフターや革製品のトラブルに悩む方に役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

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力がかかる部分の補強方法の種類|レザークラフト

力のかかる部分の補強は、基本的に芯を仕込む裏打ちします。

芯を仕込んで補強

芯とは・・・表素材と裏地の間に挟んだり貼ったりして使う革やスポンジなどのこと。

どんな芯材を選ぶかで、仕上がりの風合いや硬さが変わります。
テストして最適な素材を見つけましょう。

裏打ち

裏打ちとは・・・表の革の裏面に芯材をべたっと貼り合わせる手法のこと。補強や厚みを増す効果がある。

芯を仕込むことと裏打ちは意味がかぶってきますが、裏打ちせずに芯を仕込む(べったり貼らずにに芯を浮かす)こともしばしばあることなので別に書きました。

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革の補強に使う芯の種類

革の補強(豚ヌメ革使用)

代表的な芯を紹介します。

革を芯にする方法。

最もコストが高くなる選択肢ですが、加水分解のリスクがなく、風合いも良くなる。

豚革や山羊革などのような薄くて丈夫な革が多く使われます。

バッグのハンドルを付ける部分のように特に力がかかる部分には、厚みのある牛革や牛革の床などを使うこともあります。

セラフィーニテープ (補強テープ)

セラフィーニテープは、伸び止めとしてよく使われます。

ボンテックス

パルプベースの芯材。硬さを出したい部分(折ったり曲げたりしない部分)に使います。

テキソンはボンテックスと同等品です。

基本的には裏打ち(ベタ貼り)で使用することが多いです。

そのまま薄い革に張ると、ボンテックスの硬さが表に出て革の風合いを損ねてしまう場合があります。そうならないよう、表地とボンテックスの間にクッションになるスポンジなどをはさむ、質感を向上させるひと手間を加えることも。

ボンテックスについてくわしくは、芯材ボンテックスの疑問をマルっと解消|使い方、用途、特徴などをご覧ください。

芯材ボンテックスの疑問をマルっと解消|使い方、用途、特徴など
この記事では、バッグや財布の芯として使われるボンテックスについてお話しています。 この記事のテーマ どうやって使うの? 他の芯材とのちがいは...

スライサー

合皮の裏面を漉いた残りのリサイクル品。

柔らかさを残して厚みを足したい時に重宝し、非常に良く使われています。

スポンジ系

クッション性を持たせたい時に使います。

低反発素材や、程よいクッション性のペフなど、様々な種類があります。

ミコガイ
ミコガイ

新しい商品を作る時はいつも芯材のテストを行います。
何が最適なのか、地道にテストして答えを導きましょう!

芯材を使ったら裏地を付ける必要があります!

革への負荷を分散して壊れにくい作品にする方法

分厚いヌメ革を芯に使っています。

補強とは違った考え方になりますが、かかる力を分散して、ダメージが構造にすることもとても大切です。

具体的に例をあげてみます。

例)力がかかり過ぎてしまう例と対策
✘コバを仮止めだけして縫う
◎《対策》接着剤で圧着した上で縫う。
➡《どうなる?》縫い目だけにかかっていた負荷を分散できる。
 
✘カシメだけで留める   
◎《対策》カシメとステッチ併用。
➡《どうなる?》カシメ部分だけにかかっていた負荷が縫い目部分にも分散される。どちらかが破損した場合の保険にもなる。
点より線、線より面で支えて負荷を分散させることが大切です。
カシメの失敗しにくい打ち方についてカシメの打ち方とはずし方|失敗しにくい方法で書いています。合わせてごらんください。

手縫いの糸と革を丈夫にする方法

シザーケース手縫い中

革製品に詳しい方の中には、手縫い=ミシン縫いより丈夫と考える方も多くいると思います。

これは間違いです!

その理由は、大事なポイントを押さえていない手縫いだと逆にもろくなってしまうから。

では、丈夫な手縫い革製品を作るにはどうすればいいでしょうか?

丈夫な手縫い製品を作る為のポイント

  1. 菱目の縫い穴はできるだけ小さく
  2. 菱錐を使う
  3. 縫い目の糸はつぶす

菱目の縫い穴はできるだけ小さく

菱目打ちで開けた穴が大きいか小さいかで品質は大きく変わります。

菱目打ちの穴を小さくするメリット
  • 革に与えるダメージが小さくなる
  • 縫い目が美しく仕上がる

革へのダメージをおさえることができる

縫い穴を開けるということは、それだけ作品が壊れるリスクを抱えているということ。

穴が大きければその分、そこから革が裂けてしまう可能性が高まります。

ステッチを美しくできる

縫い目の美しさを構成する要素はいくつかあります。

  • 縫い目の均一さ
  • 密度と糸の太さのマッチング
  • 糸の閉まり具合

などなどありますが、縫い穴が目立ってしまうと、手作り感が出すぎてしまい、あまり質が良い物に見えなくなってしまいます。

菱錐を使うことでステッチが丈夫で美しくなる

菱錐を使うメリット
  • 縫い穴を小さくできる
  • 裏と表の縫い穴の大きさを近づけることができる

縫い穴を小さくするメリットは先ほど書いた通り。

裏と表の縫い穴の大きさを近づけることで、表裏の糸の締まり具合の差をなくすことができ、見た目も自然に仕上げることができます。

縫い目の糸はつぶす

縫い目の糸をつぶすメリット
  • 糸のでっぱりをおさえ、摩耗で糸が切れるのを防ぐ
  • 縫い目周りの革が落ち着いて美しく仕上がる

意外とこれをやっていない方が多いです。
つぶすと見栄えが変わってしまうのであえてやらないという方もいるかもしれません。

ですが、私は縫い目は潰すことを推奨します。

その理由☟

予め糸を潰しておくことで、糸の摩耗を防いで長持ちさせることができるから。

手縫いのステッチはいずれ潰れてしまうものなので、潰れることを見越して糸を選ぶことも大切です。

糸を潰すと広がって太く見えるので、潰していなかった方は、一つ細い糸に変えると納まりが良くなるかもしれません。

潰す方法は、ハンマーローラー、押しネンなどを使うといいです。

こちらの動画はハンマーの正しい叩き方と悪い叩き方。

革に跡が残らないように練習しましょう。

まとめ

適切な補強をし、壊れやすい構造を避けることで、長く愛せる革製品を作ることができます。

芯をうまく使う、手縫いの縫い穴を広げ過ぎない、接着をうまく使い、点ではなく面で支える構造にするなどがポイントです。

レザークラフトは、時間をかけて作って、長い間楽しみながら使える実用的な趣味です。

存分に楽しみましょう!

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