栃木レザーについて

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栃木レザーってやっぱいいの?

という質問を受けることがあります。特に、地元栃木の人は気になっている模様。やっぱが付くところから、良いって聞くけど実際どうなの?というニュアンスを感じます。

雑誌で特集されたり好んで使うブランドがあったりするので、革好きの方なら多かれ少なかれ一度は見聞きしたことのある革なのではないでしょうか。

このエントリーでは、栃木レザー社のいろいろな革を使用してきた職人の本音を書き連ねる予定。どうか最後までお読みいただけたら幸甚です。

まずは栃木レザーという会社について。私が知っていることを簡単に記します。

栃木レザー社とは?

創業は昭和12年。軍需で栄えたであろう戦前の世相を推測するに、創業者にはよほど先見の明があったものと思います。

戦後、会社設立してからは一貫してタンニンなめし革を製作しており、ピット槽で鞣した本ヌメ革にとても強いこだわりがあります。ピット槽とは、鞣しに使うタンニン溶液のプールのこと。濃度を変えた槽に順に浸していくことで、皮を革に変化させるこの製法は、現在世界で一般的なドラム鞣し(ドラム式洗濯機の要領で革を回して叩いて鞣す方法)に比べて何倍もの製作期間を要しますが、繊維の堅牢度を保ち、強い革に仕上げることができます。

ドラム

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ピット槽

以下は公式HP http://www.tochigi-leather.co.jp/ からの抜粋です。

昔ながらの鞣し工程を頑なに守り続けているのが栃木レザーの特徴です。

鞣しには、有害な薬品類を使わず、樹脂から取れたミモザを使い、時間をかけてじっくり鞣す。また、職人たちも、それぞれの行程のエキスパートが揃い、他では真似できない“ひと手間”を重要視しています。

伝統を守りつつ、品質を維持するための飽くなき追求を続け、最高の製品づくりを目指しています。

鞣しは”なめし”と読みます。読んで字のごとく、元々は革を柔らかくすることから出来た字なのでしょうが、現在の意味合いは皮を革にすることを指します。簡単に言えば、そのままでは腐ってしまって使えない皮を加工し、製品にできる状態に変化させることが鞣しです。

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栃木レザーは硬い革?

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これもよく聞かれます。

栃木レザーというといかついヌメ革やサドルレザーのイメージが強い為か、男っぽく分厚く硬い革を思い浮かべる方が多いようです。実際は、そのようなカチカチの硬い革もあれば、ふかふかな革やしっとり柔らかい革もあります。

deteでは現在2種類の栃木レザー社製レザーを使用しています。

バケッタは色数こそ少ないものの、しっとりとしたオイル感とシボが美しいソフトタイプのレザーです。プルアップはハードな質感とアニリン染めの高級感ある光沢が特徴。150828_1841150814_2025_01

栃木レザーは問屋や革製品メーカーから依頼を受けて様々な用途の栃木レザーを制作しているので、栃木レザーは硬いか柔らかいかとか、どんな革かを一口に説明するのは非常に難しいです。

どの革にも共通して言えるのは、欧州革に比べてロットごとの色ブレが穏やかなことと、発色が良いわりに色止めがしっかりとなされていること。メーカーにとっては毎回安心して注文できる利点があり、消費者にとっては衣類などへの移染のリスクが小さくなります。

この点についてはさすが日本のものづくり企業と言えます。

栃木レザーは長い革

国産の革とヨーロッパの革の違い、革の裁断方法の違いがあります。

ヨーロッパの革の多くは、”ショルダー”(肩から背中にかけて)と”ベンズ”(背中からお尻にかけて)を別々に切り分けてからなめします。国内で多く出回っている鞄や小物用の革は、主にショルダー(左右の肩を含むダブルショルダー)側が多く使用されており、ショルダーは正方形に近い形状で仕上がります。

国産の革の多くは、”半裁”(体の右半分もしくは左半分)という方法で切り分けます。欧州革は頭とお尻を結んだ線に対して垂直に切り分けるのに対し、国産革は平行に切り分けます。仕上がりは2mを超える細長い革になります。

ヨーロッパ革のような切り分け方の利点は、質のいい背中の部位をたっぷりと使える点だと思います。

国産の半裁側はショルダーに比べて長いパーツを取ることができます。その為、ショルダー革では制作できない長尺物を制作できるのが特徴です。

以下見学中のスナップです。

イタリア製の機械です。この機械で仕上げのオイル塗布を行います。

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こんな展示も見ることができました。

よくできてる!

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まとめ

栃木レザーは欧州産レザーに比べて原皮の品質が劣るという見方もあるようですが、なめしや仕上げの技術は高いといえるでしょう。当店で使用している素材に関しては、革質も含め全体的に高い水準のものに仕上がっていると思います。

しっかりとしたハリのあるプルアップは一枚革の(裏を付けない)シザーケースに最適です。原皮の質が優れていたとしても、例えばイタリアのELBAMATTは厚みもハリも足りないので一枚革のシザーケースにはおすすめしません。当店では独自の基準をクリアした素材のみを扱っていますので、そこから先は適材適所です。

革の特性や表情はHPでできる限りお伝えしていますが、決してそれが全てではありません。工房までご来訪いただいた方にはもっと詳しい説明をさせていただきますので、革の特徴等をご理解いただいた上で、後は好みで素材を選んでください。迷う時間もきっとワクワクするはずです。

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